2020年12月31日木曜日

お困りごとは相談を

 今年の始めには、年末に臨時相談窓口を開くとは思ってもいませんでした。この時間にも感染で苦しむ方や支えている方がいます。最後の最後まで、政治の責任を痛感する1年となってしまいました。

 日本共産党北海道委員会で開設した、年末の臨時電話相談。すでに昨日から「派遣切りにあった友人と、電話でもメールでも連絡とれない。1週間前は所持金1000円ほど、いま手持ち金もないはずで心配」との相談が入っています。電話をくださった方は今日、友人宅に行ったそうですが依然として探しています。

 猛烈な寒波で札幌でも-10℃、幌加内町では-30℃超ですから、どこかに身を寄せていればいいのですが心配になります。万が一、心当たりのある方はお伝えください。

 今日は多くの相談はありませんでしたが、一人の命を大事にすることの緊迫さは、このように終日続きました。北海道だけでなく東京や大阪など各地の党事務所でも、今日は特別の相談窓口を開いています。お困りごとは遠慮なく、ご連絡ください。

 夜の労働相談をおこなっている、さっぽろ青年ユニオンの会場にも顔を出してエール交換。カップ麺などを準備して、その蓋にはユニオンにつながるQコード付き。その場で労働相談や、ススキノ地区へ食料配布にと分かれた彼らたちに未来への希望を感じました。21世紀は支え合いの時代です。

 今年も残すところ、わずかの時間となりました。まさか今年最後に東京では1000人を大きく超える感染確認とは驚きで、何だか落ち着かない年越しです。お休みになられる方は無理せずお休みになり、病院や介護施設はじめエッシェンシャルワーカーのみなさんには、あらためて敬意を表するばかりです。来年こそ国民の命と健康が守られる政治にしなければと、決意も新たにしています。

 【今日の句】振り返る 時より課題 目の前に

2020年12月30日水曜日

2020年・私の3大ニュース

 明日も臨時電話相談窓口を開設しますが、今日が党道委員会の一応の仕事納め。毎年恒例の「今年の私の3大ニュース」ですが-ー


 ③第28回日本共産党大会(1月)

 3年ぶりの党大会は、綱領の一部改定という大きな議題がありました。核兵器禁止条約やジェンダー平等など諸国民の声が世界を動かしていることを世界の本流と位置づけ、中国による平和と自由、民主主義の抑圧は共産主義国家とは言えない覇権主義的行動と断じました。資本主義の矛盾に対して米国の若い世代でも社会主義を求める声が高まっているなか、日本共産党が希望ある道を示そうじゃないかと意気高い大会でした。

 前大会に続いて各野党から来賓あいさつがあり、中村喜四郎衆議院議員まで来られたのにはビックリしました。写真は、「共産党入党宣言」をした小松泰信岡山大学名誉教授と、現職だった時に同じ農林水産委員会だった、さいとう和子前衆議院議員。小松先生には質疑の際に参考人として国会にお越しいただき、北海道にも講演会で足を運んでくださいました。大会で交流された全国の発言にも、とても励まされました。


 ②寿都町・神恵内村で「核のゴミ」文献調査表明(8月)

 まさかの突然の表明に、私自身も寿都町に足を運んで片岡春雄町長へ撤回を求めました。8月の際の要請では「町民を二分することは私も本意ではない」と町長も応じられたのですが、正式に国へ申し出る時には「このままでは町を二分することになるので、早く応募することに決めた」。町民が求めた住民投票も、町議会が賛否同数のもと議長が否決してしまいました。周辺自治体と全道から反対の声が沸き起こりましたが、両自治体ではNUMOによる文献調査が始まっています。

 しかし、住民はあきらめていない。寿都町の「会」のみなさんから話をうかがっても、このような一方的な決定には納得できないとの強い思いは変わっていません。日本共産党の幸坂順子町議も、いっしょに議会論戦や住民運動に取り組んできました。まさにこれからの世論と運動にかかっている、この課題。町長・村長の問題にとどまらず、科学的な合意や見通しのない地層処分に政府が固執して、交付金をちらつかせて地方へ「核のゴミ」を押しつけるようなことが許されない。来年の総選挙でも大争点にしなければ。


 ①新型コロナウイルス感染拡大に立ち向かう日々

 写真は4月に、北見市の焼き肉店から話を聞いていたときのもの。後手後手どころか小さなマスク配布(しかも2ヵ月かかって配布)という、安倍前政権のコロナ対策には怒りが沸騰しました。くりかえし苦難の声を聞いて、国の出先機関や道への要請をおこなってきました。各種給付金などが実現する貢献になったと思っています。

 そんな安倍氏が退陣してから、さらに無為無策だったのが菅首相。感染拡大防止への有効な手立てもないうえ GoTo 停止の決断が遅く、国民には自助やガマンを強いながら自分は会食三昧ということにも、強く不満や批判があらわれました。いまだ東京などは最大規模で感染が拡大しており、菅首相ものんきにしてはいられないはずです。

 道内各地でも、日に日に切迫さが増しています。「中小企業を1社たりとも見捨てないで」「病院で働くこともギリギリ、心が折れそう」など、この切実な実態を前に菅首相は心が痛まないのか。腹立たしいことが続く毎日です。それでもあきらめずに、発信や要請をおこなっていきたい。

 日本共産党北海道委員会は明日の大晦日も臨時電話相談窓口を開設して、お困りごとの相談に応じます。私も終日参加します。9時~17時で、電話番号は011-788-4712です。制度を紹介したり苦難を語り合うことで、少しでも先行きが見えればと思います。遠慮なく、ご連絡・ご相談ください。また寒波と大雪の心配もありますので、お気をつけください。

 【今日の句】こんなにも 振れ幅大きい 年だとは

2020年12月29日火曜日

年末も相談体制

 今年も残り2日余。日本共産党道委員会は明日で仕事納めの予定ですが、31日も臨時電話相談窓口を開設します。私も終日参加します。各地で同様の取り組みも広がっており、私も少しでも役に立てればとの思いです。詳しくはバナーをご覧ください。

 リーマンショックの時は、製造業の非正規労働者が路頭に放り出されました。札幌では住む場所を失った方が公園のトイレで寒さをしのいでいたり、少しでも温かい昼に寝て夜は寒さを紛らわせるために歩き続けた、という実態がありました。この年末も、声に出せないまま困窮している方が必ずいるはずです。

 札幌市の場合、年末年始も、各区役所では守衛さんを通じて福祉担当職員が応対することになっています。住居がないという場合は生活保護の申請をして、市が借り上げたホテルへ一時的に入居となります(1月4日以降に本格的な部屋探しとなります)。

