2022年9月10日土曜日

「国葬」中止を

 元職ということだからか、私にも安倍元首相「国葬」の案内が届きました。法的根拠がなく、憲法14条「法の下の平等」・19条「思想及び良心の自由」に反し、さらに安倍氏は統一協会との関係の深さが疑われるーーそれでも実施するなど反対です。欠席で返信しました。

 今日の「しんぶん赤旗」の「潮流」では、戦前の国葬について紹介しています。国家や天皇に尽くした「功臣」としてたたえられ、国葬令にて国民は喪に服すよう強制されました。盛大な儀式は、戦意高揚にも利用されたとあります。

 国民主権の現憲法のもとで、廃止されたのは当然のこと。それなのに、閣議決定によって強行される今回の「国葬」。せめて国会を開いて質疑に応じるべきなのに、短時間の閉会中審査のみで、これでは議論も深まらないし、首相も説明責任を果たしたと言えないのではないか。

 このような実施が前例となってはいけません。中止をとの声を、引き続き広げていきたい。

 【今日の句】この国は 法的根拠が 失われ

2022年9月9日金曜日

北海道を軍事基地化するな

 10月1日から実施と発表された日米共同訓練「レゾリュート・ドラゴン」の中止をと、道防衛局への要請をおこないました。オスプレイが丘珠駐屯地などに訓練として飛来するのは初めてで、まさに全道規模での大訓練です。

 要請は紙智子参議院議員、宮川じゅん・菊地葉子の両道議、太田秀子・長屋いずみの両札幌市議、札幌市議予定候補の平岡だいすけさんらとおこないました。訓練は矢臼別や上富良野、然別などの演習場も用いられ、全道の声は私から訴えました。

 オスプレイについてはMV22が6機参加とされていますが、CV22は「調整中」とのこと。CV22は、飛行中のクラッチの不具合による事故が2017年以降で4件あり、そうなるとパイロットが機体を制御できず事故を招く恐れがあります。米空軍は当面飛行停止としてきました。MV22も基本的には構造が同じです。

 その整備拠点が住宅地・丘珠駐屯地というわけですが、訓練時間が朝7時から夜22時までといいます。夜間に戻るとなれば、子どもたちなどの就寝時間と重なります。昨年の訓練は21時まででしたから、延長する意味などの説明もなく、ごう音・騒音を振りまくとは納得できません。住宅を巻き込む大事故など、あってはなりません。

 矢臼別など各地の演習場は酪農地帯でもあり、同じくごう音・騒音で乳牛へのストレスも心配されます。訓練は「沖縄の負担軽減」が理由の1つとされていますが、まったく負担軽減になっていないし、全国・全道の軍事基地化へとつながっています。米国本土では野鳥への影響が心配されて低空訓練などできないのですから、日本国民は野鳥以下の扱いということになります。こんな日本政府でいいのか。

 紙議員はじめ各議員から重ねて中止をとの要請にも、力が入りました。引き続き私も国会や各地と連携していきたい。

 【今日の句】住民の 要望よりも 米軍か

2022年9月8日木曜日

地球のなかで、ともに生きる

 一昨日に白老町にて、宇梶静江さんと懇談する機会に恵まれました。紙智子参議院議員・大淵紀夫町議とじっくり、宇梶さんのアイヌとして生きるアイデンティティをうかがいました。柔らかくも重みのある話を、背筋が伸びる思いで聞きました。

 北海道から東京へ、そして80歳を過ぎてから北海道へと戻ってこられた宇梶さん。高齢での引っ越しは大変だったと思いますが、「大地が私たちを解放してくれる」と感じたそうです。東京に住むアイヌの孤独さも、何度となく語られていました。宇梶さん自身、朝日新聞への投稿をきっかけにアイヌであると明らかにし、東京ウタリ会を設立に導きました。

 古布絵作家として有名な宇梶さんですが、恥ずかしながらじっくりと、その絵本を読んだことがありませんでした。そんな私にも宇梶さんは、自分の子どもに接するがごとく絵本を取り出し、手渡してくれました。「セミ神さまのお告げ」を読んでいて、生き生きと描かれる古布絵に引き込まれ、アイヌの文化や世界観を(本当に一端でしょうが)身近に感じることができました。

 宇梶さんは包み隠さず、みずからが受けた差別や、アイヌ同士でも生まれた意見の相違、また知人の日本共産党員についても語ってくださいました。「結婚してお金が入っても、自分の書いた詩が評価されても、自分を出せない悲しさがあった」「カムイノミに来た年寄りが『俺たちはバカにされるような人間ではない』と言っていたのを、ウンウンと聞いていた」。1つ1つの言葉が、本当に重く胸に響きます。

