2020年5月23日土曜日

「原爆の火」とともに核廃絶を願って

 1人で歩き始めたときは、会場である東京までの「千キロ行進」とも呼ばれた国民平和大行進。今年は通し行進はありませんが、人数もしぼった札幌集会が開かれました。党からは私が連帯あいさつをおこないました。

 行進の歴史は途切れたものの、核兵器廃絶の熱い思いは途切れません。「核兵器をなくそう」のプラカード、核兵器NOとプリントされたマスクなど、いろんな趣向を凝らして参加者はアピール。少ない人出だった札幌駅前でも、足を止めてスピーチを聞く方の姿も目立ちました。

 北海道は6つの網の目コースがあり、全国縦断コースは礼文島から毎年、出発します。礼文の平和の思い、根室の平和の思い、網走、えりも‥‥などの網の目コーススタート地点から含め、どの町でも核廃絶の思いは変わりません。ヒバクシャ国際署名に賛同された道内自治体首長・副首長は148自治体(28市・108町・12村)にも及びます(今年3月現在)。それだけの歴史ある行動です。

 ヒバクシャ1人ひとりの命を懸けた訴えが世論を動かし、世界を動かし、核兵器禁止条約へと実を結んだのが2017年。批准は37ヵ国となり、条約が発効する50ヵ国までもう一息です。今日も「引き続き国際署名を集めよう」と呼びかけもされました。

 昨年の日本訪問後、バチカンでローマ教皇は次のように語ったそうです。「原爆の消えることのない傷を負う日本は、全世界のために命と平和の基本的権利を告げ、知らせる役割を担っている」。昨年の原水禁世界大会に参加した道内の高校生が「自分も何かしなければ」と決意して、クラスをまわり400人以上の署名を集めたことを思い出しました。地域・職場・学園での粘り強い活動によって、世界での核廃絶の世論が広がってきたのです。

 今日は市内の日登寺にある「原爆の火」も掲げられました。残り火を形見代わりとして持ち帰った山本達雄さんから、今日まで守り続けられています。この火とともに、核廃絶への熱い思いは消えることなどありませんでした。

 ヒバクシャである廣田凱則さんは、二度と被爆の経験などないようにとマイクを握りました。核兵器の廃絶を綱領に掲げている日本共産党の決意を、あらためて私からも述べました。オンラインも含め、つながりを深めて世論を広げ、日本政府として核兵器禁止条約を批准するよう迫っていきましょう。私も力を尽くします。

 【今日の句】官邸は ヒバクシャの声 聞いてるか

2020年5月22日金曜日

苦しさは減っていない

 高熱が続いてるが病院に行けない--相談を受けて対応しているうちに、保健所も動いて受診できる病院が見つかったそうでホッ。苫小牧市や函館市では、医師が必要と判断した場合にPCR検査を受けられる体制もできてきていて、このように各地で早く開設できるように国の支援が急がれていると、あらためて痛感しました。

 発熱されたのは若い方で基礎体力もあったとは思いますが、それでも高熱が続けば心配です。基礎疾患のある方はなおさらです。みずからの命と健康を守るとともに職場での感染拡大を防ぐため、医療機関で働く方々もPCR検査を受けられるようにする必要があります。新型コロナウイルスへの対応の一方で、救急患者が必要な医療を受けられないとなれば、それこそ医療崩壊となってしまいます。

 いま政府は第二次補正予算を検討していますが(どの分野も緊急かつ必要ですが)、とにかく医療関連予算は思いきった対応をしてほしい。受診控えによって減収となっている一般病院も支えなければなりません。いろんな相談を受けるにつれ、もどかしい思いが募るばかりです。

 介護や障害者福祉の現場も、強い緊張感のもとで利用者さんを支えています。商売をされている方で、雇用を守りたいと銀行などを駆け回っている方もいます。アルバイト減収で退学まで考えている学生も少なからずいるし、帰国もできず行き詰まっている留学生もいます。感染者数が減っていると発表されても、困窮の度合いは減ってなんかいません。