 発熱の場合は、かかりつけ医が診察可能かどうか、今のうちにご確認ください。強い症状や、軽い症状でも続く場合は毎日24時間対応の電話「♯7119」か「011-272-7119」へご連絡ください。英語・中国語・韓国語・タイ語・マレー語・ロシア語でも相談できます。

 年末年始は寒さも厳しく、地域によっては大雪・暴風雪も心配されます。感染された方は心細い年末を迎えることでしょうし、この年末も患者さんを診られている医療従事者のみなさんには敬意しかありません。保健所や福祉施設の職員さんなども含め、大事な役割を担って働いている方もいます。見合うだけの支援を政治がおこなうべきだと、あらためて痛感します。

 お困りごとは遠慮なく、お近くの日本共産党事務所(こちら)にご連絡ください。なお、年末年始の体制が取れない事務所もあります。ご容赦ください。

 【今日の句】政府から 見捨てぬ姿勢 示すべき

2020年12月28日月曜日

例年と違う年末の商店街

 「前年比50%減までいかないから、持続化給付金も対象にならない。本当に大変だよ」。札幌市中央区にある商店街をまわると、堰を切ったように実態や要望が語られました。聞けば聞くほど、もどかしさが増すばかりですが、発信も含めて国へ反映していくしかありません。

 「このまま感染が止まらなければ、来年には2~3割が店を閉めるよ」(クリーニング店主)、「巣ごもり需要とか言われるけど、確実に消費は落ちています」(コンビニ店員)、「生花・切り花も葬儀用の供花も全然ダメ。でも5割減までいかないので本当につらい」(花屋店主)など、話を聞いていてもつらくなる現実。再度の持続化給付金や、固定費部分の支援や減額・免除など、くりかえし実施しなければ本当に経営がもたないと痛感です。

 わが家は食堂でしたが大晦日にはオードブルの仕出しもあり、年の瀬はとにかく慌ただしいものという思い出しかありません。両親は家の掃除も手がつかず、年賀状も元旦に書いていたくらいでした。ゆっくり年末を過ごせない一抹の寂しさはありましたが、商売ができるありがたさを子どもながらに感じたものでした。

 しかし、がらっと風景が変わってしまった今年の年末。不安を抱える方々や家族も多いことでしょう。パーキング管理をされてる方からは「共産党が一生懸命にがんばっているのはわかってるよ」と励ましもいただき、商売は景気に左右されるものと理解はしていても、じゅうぶん応えきれていない悔しさは残ります。

 まわっていくなかで、JCPサポーターまつりをご覧いただき連絡をくださった方ともお会いできました。党の You Tube チャンネルなども見てくれていて、「父が赤旗を取っていました」とのことで「しんぶん赤旗」日曜版も快くご購読いただきました。つながりを大事にしなきゃいけないなと、あらためて思いを強めました。

 【今日の句】責任を 業者はみんな 背負ってる

2020年12月27日日曜日

つながりの輪をさらに

 「JCPサポーターまつりオンライン」ご覧になったでしょうか(一瞬だけ私も出てます)。今日まわった札幌市清田区でも「この後に見るよ」と話されていました。集まることができない状況で、こうやって発信してくださったサポーターのみなさんに感謝です。

 サポーター制度を始めるときに志位委員長も、日本共産党ではできないことがある、みなさんといっしょに政治を変えたいと述べていました。サポーターさんからの一言で「日本共産党はそう見られているんだ」と、気がつくこともあります。北海道でも、このような輪を広げていきたいです。

 冷え込みが厳しかった今日は、吉岡弘子市議と街頭宣伝やあいさつまわり。「しんぶん赤旗」をお読みいただく方も増えました。どこでも聞いたのは今の政治への不満。「安倍氏の答弁はひどすぎる、検察も甘い態度を取ったらダメだ」「国民に自粛を言っておきながら、菅首相は会食だなんて」などなど、こんな政治を早く変えたいとの思いがあふれています。

 立憲民主党を支持しているという方も「今度の選挙は共産党が議席を取らなきゃダメだ」と熱く話されました。日本共産党もいっしょでないと政治は変わらないんだと、実感を込めて話されていました。こういう期待にしっかり応えたい。

 4回目の挑戦で議席を得た吉岡市議への、あたたかい激励も多くありました。胆振東部地震の時に要望を聞いてまわり、その声を国や札幌市に届けていたことを多くの方が見てくれているのです。私も吉岡さんの行動に、ずいぶん励まされました。地に足をつけて活動することの大切さを学びました。今度は私が議席を回復して、国政へ声を届ける番です。

 【今日の句】すぐそばの 支える人を 大切に

2020年12月26日土曜日

年末は笑顔で

 北海道で初めて震度7を記録した胆振東部地震から2年3ヵ月が経ち、厚真町では災害公営住宅も建設されました。安心して年末を迎えられることの喜びや、あらためて課題なども聞くために、紙智子参議院議員と同町に足を運びました。松橋ちはる道9区予定候補もいっしょで、伊藤富志夫町議が案内してくださいました。

 災害公営住宅とは、災害で家屋を失い、みずから住宅を確保することが困難な方を対象とした公営住宅です。建設費も、国の補助率がかさ上げされます。しかし、1市町村での全壊戸数が200戸以上とされているため、周辺の安平町・むかわ町は対象自治体に入りません。このような課題の解決は残されています。

 足を運んだのは「新町のぞみ団地」。平屋の3棟建て、バリアフリー、約80㎡の住宅に入ると木材が随所に使われているのが目につきました。応急仮設住宅でお会いした徳竹さんご夫妻は、入居して今日がちょうど2ヵ月目。感想の第一声は「足を伸ばせるのがいいね」でした。狭い仮設住宅で2年間、よく我慢してきたものだと、しみじみと語られました。

 地震によって徳竹さんの自宅は、外壁の損傷は少なかったものの家屋内に段差ができるほどの全壊。それまで学校の交通指導員も務めるほど住民同士のつながりと大事にしていた徳竹さんは、避難所でも最後まで残って見届けていたそうです。それだけに新たな住居で落ち着けることは感慨もひとしおだと思いました。ご夫妻の笑顔が、とてもあたたかい。

 住宅ができても心のケアやコミュニティづくりが必要になるのは、これまでの各地の災害とも共通しています。のぞみ団地も、分散していた応急仮設住宅・みなし仮設住宅から移り住んできた方なので交流は始まったばかり。しかし団地内の集会所はなく、しかもコロナ禍で集まることには遠慮もあります。「近くに空いてる道営住宅を、集会所代わりに使えないでしょうか」との要望もいただきました。伊藤町議と、さっそく反映することで約束しました。

 厚真町などに何度も通うことで、支え合うことの大切さを学びました。あわせて各地の日本共産党議員が分け隔てなく要求を聞き、献身的な活動を続けてきたことも本当に尊敬に値します。災害公営住宅の敷金が3ヵ月分であるのに対し、伊藤町議が被災者の負担軽減を議会で訴えたところ30万円の支援金が実現することにもなりました。