 「これはアイヌでやりたい、ということもあります。シャモ(和人)に話したくないこともあります」との話も聞き、ドキッとしました。しかし、それはシャモへの憎しみや不信などとは違う、アイヌ民族として自立した道をひらこうとのエネルギーの言葉。著書「大地よ!」でも、「アイヌよ、今こそ立ち上がる時だ」と呼びかけています。国会ではアイヌ新法の見直し期間(5年)を迎えていきますが、アイヌ当事者の手によらない改正であってはならないと痛感しました。

 この間のアイヌ同士の新たな出会いにも触れた宇梶さんは「この人に引き継げたと思えることが大事」との話をされ、また背筋が伸びました。どれだけ宇梶さんの思いを、私は引き継げるだろうか。聞いた話を、どれだけ自分のものにできるだろうか。2日が経っても、なんだか自信が湧いてきません。こうしてブログで書きながら、自分のなかでかみ砕いているのが率直なところです。

 昨日は家畜改良センター新冠牧場に眠る御料牧場時代の資料が、しっかり保存・管理され生かされるよう紙議員とも要請し、国立公文書図書館への移管も検討中との話をうかがいました。これはアイヌ民族の強制移住にかかわる文書なのですが、センター職員も初めて存在に気づいたそうです。歴史を明らかにして積み重ね、後世に伝えていく大事さも、宇梶さんと話したからこそ再認識しました。こうして先住権保障の道を、いっしょにきりひらくことにもつながると思えました。

 地球・大地のなかで、ともに生きる。しっかり自分のものにしていきたいです。

 【今日の句】誰だって 自分1人で 生きてない

2022年9月7日水曜日

右往左往・なりゆき任せの農業政策

 今日は紙智子参議院議員と日高管内へ。足を運んだ目的の1つが物価高騰の影響調査で、農家の実態をつぶさに聞きました。水田活用交付金の見直しという、もともと水田であれば牧草地さえも5年に1回は水田に戻せという、乱暴な施策への不満も次々と出されました。

 浦河町では池田拓町長から公共交通を中心に、産業課長さんなどから農林漁業の現状をうかがいました。昨日の厚真町長さんと同じく、新自由主義を続けては地域が成り立たなくなる危機感に触れられていて、まったく私も同じ思い。物価高騰も地域生活や産業を圧迫していて、政府の対策はどうなるのか注視している現状は、どこも共通しています。しっかり国会と連携して、北海道の実態も反映させねば。

 日高管内は全国最大の軽種馬産地で、見渡す限り牧草地。過去に水田だったところもあり、このままでは補助金を減らされてしまいます。全国生産者からの声があがって、政府は突然「播種(種まき)をすれば」これまでどおりの金額を補助すると通知しました。でも春になってから播種と言われても計画外で、まず種を買わなければなりません。早い者勝ちという状況になって、手に入らなかった農家もいたようです。

 昨日の厚真町でも同じく、畜産農家を中心に話をうかがったなかで出されました。今日の新冠町でも同じ話が出され、「来年の分を買う予定を立てなければいけないが、確保できるんだろうか」との心配も。国の制度が右往左往すると、現場が混乱するという見本みたいな事態なのです。

 そのうえ飼料や肥料、生産資材の高騰はなりゆき任せ。肥料は使用量を2割削減すれば補助するという条件つきで、「これまでもコストカットなど努力している。減らせば収量や品質の心配もあるのだから、その支えなしに条件だけ付けられても‥‥」と困惑の声も聞きました。見通しが持てなければ離農も広がりかねません。「食料自給率を上げることにも逆行する」という意見も、まったくそのとおりです。

 ピーマン生産全道一の新冠町では、園芸農家の苦労も聞きました。うかがった先は、2018年の豪雪でハウスが全面的に被害を受けた方。私も新ひだか町で調査に入り、支援を要望した雪害だったので、よく覚えています。この方は結局みずからハウス10棟を再生(!)し、今は軌道に乗ったわけですが、その苦労は相当だったと思います。それが今度は資材高騰。どの農家も等しく打撃を受けていることが、よくわかりました。

 食は命の源であり、農林漁業は地域社会を支える大黒柱。すぐ働き手を増やせないし、すぐ再生産できないのですから、なくなってから重大さに気づいたのでは遅すぎる。生きていく足元をないがしろにする政治では、国民も地域も守れません。久しぶりに多くの農家や農協の方と話すことができ、その大切さを確認できた1日でした。

