水揚げの減少や自然災害による収量減など、水産・青果ともに苦労が続いた昨年でした。手締めの前に「災い転じて福となす1年にしましょう」とのあいさつを、誰もが納得して聞いたのではないでしょうか。業者さんに「消費税増税を止めましょう」とあいさつにまわると「共産党がんばれ」「下げてほしいぐらいだよ」と声もかけられました。
コメ6haと和牛100頭を飼う農家では、農地への土砂流入・畜舎の再建というダブルパンチに襲われました。上空からの写真も見せてもらいましたが、耕作地の1/3ほどに土砂が流れ込んでいます。土地改良区とも相談していますが、業者の確保も含めて「今年は排水・揚水、来年になったら農地」という見通しとのこと。当面は牛の販売で家計は大丈夫とのことですが「2~3年後はきついだろう」との言葉が重く響きました。
一番の願いは「せめて畜舎に近い田んぼ1枚分だけでも取り除ければ」。放牧のためですので、何とか融通できないものかと私も思いました。牛たちも見せてもらいましたが、生まれて間もない子牛たちのクリクリとした目が愛らしい。しっかり現状を国や道へ反映させることを約束しました。
渡り廊下でつないで施設化した福祉仮設住宅は、全国で初めてとのこと。入居は今月中旬とのことで、お願いして運営する厚真福祉会の亀山信夫常務理事にご案内いただきました。引っ越し作業などの忙しい時期に対応いただき、本当に感謝でいっぱいです。
何より仮設住宅同様2年間という期限のなかで、新しい施設を建てることも悩みの種となります。激甚災害指定を受けて持ち出しは1/6までに減りますが、それでも億単位の工事となるわけですから、仮設での仕事と同時並行で進めることのご苦労を思うと様々な支援が必要と痛感しました。「引き続き実態を聞きにこよう」と伊藤町議も話されていました。
むかわ町では北村修・大松紀美子町議と、昨年末に町内の中古物件を買えた世帯を訪れました。賃貸住宅が半壊となり、新しい物件を探していたところに、地震を機に売り払った家がマッチングできたとのこと。残念なことに3町では、地震を受けて他自治体への流出が続いています。うまく貸したり売れたりできれば、空き家にしなくてもすむんですよね。ご本人たちの喜ぶ顔が印象的でした。
地震によって実は支署の建物も被害を受けているのです。命の砦としての消防所から出動できないのでは困ったことになってしまいます。車止めをしていても消防車が大きく揺れてゆがんだり傷ついてしまったりと、いま動く分に支障はないのですが、それだけの地震だったのだとあらためて驚きました。
災害対策本部となる役場、避難所となる学校、そして命を守る病院など、耐震化や非常用電源の設置、さまざまな安全面での対策が求められます。同時に、消防所などの点検や対策・支援も必要です。定員も充足できていない実態は、むかわ町だけでなく全国にもあります。こういう分野に、もっと政治が力を入れるべきですね。
安平町では仮設住宅や高齢者からの聞き取りにまわりました。床屋をされているご夫婦は、今後の見通しが「まったく見えない」と何度も口にされました。町職員とのやり取りもうまくいっていないようで、同行した三浦恵美子町議が取り次ぐことにしました。どうしても決断には時間がかかるのと、店の再開には気力も視力も必要なだけに、相当の支援が必要です。
支援は融資が中心となりますが、年齢のことを考えると将来の見通しも立ちにくくなるのも現実です。現状を整理していきましょうと話すと「聞いてくれるだけでもがたい。お願いします」。何かできることはないか、いろいろと調べて行政などにも求めていきたい。
復旧・復興・再生には、相当の時間がかかります。完全に元通りにできない場合、新しい状況にするのには決断も必要になります。それだけに寄り添いながら、少しでも負担を軽くできるような取り組みを続けていきたい。結果としてできないことがあっても、次の災害が起きたときに教訓として引き継がれることがあるかもしれません。くりかえし現場の声を聞き、反映させることに力を尽くします。
【今日の句】外遊の費用を 被災地まわしたら