 徳竹さんも、伊藤町議に対して「話を聞いてくれて、本当にありがたかったよ」と語られたうえに、「住民の間に、日本共産党という名前の理解も進んだのではないでしょうか」と、嬉しいお言葉もいただきました。どこでも自然災害は起こりうる時代だけに「苦難あるところ日本共産党あり」の姿勢を大事にしたいと、あらためて心に誓いました。

 以前にも訪れた、かまだ木炭さんにも足を運びました。飲食店が苦境のなかで、焼き鳥屋などで使う炭などを供給していますが、かまだ木炭さんは幸いなことに大きな減少になっていないとのこと。心配なのは「原木の仕入れ」で、これは法改定により木質バイオマス発電への供給が増えて原木が奪い合いの状況になっているのではと推測されます。町有林の活用は道内の自治体でも先進例があり、そのような支援についても話題にのぼりました。

 コロナ対策もそうですが、やっぱり現場で実態をつかむことが大切だと今日も実感です。しっかり反映させていきたい。

 【今日の句】住むことが 生きる基盤と 再確認

2020年12月25日金曜日

もはや自民党全体の問題

 安倍前首相への質疑を見て真実がはっきりしたと思えた方は、どれだけいたでしょうか。偽証をすれば罪に問われる証人喚問こそ必要と、やっぱり思えました。秘書の責任で済むはずもないし、本当に知らなかったなんて、とても思えない。

 これまで国会では「1人5000円の会費でできるはずがない」と何度も指摘され、それでも調べることを突っぱねてきたのは安倍氏自身でした。国会には118回もの虚偽答弁をおこない、そのたびに審議は止まったりしたし、その分の時間があれば別の課題でも質問できたはずなのです。国会でウソをついた責任は本当に重い。こんな当たり前のことを書いていることすらも、本当に情けないやら腹立たしいやら。

 吉川貴盛元農水相の事務所にも捜索の手が伸びました。安倍氏や吉川氏ひとりの責任でなく、自民党全体の自浄能力が問われているのではないのか。河井議員夫妻の現金による買収疑惑、逮捕された秋元氏のカジノ疑惑などもそのまま。これだけ金権腐敗や利権政治が浮き彫りになっているのは、もはや自民党の体質の問題です。自民党総裁である菅首相は、疑惑解明に何もしないのか。

 黙っていれば、同じことが必ず繰り返される。「真相の徹底究明」「安倍氏は議員辞職を」と、声にあげていきましょう。

 今日は道原発連の定例宣伝。「原発建設の時にも署名を頼まれていたけど、よくわからなかったから署名しなかった。今になって後悔している」と署名に応じた方がいたそうです。どんなことも後から気づくことはあるものですが、原発は過酷事故が起きてからでは遅いのです。福島第一原発事故が起き、政治が「安全神話」にすがって原発を推進してきたことを率直に反省し、別の道を進む政治決断こそ必要だと私も訴えました。

 【今日の句】ごまかしが 潔さより 上の人

2020年12月24日木曜日

学問は政治の下請けではない

 時間が経とうとも、菅首相による日本学術会議への人事介入を許してはなりません。「北海道の大学・高専関係者有志アピールの会」との懇談でも、学問の自由や民主主義の根幹を脅かす重大問題であることが次々と語られました。まったくそのとおりです。

 同会は、安倍政権が集団的自衛権の行使を容認する閣議決定をした際に、学者・研究者の立場から発信をしてきました。抗議と撤回のアピールを発表した10月の会見には報道記者が多く駆けつけ、その後は国立・私立大学の教職員組合や有志の会、科学者会議、ジェンダー研究会などによる声明やアピールも発表されました。短期間で、これほど多くの抗議や懸念の表明がなされたことは、かつてあったでしょうか。

 「他社の批判を許さない独断的な政権は、やがて行き詰まることは歴史の教訓である」(北大教職員組合)などの鋭い提起や、北星学園大学有志の会アピールでは新約聖書の「あなたがたは真理を知り、真理はあなたがたを自由にする」との一節を引いて、6名を任命するよう求めています。北海学園大学は学部長はじめ、過半数の教員が名を連ねました。

 私からは一言あいさつとともに、志位委員長の質問(11月4日の衆院予算委員会)をまとめたパンフレットをお渡ししました。これまでの法解釈を平気で変えておきながら、矛盾を指摘されると「人事に関することは、お答えを差し控える」と菅首相は繰り返しました。あげくに閉鎖的、既得権益から脱すべきは学術会議のほうだと、矛先を向けるとは何事か。仮に学術会議のあり方が議論したいというなら、透明な形で、学術会議の独立性にふさわしく議論をゆだねるならともかく、理由を示さず人事介入というのは、まさに問答無用のやり方です。その強権ぶりが批判されているのに、菅首相は批判をそらすばかりですから本当に危ない。

 私自身は学生時代、学生自治会を再建するにあたって「学問の自由」「大学の自治」については、先輩などからも教えてもらいましたし、いろんな本も読みました。なかでも滝川事件は典型たるもので、当時の大学キャンパスの自由さからは想像もつかないことでした。学生も含めて学問にかかわる者すべてが声をあげ続けないと、権力者は学問さえも支配し、異論を排除していくものなのです。

 「大学も文科省の顔色を伺っている傾向があり、大学自身のありようも問われてきている」「経済政策でも、学術会議を邪魔者扱いにしている。うまくいかないのを学術会議のせいにすれば大学の変質につながる」「国立大学を、国の単なるイチ機関にしようとしている。国策上で『役立つ』大学に資金が出る状況の見直しが必要」など掘り下げた議論を聞くなかで、私も問題の根深さを学ぶことができました。政府による大学政策とも密接につながっています。

 国立大学は法人化され、資金の獲得も競争的な環境に追い込まれました。そこに資金付きの軍事研究などが目の前にぶらさげられてきました。こうやって少しずつ政府に対する異論をなくし、まさに「政策実現の下請け機関」となるよう狙ってきたと思います。しかし、真理探究の立場からモノを言う学術会議の存在があり、その排除にいよいよ政府が動いたというのが流れなのです。焦点の大学として北海道大学が念頭にあっただろうことも、議論となりました。

 「市民に『自分たちと違う世界』の話と受け止められないようにしよう」「映画監督など文化・芸術にかかわる方がピンと来て声をあげている。教育関係に広げることも課題」など世論を広げる話にもなりました。そうなんです、学者だけでなく国民全体で声をあげるとき。異論排除の姿勢は、国民の利益に反するような政治と根が一つだからです。それがコロナ対策の無為無策ぶりにも表れました。このような政権は一刻も早く変えたい。

