2023年11月3日金曜日

平和・文化・憲法の力

 「パレスチナの人々が、ジェノサイドの重大なリスクにさらされている」(国連専門家グループ)。この切迫した状況のもとで、イスラエルに行った上川外相は何を伝えたのでしょうか。日本国内でも、即時停戦・命を奪うなとの世論を大きくしなければ。

 今日は、まず札幌市手稲区・党後援会による「文化の集い」へ。合唱から始まって佐々木明美前札幌市議のあいさつ、私の講演、「アイヌ神謡集 序文」朗唱に二胡の演奏と、たっぷりのプログラム。会場内には、後援会のみなさんによる作品がずらりと並びました。

 「アイヌ神謡集」は、知里幸惠が編訳したものです。文字を持たないアイヌ民族の間で、口伝えで継がれてきたものを、ローマ字で音を記しながら日本語で訳を付したのでした。「その昔この広い北海道は、私たちの先祖の自由の天地でありました」から始まり、選ばれた言葉たちが美しいと、あらためて確認です。

 二胡のやさしい音色には、思わず聞き入りました。静かに心に染み入る音色、というのでしょうか。最後は「もみじ」「ふるさと」を弾いていただき、再び参加者で合唱も。会場が一体になりました。

 文化の集いにふさわしい話をしなければと思い、いろいろ調べて私が最後に紹介したのは、ベアテ・シロタ・ゴートン氏。GHQ憲法草案制定会議のメンバーとして、憲法第24条(家族生活における個人の尊厳と両性の平等)草案にかかわったことで有名です。

 父がピアニストで、ベアテ自身もピアノやダンスを学び、日本の伝統文化に接する機会も多かったそうです。米国では日米の文化交流をめざしてNPOを立ち上げ、通称「ベアテ・スクール」で支援を受けたのが作曲家の一柳彗さんや、オノ・ヨーコさんらでした。

 「平和憲法」と言われる日本国憲法にかかわった自分の経験からも、平和は重要な関心事だったとベアテ氏。平和の推進には「異なる文化を理解することから始めるのが一番。異文化を学ぶことが世界の平和につながる」のだという信念は揺らがなかったといいます。

 平和・文化・憲法は結びついている。今日のように集まり、それを考えあう機会には大きな意義があります。集い後に入党してくださる方もいて、さらに元気も湧いてきました。

 北海道パレスチナ医療奉仕団が呼びかけたキャンドルデモには、佐々木さんと途中から参加。最後尾にいたのですが丸山はるみ道議、反原発抗議行動を続けている橘さん、「戦争させない市民の風・北海道」の山口たかさんなどに会い、若者たちや6歳の子を連れたお母さんなどの飛び入り参加も相次ぎました。「フリー・パレスチナ」と、声をかけていく外国の方の姿も。

 団長の猫塚先生は、先日オンライン出演した「とことん共産党」でガザの実態を詳しく報告されました(今日付「しんぶん赤旗」3面に詳報)。ハマスによる国際法違反は許されませんが、これまでイスラエルが国際法に反してきた歴史や無差別な攻撃・蛮行を容認してはなりません。

 罪もない多くの子どもたちなどが犠牲になり、国連職員やジャーナリストも含めて無差別な攻撃をおこない、国連運営の学校まで攻撃され、医療機関は崩壊寸前--これが正当化されてしまえば、中東のみならず世界に報復の連鎖が広がってしまいます。そもそも無差別に奪っていい命などありません。

 世界で声があがっているように、日本でも地域のすみずみから即時停戦の声を。私も力を尽くしたい。

 【今日の句】奪われて いい命など ないはずだ

2023年11月2日木曜日

減税するなら消費税を

 岸田首相の記者会見を聞いた方は、どのような思いを持たれたでしょうか。「所得減税の後は『軍拡増税』が待っている」(志位委員長)と、誰からも見透かされています。減税するなら消費税こそ。引き続き訴えます。

 岸田首相は「可処分所得を伸ばし、消費拡大につなげ、好循環を実現する」と述べています。それなら、なおのこと消費税減税を決断すべきでは。今日の「しんぶん赤旗」でも、消費税減税のほうが実質GDPの押上げ効果が大きいという民間エコノミストの試算を紹介しています。

 経済対策は減税のほか、中国の水産物輸入禁止にともなう支援、半導体の生産拠点整備に対する支援が北海道にかかわります。果たして実態に見合ったものとなるのか、どうか。

 例えば、ホタテ殻を剥く機械の導入支援は、機械そのものをつくれる企業は道内1社だけで完成にも一定の期間がかかります。殻やウロ(中腸線)の処分の費用、その後の保管の費用もかかります。放出をやめることはもちろん、東電とともに放水を決めた国が、しっかりと責任を果たすように求めていきたい。

