2020年10月5日月曜日

現場負担ばかりを増やしはしないか

 札幌市の1日あたりでは過去最高となる、35人の感染確認数と発表されました。検査・医療体制の拡充も必要ですが課題は多い。2日に政府へ要請した日本共産党の「新型コロナ危機から、命とくらしを守り、経済を立て直すための緊急申し入れ」を持って、各界からの要望をうかがいました。

 厚生労働省は9月4日付で、「次のインフルエンザ流行に備えた体制整備」との事務連絡を発出しています。その特徴は、発熱患者等が帰国者・接触者相談センター(保健所)を介することなく、かかりつけ医など身近な医療機関などで相談・受診や必要に応じて検査を受けられるようにするとし、その整備を10月中におこなうよう都道府県に求めています。

 言い方を変えると、保健所の業務を医療機関でおこなうこととなります。「患者療養先の決定」「自宅・宿泊療養者の健康管理」「偽陰性疑いへの対応」「家庭内感染対策の指導」などがそうですが、かかりつけ医がそれだけできるのかが問題です。すでに経営的困難を抱えている医療機関は多く、国は財源を投入するとしますが、手を挙げにくい状況となっているのです。

 すでに自治体や医師会を通じたアンケートなどがおこなわれ、そのように受け入れたいとする医療機関は2割にも届きませんでした。院内での動線分離、担当医地震の感染不安なども背景にあります。できる病院と、できない病院とで「医療界で分断が起きないかと心配です」と道民医連の小内浩事務局長。ちょうど懇談前に、全日本民医連としての見解が発表されたばかりで、私が先に書いた点も、その見解からの内容がほとんどです。

 国が保健所の体制を保障していないから、かかりつけ医の負担を増やすことになった格好です。まさに「公助」としての公衆衛生に、政治が責任を負ってほしいと小内さん。こういう時の公立・公的病院の重要性についての意見も交わしました。

 この点は先月の政府交渉で、私からも厚労省へ要請しています。広い北海道では十分な医療機関や保健所体制が各地に求められますが、PCR検査一つとっても検体採取の機関は限られていて、これから吹雪くような季節になれば1時間・2時間もかけて移動などできません。でも発熱の場合に、近くの医療機関等での受診や検査ができるとも限りません。かかりつけ医に、すべてを任せることは体制上できないのです。

 コロナ禍での教訓は、体制の効率化や縮小化をしてはならないことに尽きます。行政や保健所、医師会が力を合わせて体制をつくることに、国としていっそうの財政保障などを進める必要があります。しかし、このままでは現場に負担ばかりを増やす結果になりはしないのか。聞いた内容を国会へ反映させることを約束しました。

 先日の道経産局への交渉に同席した北海道商工団体連合会(北商連)では、各種給付金の事務作業の遅れや消費税・国民健康保険料(税)の減免が話題に。民青同盟北海道委員会では、大学での学費半減を求める声の高まりやアルバイトの休業補償申請へ「講座」を開くことなど、若い世代の実態をうかがいました。

 あらためて臨時国会を早く開いて、予備費の活用を含めたコロナ対策の具体化を急ぐべきと痛感しました。早く冬が訪れる北海道だけに、上記のような困難を抱える医療機関を支えることは急務です。年末を迎えるにあたり、中小企業や飲食店など自営業者の資金繰りも心配になります。あわせて、お互いの感染防止にも気をつけていきたいものです。

 【今日の句】政治から 寒さ追い打ち かけないで

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