 今日は32年前に消費税法案が強行成立させられた日で、消費税廃止各界連絡会として毎年おこなう宣伝にも参加しました。コロナ禍で、くらしも経営も雇用も瀬戸際だという方が増えているもとで、消費税減税もしない政府への怒りを込めたスピーチが相次ぎました。経済をまわすことが大事と言うのなら、消費税減税こそです。

 【今日の句】いつか来た道を 二度とは進まない

2020年12月23日水曜日

早く思いきった財政支援を

 党道議団(真下紀子・宮川潤・菊地葉子)といっしょに、第7次となる道へのコロナ対策緊急要望をおこないました。待ったなしの現状に、急いで道でできることをおこなうとともに、国へもしっかり反映させて実行を迫ってほしいと訴えました。

 要望項目は大きく10項目で、▼医療機関・関係者への支援の早期具体化、道独自の医療機関への減収補填、▼社会的検査の対象を広げたPCR検査の実施、検査機器・検査体制を急いで拡充すること、▼北海道療育園への看護師・介護士等の早急な派遣、▼宿泊療養施設の設置、▼休業・時短要請への補償、▼雇調金の特例措置や持続化給付金などの延長や複数回支給の実施を国に求めること、▼生活困窮者への相談体制と支援の抜本的強化-ーなどです。

 私からは、札幌市と連携した26日以降の支援の必要性と、洞爺湖町でうかがった話を述べました。GoTo停止にともない、観光業関連での雇用維持は切迫した課題で、雇調金の特例措置は早く延長を決断するよう国へ迫ってほしいと強調しました。期限が2月末までで、早く見通しを持てなければ人件費などのやりくりで経営が切羽詰まることは明らかです。あわせて第3次補正予算での臨時交付金も、地方自治体へ行くまでには時間がかかるため、道として「つなぐ」ことにも目を向けてほしいと重ねて述べました。

 真下道議からは旭川市での現状や年末の行政相談の対応、宮川道議は検査拡充の必要性や年末年始でのわかりやすいメッセージ、菊地道議は小樽市医師会との懇談も紹介して医療機関への支援などを求めました。

 鈴木知事からは、▼緊急包括支援金の活用にともない知事会を通じて柔軟な運用や、医療機関への財政支援を国に強く求めていること、▼「静かな年末年始」をとのオール北海道による共同メッセージを準備しており、その主旨に理解いただき、札幌市と連携した支援策を検討している、▼持続化給付金や家賃支援給付金、雇用調整助成金についても国に求める、▼臨時交付金は道への重点配分を求めつつ、道みずからの効果的対応を早急に検討-ーなど回答があり、「国として第3次補正予算の考え方も早く示してほしい」との言葉もありました。国政事務所にいる者として、この指摘はしっかり受け止めたい。

 事態は切迫しています。例えば医療従事者は、もう1年近くも強い緊張のもとで献身的に働いてきました。保健所も体制強化をしても追いつかず、休日返上の業務が続いている方もいると聞きます。先ほど書いた業者分野でも、年を越せない・年を越せても先が見通せないという話が、この間は一気に増えてきました。心も体も疲弊して、多くの方がギリギリの状態です。

 いずれも道外の方ですが、ニュースで「土日も家族と過ごしていない。来年も同じ状況だと絶望しかない」(保健所職員)、「友人の楽しんでる様子も別世界のようでSNSを見るのがしんどい、モチベーションもどこまで持つか」(ICU勤務の看護師)と目にしました。早く政治から思い切ったメッセージと施策の具体化が必要です。菅首相は、このような切迫した状況をどれだけ理解しているのか。

 お困りごとなどは遠慮なく、日本共産党へご連絡・ご相談ください。お近くの党議員・党事務所などは日本共産党ホームページ(こちら)から見ることができます。私もしっかり役割を果たしたい。

 【今日の句】切迫の 意味を総理は 知ってるか

2020年12月22日火曜日

金で食と農を汚すな

 吉川貴盛・元農水相が辞職し、来年4月の道2区補欠選挙が決まりました。すでに立候補を予定している平岡だいすけさんと緊急宣伝。子どもたちがリーフを手に「この人だ」と話題にしたり、遠くから拍手で応える方の姿もあり、注目を集めました。

 辞職理由は体調が原因とのことで、体調は良くなってほしいものですが、国民へ説明しないで済む問題ではありません。大臣室は執務をする場であって、収賄をするような場ではありません。やましいことがないなら、しっかり真相を明らかにするべきです。このままでは疑惑にフタをしたと批判されても仕方ない。

 昨日、安倍前首相が「桜を見る会」前夜祭の疑惑について、東京地検から任意聴取を受けたとも報じられています。一部に、秘書が虚偽説明をしていたため安倍氏は事実を知らず、早くも不起訴の公算だとの報道もあります。しかし、何年も続く前夜祭の収支を安倍氏がまったく知らないというのも不自然ですし、会費5000円で一流ホテルの飲食ができるのか素朴な疑問にも背を向けてきたのは安倍氏自身でした。仮に事実を知らなかったとしても、そんなことも秘書にただすこともしないで国会へ虚偽答弁をしてきた責任は問われるべきです。

 金で政治を汚すな、食と農を汚すな、北海道を汚すな。平岡さんといっしょにマイクを握り、私からも訴えました。平岡さんも「金権腐敗をやめるなら、企業・団体献金を受け取っていない日本共産党の出番です」と力を込めて、激励に駆けつけた党員さんからも「そうだ」の声があがりました。

 コロナ禍で、仕事を失ったり食べるに困っている方が増えています。それなのに政治家は懐に金を入れて、菅首相の連日会食のようなことまでしているのか。疑惑に対してまったく答えようともしないし、コロナ対策は無為無策という菅政権への不満もたまりにたまっています。自分のことしか考えない政治は、必ず2区補欠選挙・衆議院総選挙で終わらせたい。市民と野党で力を合わせれば、必ず勝つことができます。

 今日は「しんぶん赤旗」日刊紙の新年企画として、小池晃書記局長と比例予定候補(北海道・東京・中国・四国)のオンライン対談もおこないました。各地でがんばる仲間と交流できるのは、私にとっても励みになります。「自己責任を押しつける政治は乗り越えられる」「新しい政治をきりひらく力は、国民のなかにある」との確信も、変化の広がりも実感できました。そろって必ず国会へとの思いも、さらに強まりました。

 詳しい中身は新年号のお楽しみとして、ぜひ「しんぶん赤旗」をお読みください。きっと元気が湧いてきます。

 【今日の句】逃げるほど 汚い政治 見え隠れ

2020年12月21日月曜日

辞めて幕引きは許されない

 吉川貴盛・元農水相(道2区)が突然に辞職表明。大臣室で現金を受け取った疑惑に、本人が真実を明らかにすべきです。これで幕引きなんて許されないし、こういう時には日本共産党の出番。きれいな政治をつくるために、これまで以上に多くの市民とつながりたい。市民の力こそ、きれいな政治を実現する土台です。