 北海道にいる者としては、着実に国や道へ反映させていかなければなりません。しっかり役割を果たしたい。

 【今日の句】ガマンだけ強いて 命を守れるか

2020年5月21日木曜日

介護分野を後回しにしないで

 ただでさえ人員不足と経営困難が重なっていた介護分野。「介護に笑顔を!北海道連絡会」から、コロナ禍でのさらなる苦労や実情をうかがいました。切迫感をもって、急いで政府が対応していくべきだと痛感です。

 同連絡会は、介護にかかわる事業者・職員(労働組合)・社会保障関係団体などがいっしょになり、介護分野を全体として改善していくためにと集会などの活動をおこなってきました。今日の会議では、道内3444事業所にアンケートを郵送し、要望などを行政へ届けることも決めたそうです。

 事業者の側からは、利用者の減少により大幅な減収が続いていることが出されました。「感染や拡大がないように必死。減収を埋めるために、前年並みの概算払いででも介護報酬を出してほしい」「デイサービス利用者が来ないことで、身体機能の低下などが心配。訪問介護がないと生活も成り立たない方がいるが、感染リスクも心配」という実態を聞きました。

 職員の側からも、「つねにすごい緊張感。一方で職員も、事業の見通しが見えないことを肌で感じている」「政府が口でいいこと言っても、現場は2ヵ月も3ヵ月も改善されていない。国へのいら立ちや怒りが広がっている。結局、介護は後回しなのか」などの切実な声が出され、しっかり受け止めなければと思いました。現場の使命感や責任感だって、このままでは糸が切れてしまいかねないのです。

 ご家族からの心配もあり退職を希望している方、百円ショップの雨がっぱで防護具をつくっている事業所‥‥「身を守るものが準備されていない野戦病院状態」との表現もされました。政府は、この献身さに甘えるようなことがあってはならないのです。財政支援をはじめ、しっかり支えなければなりません。

 戻ってテレビのニュースを見ると、賭けマージャンが発覚した黒川弘務検事長が辞表を提出したとのこと。定年延長を閣議決定した総理の責任や、森法相の責任も問われてしかるべきです。こういうことに時間や労力が割かれて、苦難を抱える国民への支援が遅れてはならないのですが、こんな大問題を不問にするわけにもいきません。安倍首相の政治責任は極めて大きい。

 【今日の句】望んでる 介護に笑顔 心から

2020年5月20日水曜日

札幌市は国と、どのようなやりとりをしたのか

 定期的におこなっている、党道委員会の新型コロナウイルス対策本部の会議。昨日、党札幌市議団も申し入れた「茨戸アカシアハイツ」での感染拡大について、市からの発表・情報や国との関係なども議論しました。亡くなられている方も多く、市も現地対策本部を設置しましたが、次々と対策を打つべきです。

 そもそも国の通知によれば、感染者は「原則入院」となっています。しかし秋元市長は「介護を必要とする方を受け入れる病院が見つからない」ことを理由に、陽性者を施設内に留め置き続けました。その結果、利用者にも職員にも感染が広がり、利用者の11人が亡くなるにまで至ったのです。

 誰であれ等しい命を救うため、入院が困難という時に市は国などへ具体的な相談をしたのか。市は病床確保への努力や調整を、どれだけおこなってきたのか。国もクラスター対策班が入っていますが、どのような助言などをおこない、その実施や効果を確認しているのか。まずは病院へ、現場に残らざるを得ない方がいるのなら別途の体制を、そして今は陰性の利用者・職員の保護や支援を急ぐ必要があります。

 医療・検査体制など全般的な拡充や支援とともに、急いで支援を必要としている現場へ力を集中的に。こういう時なのに政府・与党からは、検察庁法改定案を見送ったばかりというのに国民投票法改正案の成立をはかろうとの動きがあります。維新は改憲議論もけしかけています。いま急ぐべきことが違う!