 千歳市に半導体工場を建設するラピダスは、実際の需要先確保や軍事流用への心配、必要とする水やエネルギーがどのような規模になるのか、環境汚染は起きないかなどの心配・課題が残されています。過去の失敗例もあり、経産省のレクでも担当者から慎重に進めるとの話でしたが、かなり前のめりな支援となっているのでは。

 月末くらいまでに補正予算編成となり、国会での質疑に進みます。北海道での活動も強めていきたい。

 【今日の句】支持率の ためかと思う いぶかしさ

2023年11月1日水曜日

もう大元から見直しを

 バスのダイヤ改正が発表され、運転手不足などの影響がくっきりとあらわれてきました。都心部も長距離路線も減便・廃止が続き、新幹線の札幌延伸にともなうバス転換は確保の見通しが立たず。対策を急がなければなりません。

 以前にも書いた道バス協会との懇談でも、切実な課題の1つが運転手確保でした。賃上げを進めたくても、コロナ禍も通じて乗客減少などで見通しは厳しい。国の抜本的支援の拡充は絶対に必要ですが、公設民営方式の導入を検討するなど、もう大元からの見直しにも着手すべきだと思います。

 私も道内をまわるのに長距離バスも使いますし、札幌市内も路線バスで(行った先で驚かれたりしますが)よく移動します。ビジネスや観光、高齢者や学生・高校生の移動手段などで大事な公共交通だと、よくわかります。観光バスなども含め、広い北海道ではくらしと経済の大きな部分をバスが担っているのです。

 「競争こそ成長」だと規制緩和によって台数が増やされた一方、運転手の処遇は努力した企業はあるものの、他業種と比べて良くなりませんでした。日本特有の乗用車優先政策も、公共交通の位置づけを低め、予算削減につながりました。この大元を見直さず、岸田政権はライドシェア導入をもくろんでいます。

 しかし、公的・公共分野としての回復なしに、今の道内の課題が解決するとは思えません。バスなど公共交通について、国は「地域ごとに話し合って」で済ませるだけでいいのか。バス転換もできないような、新幹線延伸にともなう並行在来線の経営分離も、閣議決定した当時と情勢が違うのですから見直しに進むべきでは。

 来年4月から、自動車運転業務の残業規制が強まります。トラック運転手不足も続いていますし、交通・輸送網の維持に向けた政策的努力へ、私も力を尽くしたい。

 【今日の句】急がなきゃ 規制緩和の 転換へ

2023年10月31日火曜日

「裏づけのある賃上げ」を、どう進めるか

 山田太郎文部科学政務官に続き、柿沢未途法務副大臣が辞任。本人の説明責任も、総理の任命責任も果たされなければなりません。今日からの参院予算委員会で、日本共産党は山添拓議員が明日15時ころから質問に立ちます。NHKテレビ・ラジオなどで、お聞きください(時間は前後する場合があります)。

 今日は党の「経済再生プラン」の届け・懇談に道中小企業家同友会へ。中上雅之専務のほか、道同友会の参与でもある佐藤紀雄・全国協議会専務と、来道していた兵庫同友会の河野貴司事務局長が応対してくださいました。

 全国協議会では先日、緊急要望・提言を出されています。①社会保険料率アップや増税には反対、減税や社会保険の減免を進めるべき、②世帯収入アップ・人手不足への対応のため「収入の壁」は引き上げるべき、の大きく2項目。価格転嫁やカルテル防止・公正な市場ルールなど、具体的な小項目も掲げられています。

 同友会が4~6月期でおこなった調査では、多くの会員企業が賃上げを進めていました。業況が悪い企業でも決断したのは、従業員のくらしや雇用の維持とともに、人員確保も理由としてあげられています。「内部留保の取り崩しや経費削減で原資をつくる企業が多く、価格転嫁が進んでいないことも特徴的」と中上専務。

 賃上げしたいと願う経営者は多くいます。一方で厳しい経営環境や税・社会保険料の負担が重いなか、原資を確保できない悩みも何度も聞いてきました。賃上げでパート従業員が直面する「収入の壁」も、解決が急がれます。全国同様に、北海道での人員不足は深刻の一途です。

 「裏づけのある賃上げができる環境づくりを」と述べた佐藤専務は、同じく企業づくりを自分たちも進めなければと述べました。踏み込んだ意見交換もおこない、さらに党として政策的努力をと実感したところです。引き続く多くの団体・個人のみなさんと、語り合っていきたいですね。