 辞職となれば来年4月に、道2区での補欠選挙となります。その時になれば情勢は変わるかもしれませんが、金権腐敗を許さないとともに菅政権に対する審判の機会になります。時期によっては衆議院総選挙の前哨戦にもなります。今から私も役割を果たしていきたい。

 今日は吉岡弘子市議の司会で、札幌市清田区で伊藤りち子道3区予定候補(比例重複)と街頭宣伝。「飛び回っているけど体は大丈夫ですか」と、党員のみなさんから心配の声もかけていただきました。ありがたいことです。

 伊藤りち子さんは「コロナ感染を心配している時に、75歳以上の医療費窓口2割負担を進めようとする自公政権を変えましょう」と力強く訴え。札幌市議を務めただけに、まさに頼れる市民の相談相手である伊藤さんなのです。道民の声を届け、国会で働ける最適の予定候補です。いっしょに働けるよう、何としても押し上げたい。

 私も各地で聞いた切迫・悲鳴の声を紹介しつつ、「菅政権が切実な声に応じる気がないのなら、政権交代で私たちがコロナ対策をおこないたい」と訴えました。国民に責任を押しつけるのか、政治が責任を果たすのか、まさに分かれ道の今の情勢。マイクを持つ手にも力が入ります。

 政府は来年度予算案を閣議決定しました。国民の暮らしにかかわる社会保障予算や文部科学予算は従来通り伸びが抑えられる一方で、防衛費(軍事費)は安倍政権を引き継いで右肩上がりという印象です。小学校での35人学級実現など道を開いた分野はあるものの、予算案の詳細は後日じっくり見て、北海道でもさらに声をあげていくようにしたい。

 【今日の句】税金の重み 政府は知ってるか

2020年12月20日日曜日

ここにも支え合いの輪

 日本共産党は各地で民報などを出していて、この時期は次々と依頼される新年号向け原稿を書くのに追われます。今年を振り返る機会にもなり、あらためて課題に気づくこともあります。文面を通して、来年の解散・総選挙に向けての決意も高まります。

 ウンウンうなっていた時に、札幌の知人から電話がありました。コロナ感染拡大のもと、札幌市での来年の成人式は中止とされています。その決定に新成人から不満や、署名を集めるような動きがあるとのこと。延期や代替措置くらいないのかとの思いに、ある菓子製造の社長からも「新成人に、お菓子の1つでもプレゼントしようか」と検討している話が出ていると教えてくれました。

 これまで国民は、いろんなガマンを強いられてきました。そのたびに社会のなかでの支援や激励、つながりも広がってきました。だからこそ「自助」を強調したうえ、国民へ要請したことを自ら守らない菅首相への不満の声が高まるのも当然です。自分も苦しいけど、献身的な医師や看護師、食べるに困っている学生、思う存分に遊ぶことさえ制限された子どもたち、お世話になってきた商店や業者さん-ーなどの苦しみも、ただ見ているわけにはいかないのです。

 私も引き続き役割を果たしたい。お困りごとは遠慮なく、日本共産党へ連絡・ご相談ください。

 【今日の句】誰にでも 安心できる 年越しを

2020年12月19日土曜日

危機が見えているか

 今日は松橋ちはる道9区予定候補と日高管内へ。例えるなら急速冷凍ほどの寒気で、暑さに弱く寒さに強い私でも、さすがに堪える凍れ具合。そんな街頭でも切実な声が寄せられるのです。

 浦河町では、荻野節子町議に声をかける方の姿が。私も駆け寄ってあいさつすると、荻野さんの知人の飲食店主さんでした。「もう持続化給付金もなくなった。もう一度くらい給付がないと、年を越せても来年はもたない。そんな店が続出する」。声の具合からも、ひしひしと切迫さが伝わってきました。

 浦河町には日高管内の2次医療圏にとって重要な日赤病院もありますが、新型コロナの院内感染がありました。実は日高管内ではPCR検査の検体をとっても、苫小牧や札幌に送って判定してもらわなければなりません。それだけの遅れが出ると、感染防止にも時間差ができてしまいます。そのような課題も教えていただき、あらためて反映していかなければと痛感しました。

 様似町でも街頭宣伝にとりくむと、車から手を振る方の姿が思ったより目立ちます。ちなみに写真に映っている犬は鈴木隆町議の飼い犬で、人懐こく、いつもすぐに近寄ってきます。松橋さんにとって初の様似入りということもあり、党員さんらが出迎えてくださいました。寒風のなかでも宣伝中はプラスターも持っていただくなど、本当にありがたいです。

 新ひだか町では「語るつどい」と街頭宣伝。つどいでは谷園子町議が進行役で、真っ先に手を上げて話してくださった方も商売をされている方とのこと。「国民には5人までと言っておきながら、菅首相は8人で会食だなんて本当におかしい。『もう一度持続化給付金がないと続けられない』と言っている商売人はたくさんいる。小さな声にも政治は耳を傾けてほしい」との訴えが、重く響きました。

 また、この方の家族や親戚は病院勤めだそうで、具体的には言えないけど本当に大変だと述べて、「病院で働く人には感謝しかない。しかしボーナスも減った病院もあるというし、どうして政治が支援しないのか」。また、ヘルパーを頼もうとしたら人手不足を理由に断られたという別の方は「今でさえ医療や介護は人が少ないというのに。こんな政治を変えないと」と、切々と実態を述べられました。

 どの町をまわっても、菅政権のコロナ対策の無為無策ぶりや、責任を果たそうとしない姿勢に批判やもどかしさの声が聞かれます。命や健康、商売の危機が目の前なのに、菅首相にはそれがわからないのか。胸が痛まないのか。そんな思いが次々と寄せられます。まったく私も同感です。あきらめず党としても要請をしていくことを、私から話しました。

 そういえば就任直後は、菅首相について「たたき上げの庶民派」とした報道各社もありました。しかし現状を見れば、庶民を見捨てるのかと思わされるばかりの冷たさが透けて見えます。寒さ厳しい北海道で、まさに冬を越せるのかという切迫さなのです。あらためて、しっかり私も役割を果たさねばと思った日高キャラバンでした。

 【今日の句】総理から 冷たい空気も 伝わるぞ

2020年12月18日金曜日

住民説明会をすればいいのに

 党道委員会の総会を終えて、札幌市手稲区星置地区での「オープンハウス」視察へ。家の建て売りではなく、新幹線トンネル工場の残土受入れについての展示とともに、市民と鉄道・運輸機構との「対話の場」として設けられたものです。佐々木明美市議に案内いただきました。