 【今日の句】現場へと 心と目線 向けてるか

2020年5月19日火曜日

支援拡充は待ったなし

 ウェブを通じて党道委員会へ寄せられた声や、この間の調査・懇談の内容をもとに道厚生局(厚生労働省の出先機関)へ17項目での要請をおこないました。ほぼ本省にかかわる要請なので、しっかり反映する旨の回答がありました。

 ウェブ上のアンケートに答えてくださった方には、あらためてお礼申し上げます。道議団も14日に要請をおこない、道への寄付金を用いた医療支援が副知事から表明されています。

 PCR検査体制の抜本拡充、医療機関への衛生資材等の安定供給と財政支援については、これまで日本共産党は国会でも繰り返し訴えてきました。北海道では医療機関・介護施設でのクラスターの発生も続いてきたことから、患者・利用者や従事者への支援も具体的に提起しました。

 茨戸アカシアハイツの状況については、私たちが知りえた情報ももとに、感染者は原則入院とするのなら実施するに必要となる手立てを、国としても責任を果たすことを求めました。「市から相談があれば協力する」という回答でしたが、問題意識は共有されたと思っています。具体的な対応を望みたい。

 国立八雲病院の機能移転計画の延期、介護や障害者福祉施設での減収対策などの財政支援、くらしにかかわっては各種保険料の減免や、各種給付金などの周知、適正・簡便な手続きなども求めました。アンケートで寄せられた声については、労働分野にかかわる要望もあるので関係部署にも伝えるようにするとのことでした。

 いま国は第2次補正予算の積み上げを進めていて、減収への支援の検討は加藤厚労相からも出されています。茨戸アカシアハイツなどには厚労省クラスター対策班も入りましたが、働く人も利用者さんも大きな不安を抱えています。重ねて国として役割を果たすように、私から強調しました。

 先だって今日は、岩見沢市の障害者支援施設から聞き取りもおこないました。知的障害者支援の「こくわ福祉会」、精神障害者支援の「ミナミナの会」へ、上田久司・山田靖廣の両市議、党南空知地区コロナ対策本部事務局長の吉岡建二郎さん(前美唄市議)とで足を運びました。

 感染拡大の防止に、両施設とも手洗いや消毒は徹底されています。その分の支出が増える一方で、コロナ禍の経済的縮小のもとで販売や委託作業も減り、利用控えも重なって経営上の減収も大変です。それでも利用者を支える職員さんは、明るくやさしく利用者に接している様子が今日も垣間見えました。

 「報酬にかかわる工賃基準を決められると、経営の根幹が崩れます」と石田ルミ江・こくわ福祉会理事長さん。この状況では工賃を上げることは困難ですが、そういった苦しみも、販売が上向いたときの喜びも、共有しあっている同会。工賃が基準額を下回ると施設への報酬も変わってしまい、職員確保などに影響が出てしまいます。

 石田さんは「そもそもは、工賃が上がっても下がっても生活できる障害年金の支給や、医療費負担を軽くすることが必要です」と力を込めました。納得です。

 ミナミナの会では、精神障害ゆえの苦労を再認識しました。当日になって利用を控えることがあるため日割り計算の報酬では減収になることや、スタッフ不足のため送迎業務ができず来られない場合があること、自治体をまたいだ利用者の交通費が工賃を上回らないように施設側で負担をしていることなど、中村末太郎理事長さんからうかがいました。

 中村さんは「利用者も高齢化しているもとで、生活介護や身辺介護を必要としている方もいます。しかし、自立型のグループホームは『自立』が前提。障害者への介護については、私たちの運営の延長線上でも必要になっています」と述べつつ、「でも建てる資金力もないし、今でさえ職員が不足気味です」と苦笑されました。苦難の一端でしょうが、痛いほど伝わりました。

 道厚生局への要請でも、うかがった2施設の話を盛り込みました。取り組むべき課題が本当に多いと痛感です。すべての分野でプロフェッショナルにはなれないものの、制度の最低限の知識や認識は持って臨んでいきたい。何より現場の苦労や実態をつかみ、課題を見抜ける力こそ必要だと思っています。引き続き現場の実態を反映させていきます。