 【今日の句】そういえば 適材適所 言ってたが

2023年10月30日月曜日

もっと国会に議席があれば

 日本共産党はガザ人道支援募金に取り組んでいます(こちら)。全額を国連児童基金(ユニセフ)へ届けます。朝の定例宣伝でも呼びかけると、応じてくださる方の姿がありました。犠牲が相次ぐ報道を見るたびに、私も胸を痛める毎日です。できる限りのことをしていきたい。

 国連では「人道的休戦」を求める決議が、121ヵ国の賛成で採択されています。日本共産党も歓迎していますが、日本政府が棄権したというのは解せません。今日の衆院予算委員会で宮本徹議員が問うても、岸田首相から明確な理由は聞かれませんでした。

 宮本議員が他に質問したのは、非正規雇用や男女賃金格差の解消について。自治体での会計年度任用職員は、職務内容は継続したものであるのに、いったん雇用が切れるというのは理不尽です。男女賃金格差も、他国では是正ソフト開発と普及があると宮本議員が提案したのに、慎重な答弁にとどまりました。

 ケア労働者の賃上げにともない、医療・介護・報酬の改定についてもただしました。「そもそも総理には賃上げが必要だとの認識はあるか」との質問に、一般的な答弁で切迫さを感じられなかったのは私だけでしょうか。

 宮本議員は他に、年金の実質可処分所得の目減りや、75歳以上の医療費負担を2倍化してから受診抑制が起きている事実などを示しました。政府が「年金年収200万円の方には余裕がある」と強弁して進めた2倍化でしたが、実態はそうじゃない。さすがに総理も同じ答弁は、もはやできなくなってしまいました。

 たくさんの課題を短時間で質問をしているのを見て、もっと日本共産党の議席があれば時間が長く取れるのにと痛感です。私が現職だったときは衆議院議員が21人で、今日のような予算委員会では倍の1時間ほどが割り当てられました。1つの問題を、さらに深く掘り下げて追及することもできるのです。

 北海道での議席回復へ、私もさらにがんばらねば。

 【今日の句】何度でも 命奪うな あきらめず

2023年10月29日日曜日

平和への願いを引き継いで

 「矢臼別演習場のど真ん中」住人の二部黎さんが亡くなりました。葬儀を執り行わないよう遺されたのは、仰々しさを遠慮した二部さんらしい別れと感じました。静かに偲ぶことにします。

 矢臼別に住まわれて、静かな環境が創作活動にもいいんだよと話をうかがいました。平和盆踊りだけでなく、別海町での街頭宣伝にも駆けつけては激励くださいました。いつも穏やかで、包み込むような笑顔が忘れられません。

 あらためて、心からお悔やみを申し上げます。平和への願いを、しっかり引き継いで力を尽くしたい。

 今日は札幌市中央区へ。「共産党を知るつどい」では、ずばり入党を訴えてくださいとのことで、日本共産党の政策と綱領、過去の誤りとともに克服してきた歴史、仲間とともに社会を変える喜びを、たっぷり話させていただきました。

 「この間、知り合いから『共産党は暴力革命の党でしょ』と言われて、うまく答えられなかった」と、後援会員さん。旧ソ連と手を結んだ分派によって暴力革命の方針が持ち込まれた歴史(「50年問題」)は、忘れてはいけない痛苦の歴史なのです。

 それを乗り越えて築き上げた綱領と、民主と集中を両立した組織運営があったからこそ今の党があります。この間、除名された元党員について「だって綱領と違うことを、しかも党の外で言ってるんだから、私は(除名が)当然だと思う」とも語られ、今日の「つどい」でスッキリしたとのことでした。

 イスラエルのガザ攻撃、北海道でのバス運転手不足、市民と野党の共闘についての今後など、次から次へと疑問や不安が尽きません。それだけ行き詰まった岸田政権であり、自民党政治なのです。とりわけ新自由主義政策で苦しめられてきた北海道から、変化のうねりを広げたい。

 つどいに先立ち、中央区実行委員会による「市民と野党の共同大街宣」にも参加して訴えました。私の前にマイクを握った村上ゆうこ札幌市議が「この後に、日本共産党の畠山和也元衆議院議員と立憲民主党の道下大樹衆議院議員がお話をします」と紹介していただき、ありがたく感じました。

 私も「村上ゆうこ市議にご紹介いただき、恐縮です。この後に道下大樹衆議院議員がスピーチします」と、お返しに一言。野党が力をあわせれば勝利できることを、徳島・高知の参院補選であらためて証明されました。党が違えば理念や政策が違うのは当然で、だから一致点を積み上げることが大事なのでは。

 道下衆議や私に声をかける道行く方もいて、今の政治をどうにかしたいと思っている方にとって、共闘は希望なのだとも実感しました。つながれば必ず社会も政治も変えられます。

 【今日の句】積み上げた 平和の意思を 実らせよう