 オープンハウスは今日から3日間で、星置地区センターが会場です。今日は17時時点で約50人が来られたとのこと。以前にも近隣地区でオープンハウスは開かれましたが、佐々木市議いわく展示内容には若干の「発展」もあるようです。市民世論を意識していることがわかります。

 展示は、新幹線工事などの基本がわかるようにと構成したブルーのパネルコース、より専門的な知識を知りたいという方に向けたオレンジのパネルコースとがあります。ところどころに説明員が配置されていて「対話」できるようになっています。内容はこれまで機構から受けたり、ホームページや資料で見てきたものが中心と思いました。

 そのなかで前回より説明が加えられたのが、ヒ素など重金属に対するリスク評価の部分だとのこと。トンネル工事の残土は土対法のもとでは対象外ですが、この基準を機構でもふまえて対策をするとしています。市内の工区でも、土壌溶出量の事前測定では基準超の対象物質が検出されています。その結果を示しているパネルの後に、リスク評価のパネルがあります。

 結論的には「人体に急性影響はない」とされました。「ただちに人体に影響はない」ということです。土対法の基準をふまえるとしてるのですから、何やら逃げ口を準備してるのかとも思える結論です。展示最後の「まとめ」でも「人体に急性影響はない」と繰り返されていました。

 科学的に安全性を検討するのは大切なことです。それでも専門家の意見は分かれているし、例え安全な土であろうと、自分の住む地域や近所に大量の土が運ばれることは喜ばしいことではありません。だから納得へのプロセスが大事なのに、住民説明会でなくオープンハウスという手法を選んだのはなぜなんでしょうか。

 いずれにしても住民合意なく進められないのは、国交相も答弁したとおり。札幌市議とも、しっかり連携していきます。

 【今日の句】対話の場 必要なのは 総理では

2020年12月17日木曜日

働く仲間と町を守らねば

 感染拡大防止へ GoTo 停止は当然にせよ、観光業・飲食業への支援がなくては--道内有数の観光地・洞爺湖町や、農林漁業を基幹産業とする伊達市・豊浦町へ。まさかの風雪にも見舞われましたが、それ以上の切迫さに危機感が募りました。

 伊達市ではJAへ。色とりどりの野菜がプリントされた「伊達野菜」のポスターが目に引く、多品種栽培産地であるのが伊達市です。本州での豊作があって価格が下落している影響は、これからかなと心配の声。観光・宿泊のキャンセルが広がることで、食材が流通していかないことも不安要因です。「大企業もないなか第一次産業が基幹産業の町です。農家だけでなく、支えてくれる町全体が持続的に生きられるように」と松本喬一副組合長さん。

 収入保険やスマート農業なども話題になるなか、「農家は順序よくリタイアとはなりません。高齢でも農業を続けている方もいるなか、政策の支援がなければ『もうここまで』と思う農家も一気に出てしまいます」との現状や、「最低限の食料自給率というものを、コロナのもとで、あらためて考える時ではないでしょうか」との問題提起を重く受け止めたい。歯止めなく食料輸入は見直すべきです。

 洞爺湖町では温泉観光協会の大西英生会長、洞爺観光ホテルの三浦和則社長らとの懇談。GoTo により観光客が増えて助かった実態はあります。国の補助事業を使って、冬も湖上での花火打ち上げを開催すると具体化してきました。ところが年末年始のかき入れ時での GoTo 停止が発表されて「ほとんど宿泊がキャンセルになるかも」と心配の声があがっています。春先の融資だけでなく有珠山噴火での既往債務もあるだけに、さらなる融資を受けることは苦しい実態をうかがいました。

 特に心に残ったのが「働く仲間を守りたい」ということでした。「一番の話題は雇用調整助成金。感染の初期は金額も低くて、その時にやめた仲間もいました。その後に金額が増えて、それを早く決断してくれればやめないで済んだのに、と思ったのです」「失業給付を受けてもらうことは最後の手段。何より町に他の仕事もないのに、仲間を切るようなことはできません」などの話に、2月末までとした特例延長は5月の連休や6月まで再延長すると、早く政治決断すべきだと痛感しました。

 今後の GoTo の見直し方についても議論になりました。土曜日に観光客が片寄るなかで平日とのバランスを取れる割引率や、期間が終われば一気に割引ゼロにするのでなく段階的に減らしていくなかで持続的な経営支援につながるようにすることなどを聞くなかで、制度設計のちぐはぐさに現場が振り回されてきた実態がわかりました。

 洞爺湖町商工会では鈴木雅善会長からの「町のことを知っている地方自治体が使えるお金を増やして、支援しやすくすることに尽きます」との言葉を、わが意を得たりの思いで聞きました。町では観光用商品券も発行し、それが地域にも循環しています。一時的なカンフル剤であっても、日銭を必要とする商店には大事な施策です。雇用調整助成金特例の延長については、鈴木会長からも要望がありました。

 観光客の平均消費単価に減少分を掛けると、今年は60億円近い損失と計算されるとのこと。関連業者や「道の駅」などの売り上げ減少も合わせれば、町の一般会計73億円をも超えかねません。観光を主としている町にとってこれだけの打撃は大きく、「このままの状況が続くようなら、継続か廃業かと迷っている経営者も多い」との実態を重く受け止めねば。コロナが終息しても、立ち直れないところまで業者が落ち込んでしまえば回復できなくなります。

 豊浦町・村井洋一町長からは、主力産業の1つであるホタテ養殖の現状をうかがいました。噴火湾では原因不明のホタテへい死が3年ほど続き、そこに世界的なコロナ禍で輸出も止まり価格安が襲いかかるという苦難に漁師は見舞われています。各地で持続化給付金の申請も広がりましたが、「へい死が続くようでは、若い漁師も『このまま続けられるか』と考えてしまう」と村井町長からも心配の声が聞かれました。

 海水温が表面だけでなく、ホタテが耳吊りされる下段まで温度が変わらなくなっているともいいます。10~20m下まで海水温が上がったことを示すものです。気候変動の影響がホタテ養殖にも影響を与えているのかはわかりません。だから研究が必要ですが、海流などを調べる計測用ブイの設置が遅れているとの話もうかがい、国会を通して確認することも約束しました。村井町長とは新幹線トンネル残土やバイオガスプラントについても意見交換しました。

 切迫した状況が各地に広がっていることを実感した1日でした。しっかり反映していきたい。懇談には吉野英雄伊達市議、立野広志洞爺湖町義、山田秀人豊浦町義が同行してくださいました。街頭宣伝にも党員・後援会員さんが足を運んでくださり、本当にありがたかったです。