 【今日の句】自給こそ大事と 何度も声にする

2022年9月6日火曜日

コミュニティの大切さ

 胆振東部地震から4年。紙智子参議院議員・伊藤ふじお町議と厚真町にて亡くなられた方を悼み、宮坂尚市朗町長などから現状や課題をうかがいました。当時の被害は、今も忘れられません。

 何しろ北海道の地震記録が残るなかで、初めての震度7。山腹崩壊で飲み込まれた農家や田畑を間近に見て、暗澹たる気持ちになりました。その時に、町民からのSOSを1枚の紙に書きとどめ、必死にまわり続けた伊藤町議の姿に、私もまた励まされたのでした。電話番号や被害の記録がビッシリ綴られた、その1枚の紙を私は「命のメモ」と呼び続けました。

 被害は厚真町だけにとどまらず、この広い北海道すべてが停電になり、再通電する「火種」さえも途絶えるブラックアウトという、かつてない事態にも見舞われ、とにかく走りまわった最初の1ヵ月。仮設住宅で心が通じあった方が先日に亡くなった話も聞き、紙議員と訪ねもしました。訪れた災害公営住宅では、くりかえし率直な意見を寄せてくれた方も顔を見せてくれて「記念だから」と、カメラ持参で来てくださったことは本当にうれしい。じゅうぶん力にはなれませんでしたが、私自身も多くのことを学びました。

 厚真町役場の町長室には何度、足を運んだでしょう。今日も宮坂町長から「今回の経験を多くの方に伝えねばと思っています」と、シンポジウムも計画したいとの話をうかがいました。初めて今日わかったのですが、震災以前から町職員を全国各地の災害現場に(ボランティアも含めて)派遣し、その蓄積が活かされていたというのです。

 社会福祉協議会も人口規模からしては厚真町に多く、当時は大きな役割を発揮したリアルな話をうかがいました。コロナ禍で保健所の役割の大切さが再認識されたように、社協の大切さを痛感しました。新自由主義下での問題意識も共有させていただきました。

 自然災害のリスクは、地球規模で高まっています。特に地震大国日本は、津波や土砂災害も重なる複合災害に襲われかねません。その避難時も復旧時もコミュニティが大きな役割を果たすことを、今日も学びました。ハード・ソフトがそろって「災害に強い町づくり」なのだと実感です。余談ですが、復旧工事をしていた現場説明の責任者は、私が教員時代の教え子だったことがわかり、重ね重ねうれしい1日でした。

 その後は、水田活用交付金の見直しや飼肥料高騰で悲鳴と不安が広がっている農家のみなさんとの懇談会、白老町に移動して自伐型林業の可能性と課題について大西林業さんから、アイヌ施策だけでなくご自身の人生も含めて宇梶静江さんからと、どこでも濃密な話をうかがいました。長くなるので、日をあらためて紹介したいと思います。

 北海道も台風の影響で、風雨が強まってきています。お気をつけください。

 【今日の句】復興の主役は やっぱり住民と

2022年9月5日月曜日

やっぱり憲法を活かす未来を

 今日は、ある職場支部から依頼のあった憲法改正についての情勢学習会。「改憲4党」が国会で3分の2を占めていても、国民世論とは溝があるし、草の根から声をあげることの大切さを確認しあいました。

 岸田首相自身が「発議に賛成する勢力が3分の2必要ということではなく、中身について一致できる勢力が3分の2集まらなければ発議できないのが現実だ(6/21)と述べたように、4党間でも改憲項目に違いがあります。

 国民世論も、共同通信の世論調査(7/12)では憲法改正について「急ぐべきだ」37.5%、「急ぐ必要はない」58.4%と、優先事項ではありません。新型コロナ対策や物価高騰など、くらしに密着した課題は成り行き任せだし、国葬は反対の声を聞かずに強行、統一協会問題も根深い癒着への反省や全容解明もしない岸田政権が、改憲だけはまっしぐらとなれば国民からの批判も強まるでしょう。

 今日の話で参考にしたのが、月刊「憲法運動」の五十嵐仁・法政大学名誉教授の小論文。9条の「ありがたさ」をまとめていて、それがわかりやすく、そのまま紹介しました。①戦争加担への防波堤、②自衛隊員を戦火から守るバリアー、③戦後における経済成長の原動力、④学術研究の自由な発展を促進する力、⑤平和外交の推進を生み出す力、です。

 「なぜ憲法に緊急事態条項がないかが学べた」「やっぱり共闘を発展させていくことかな」などの意見も出され、新たな決意でがんばろうと確認しあいました。私も学んで、新たな発見もありました。力をあわせてがんばりたい。

 【今日の句】まず憲法どおり ひらこう国会を