 【今日の句】すっきりと 笑顔がいつも 支えてる

2020年5月18日月曜日

国民の声が動かした

 時差出勤やテレワークの影響もあってか、今朝の札幌駅周辺も通常の半分ほどの出勤状況。それでも宣伝のビラは受け取られ、スタッフが二度三度と袋から取り出しに来るほどでした。「いま共産党は何を言っているのか」と関心をもっている方もいるのでは。

 私からは、先週の医労連との懇談や、労働電話相談での事例も紹介しながら、医療・介護分野への財政支援や雇用調整助成金の支給を急ぐことなどを述べました。もう何度もマイクを通して訴えてきたことですが、困難が解決されていない実態があることが、もどかしくもなります。

 こういう時に、検察庁法改定案の採決など許されません。ツイッター上のデモ、インターネット審議中継が一時閲覧できなくなるほどのアクセス、そして検察OBからの意見書などで政府・与党は追い込まれ、今国会での採決は見送られることになりました。世論の力の反映です。

 これまで何度となく繰り広げられた強行採決を、国民の声で止めたことは大きな成果ではないでしょうか。安倍首相が「国民の理解なく前に進めない」と述べていることに、象徴的に表れています。しっかり野党も共闘し、国会内外で政府・与党は包囲されました。採決先送りでなく断念し、幹部検察官の定年延長「特例」の撤回と、黒川氏の定年延長を認めた閣議決定を撤回するまで声にしていきたい。

 宣伝で、時間をとって強調したのが雇用の維持です。今日もスカイマーク社が新規採用を止めると報道され、新たな「就職氷河期」の可能性も言われ始めました。すでに広がっている解雇などに加え、今月には「大量の雇い止め・派遣切り」が起きうるとの報道も目にしました。雇用の危機は、労働者や学生に責任はありません。国が役割を果たすときです。

 リーマンショックの時に本州で派遣切りにあい、札幌で路上生活を強いられ、命の瀬戸際にさらされた方がいたことを思い出します。雇用の調整弁とされた非正規職員・派遣労働者の苦しみを、またくり返させてはなりません。まして今回は感染症防止を国家的課題としているのですから、真っ先に路上生活は解消されなければならないのです。

 いろいろ準備して、明日は道厚生局へ要請をおこないます。

 【今日の句】暴政は できぬと総理 自覚せよ

2020年5月17日日曜日

暴政など許さない

 この怒りを、政府・与党は甘く見るな。コロナ禍で苦しんでいる国民より、検察庁法改定案を優先して強行採決など絶対に許さない。やるべきことが違う、やること自体が違う、やる中身自体に怒っている--。

 わずか1週間のうちに、ツイッター上のデモが大きく広がり、インターネット審議中継は閲覧が一時不能になるほどアクセスが集中し、検察OBが異例中の異例ともいえる反対の意見書まで出しました。推進する政府・与党が、国民に包囲されているのです。

 「フランスの絶対王政を確立し君臨したルイ14世の『朕は国家である』との言葉を彷彿とさせる」。検察OBの意見書は続けて「政治思想家ジョン・ロックは『法が終わるところ、暴政が始まる』と警告している」とも強調しました。歴史上の人物の言葉が、こんなに重みを持って迫ってくるなんて。

 それほどの問題であることを、安倍首相は理解できているでしょうか。この間の質疑でも、恣意的な運用を防ぐための基準は明らかにされませんでした。安倍首相が、いくら心配などないかのように言っても、その根拠はないのです。こんな暴政に、国民は「おかしい」と何度言ってきたことか。

 コロナ禍で、これまでにない多くの方が苦しみのなかにいます。安倍政権が保身と民主主義破壊に突き進むことに、本気で国民は怒っています。採決など許さない世論を、北海道でも広げたい。ぜひ、ご家族や知人・友人との会話のなかで話題にしていただきたいです。

 【今日の句】どれほどの 苦難と怒り 知ってるか