 【今日の句】忘年会 してる場合じゃ ない総理

2020年12月16日水曜日

歴史から学ぶことこそ

 今日は松橋ちはる道9区予定候補と白老町へ。民族共生象徴空間(ウポポイ)にも初めて伺いました。今は予約制になっているため観覧者も少なく、落ち着いて広い館内をまわりながら学ぶこともできました。

 しかし、じっくりと見てまわるなら1時間ではまったく足りない。開業まで短期間の準備期間だったことを考えると、アイヌ文化や歴史の展示をよくぞここまで整理されたとも思いました。あらためてアイヌ民族の基本を学ぶという点では、多くのことを学べると思います。足を運ばれることをお勧めします。

 一方で、アイヌ民族への差別や、文化・言語などを奪われた歴史の記述などは不十分との意見もあります。和人との交易が発展するなか、アイヌが賃金労働者として商人に雇われるようになったもとでの搾取や、その経済関係も通じて日本語や和人の文化が強制されていった記載などがあり、さらなる解説などあれば認識も深まると思いました。今後の課題です。

 共生との名がある以上、歴史を正確にとらえることが第一歩です。ウポポイを観光的な価値ばかりで位置づければ、共生という理念は薄らいでしまいます。加えて国会議員や道議からも差別や偏見を増長する・増長しかねない発言が繰り返されています。差別を許さない世論づくりは、アイヌ当事者だけでなく、みんなの仕事だと私も発信していきたい。

 ちなみに、アイヌと和人の交易が広がるもとで、和人から天然痘が持ち込まれたため一時的にアイヌ人口が減った時代がありました。今のコロナ禍を思うと、あらためて歴史から学ぶ必要があると痛感しました。

 その後に松橋さんとは町内7ヵ所で街頭宣伝。大型トラックから窓を開けて手を振る運転手さん、大きく手を上げて買い物へ向かう方もいたりと激励されました。松橋さんや富岡苫小牧市議が以前に生活相談を受けたという方ともバッタリ出会い、「共産党は弱い立場の人の味方だもんね。がんばって」との激励もいただきました。

 氷点下の街頭宣伝がしばれましたが、このような出会いがあるから嬉しいものです。明日は伊達市・洞爺湖町・豊浦町をまわる予定です。

 【今日の句】どの時も 抑圧政治は 許さない

2020年12月15日火曜日

政権交代を本気でめざす

 今日はオンラインによる中央委員会総会に参加。衆議院の解散・総選挙は来年4月以降が濃厚というもと、総選挙躍進への「特別期間」に取り組むことを確認しました。北海道での比例議席奪還へ、私もこれまで以上に力を尽くしたい。

 新型コロナで無為無策の菅政権。これまで強権ぶりと冷酷さ、説明拒否に「問答無用の体質」なども浮き彫りになって、とにかく早く新しい政治にしたい。全国で同じ思いが広がっているのを確認できましたし、党として「新しい日本をつくる5つの提案」も確認しました。

 ①新自由主義から転換し、格差をただし、暮らし・家計応援第一の政治をつくる、②憲法を守り、立憲主義・民主主義・平和主義を回復する、③覇権主義への従属・屈従外交から抜け出し、自主・自立の平和外交に転換する、④地球規模の環境破壊を止め、自然と共生する経済社会をつくる、⑤ジェンダー平等社会の実現、多様性を大切にし、個人の尊厳を尊重する政治を--は、国民多数の声が反映しているもの。この要求を実現するには、政権交代が一番の早道です。

 改定された綱領の「威力」も交流されました。コロナ禍で資本主義の矛盾が現れています。格差の是正、ジェンダー平等、核兵器禁止条約の発効など世界の変化の一方で、中国の覇権主義・人権侵害ぶりは共産主義とは言えない。改定綱領に、これらの中心点が盛り込まれています。多くの方にお読みいただきたい。

 同時に、どんな状況になっても日本共産党が前進できる自力が必要です。どの党にも組織的な力があるなかで、日本共産党は「草の根の力」こそ原動力。若い世代での新たな注目の広がりも交流されて、元気をもらった討論になりました。志位委員長の報告は日本共産党 You Tube(こちら)で見ることができます。

 明日から西胆振方面へ。寒さに負けず、元気に訴えます。

 【今日の句】離れても 心ひとつの 会でした

2020年12月14日月曜日

コメの輸入は聖域か

 コメの消費が減って農家には転作を求めながら、輸入義務のないミニマムアクセス米は変更なしとは納得できない。道農民連の要請に、私も同席しました。コロナ禍による打撃は、農家にも等しく襲っているのです。

 道農民連から参加したのは副委員長の岸本さん、書記長の富沢さん。「政府も食料自給率向上を掲げながら、農産物輸入を見直さないのはおかしい。農家が安心して農業に励めるようにしてほしい」(岸本さん)、「コロナ対策と称した次期作支援金は条件変更がされたため、現場は混乱している」(富沢さん)など、道農政事務所にてまっすぐ訴えました。私からも「切実な要求を受け止めるべき」と迫りました。

 コメで言えば、高齢化の進展や食の多様化などで毎年10万トンずつ消費量が減っている今の日本。加えてコロナ禍で飲食店での需要も減っていることから、米価下落と来年の作付けを大幅に減らすというダブルパンチ。それなのに変わらずミニマムアクセス米は毎年77万トンが輸入され、その半分は決まって米国産です。バターや脱脂粉乳は輸入量を減らしたのに、コメの輸入は聖域扱いなのです。

 輸入したコメの保管費用にも税金を投入し、年数が経てば加工用などへ安く提供するわけですから、いったい何のための輸入なのか。私も現職のときに質問しましたが、政府はWTO下での「義務」と繰り返しています。実際は「輸入の機会を提供する」のであって、義務と言い続けるのは米国との密約があるからではないかと指摘され続けているのです。

 「過去最大の作付け削減にふさわしく、過去最大の転作支援を検討していると聞きます」と担当者。転作支援金の拡充は必要ですが、大元のコメ政策が従来どおりでは輸入米の比率が高まっていくことになります。コメが作れない悔しさはあるし、作ったら低価格というのでは農家はやっていけません。「心配はよくわかります」と応じるのであれば、その旨を本省へ反映をと私たちから強調しました。

 新型コロナウイルスの感染拡大で、さまざまな日本の矛盾が浮き彫りになりました。農産物はじめマスクなど日用品も海外へ依存していたこと、医療や保健所の体制はギリギリだったこと、高学費のなか学生はアルバイトで生活を成り立たせていたことなど、この見直しこそが政治に求められているはずです。ところが菅政権は相も変わらず、ようやく GoTo も全国停止を表明するに至りました。支持率が大幅に下がったことが反映したのであれば、ここまでにならないとわからないのかとの思いになります。

 献身的に診察などをしている医師や看護師、高齢者や障害者を支える施設の職員は、旅行も飲食もガマンし続けてきています。医師会から医療の危機だと何度も発せられていたのに、あまりに政府の対応が遅い。命を守る本気さが見られない政治なら、やっぱり変えなければなりません。私も力を尽くしたい。

 【今日の句】米国に 胃袋までも 握られる

2020年12月13日日曜日

性暴力を許さない社会へ

 党道委員会でオンライン「JCP With You」企画をおこないました。中心テーマは刑法改正で、NPO法人ゆいネット北海道・理事長の須田布美子弁護士、フラワーデモ北海道の共同代表ゆきさんから性暴力・性虐待などの実態や今後の課題などをお話しいただきました。私は日本共産党の姿勢や活動にも触れながらのコーディネーター役です。

 性犯罪にかかわっては3年前に、刑法が大幅に改正されています。3年後の見直し(つまり今年)が付帯決議にあるのですが、今年中の見直しは見送りになりそうです。改正の課題はありますし、フラワーデモのように社会的運動も広がってきました。その状況を多くの方に知ってもらい、さらに世論を広げたいと思っての企画です。

 先月、性暴力の被害当事者らでつくる団体 Spring が「性被害の実態調査アンケート」に取り組んだ結果を発表しています。回答は実に5899件で、それでも氷山の一角に過ぎません。被害を受けた時で最も多かったのが「何も言わず突然」、次いで「だんだんと身体を触る、触らせる行為を増やしていった」。被害は暴力や脅しを伴わないことが多く、被害の実態に即した刑法改正が求められています。

 ゆいネット北海道は、北海道・札幌市から委託されて性暴力被害者支援センター「SACRACH(さくらこ)」を運営されています。短時間にもかかわらず、須田先生から性暴力の実態や刑法改正の中心点、今後の課題などをまとめて話してくださいました。世界的にも性暴力根絶へと世論が広がるもと、日本では性暴力事件に無罪判決が相次ぐなど逆行している状況もあり、刑法改正とともに社会的課題としての問題提起もいただきました。

 ゆきさんは、このような無罪判決が出されたことに異議を唱えなければと思い、東京で始まったフラワーデモに関心を持ち始めたといいます。デモと言えば近寄りがたい印象もあるなかで、花を持ってスタンディングするなど表現方法も考えながら、刑法改正にも力をあわせていきたいと話されました。

 事前に寄せられた質問や、ゆきさんから須田先生への質問などもあり、私も多くのことを学びました。当初はシンポジウムのように会場を借りて実施する予定だったのですが、コロナ禍でオンラインとなってしまったのが非常に残念。今日の内容は編集して党道委員会 You Tube にアップする予定ですので、ぜひご覧になってください。

 意思に反する性交は、国として放置してはならない重大な権利侵害です。心身ともに傷つけられた方々も、それを口にすることには勇気がいるし、逆に責められてもしまうのが今の日本の現実です。自民党・杉田水脈衆議院議員のように、政治の側から追い詰める発言まで平気で出されています。本当にとんでもない。被害の実態に見合った刑法改正はもとより、さらに前へ進めていく決意が政治の側に求められています。

 政治の世界は長く男社会で、今も女性の政治参加は限られているのが現実です。日本共産党のなかにも男性中心社会の反映が残されていて、自己改革をしようと志位委員長みずから述べたように、まだまだ党自身も私も途上にいます。性の課題は誰にも突きつけられる課題で、正面から向き合うべき課題です。「ジェンダー平等」と言うのは簡単ですが、みずからの問題として引き寄せながら発信・実践していかなければと感じた1日でした。

 【今日の句】まだ声に ならない声を 受け止めて

2020年12月12日土曜日

その時では遅い

 みずから「ガースー」と言うのはともかく、GoToが悪者扱いされていることが気に食わなかったようです。感染防止をしない国民が悪いと言いたいのでしょうか。ニコニコ生放送の菅首相の言いぶりは、政治の責任を果たそうという自覚が薄いと思いました。

 旭川赤十字病院では手術室の看護師に感染・濃厚接触が広がり、手術の体制が取れないといいます。菅首相は、この切迫した状況を何とも思わないのか。政治から強い支援がなければ、医師・看護師とも心が折れてしまいます。その時になってからでは遅いから、いまGoToを止めることが必要だと世論調査でも多数になっているのに。

 日本共産党国会議員団は先日、政府あての緊急要請をおこないました。医療機関への減収補てんや国庫の交付によるPCR検査拡充、資金繰り対策や生活困窮者への相談体制、そしてGoTo事業の中止と観光・飲食業等への直接支援--が柱です。北海道から反映させてきた内容も含まれます。毎日同じようなことばかり書いているのは、それが必要とされているからだし、政府が何もしようとしないからです。

 夕方には東北から北海道にかけての地震もありました。こういう時に自然災害が起きたら、病院機能は完全に果たせなくなってしまう。政府が動くまで、何度でも声にしていきましょう。北海道でも世論を広げるため、私も力を尽くしたい。

 【今日の句】親しみを 広げたいなら 誠実に

2020年12月11日金曜日

いまも原発事故は進行形

 菅首相は先日、私の生まれ故郷でもある宮城県石巻市へ視察・訪問されました。今日は東日本大震災の月命日でもある11日。地震と津波の犠牲になった多くの方を、あらためて悼みました。大規模な自然災害の恐ろしさを思い出します。

 そして福島第一原発事故。なお故郷に帰れない方がいて、事故は現在進行形です。11日に続けてきた原発問題全道連絡会の定例宣伝でも、署名に応じられる方の姿が必ずあります。子どもを連れたお母さんが署名する姿に、寿都町「住民の会」で活動している方々が重なって見えました。

 原発で事故が起きたということは、「核のゴミ」最終処分場でも事故が起きる可能性があるといえます。原発には一応の規制基準がありますが、最終処分場の規制基準はできていません。原発はともかくも電力会社の責任ですが、最終処分場はNUMO(原子力発電環境整備機構)の責任になります。そのNUMOも、天災などの場合は国が事業を引き継ぐことになっています。「事故も被害も起きないという虚構のもとでしか、核のごみ処分は進められない」(本間照光・青山学院大学名誉教授)のです。核のごみとともに、原発を推進してきた責任も捨てられる、というのは言い過ぎでしょうか。

 寿都町・神恵内村で文献調査をおこなうとするNUMOは、住民との「対話の場」を設けるともしています。次の調査につなげる「地ならしの場」だと、私は思います。処分方法は決まらないのに、同意だけは取り付けていく進め方でいいのか。事故や被害が起きたときの責任は、誰がどのようにとるのでしょうか。

 課題山積の北海道。JR北海道は来春のダイヤ改正を機に、特急列車の減便等や18無人駅の廃止を打ち出しました。今日の道議会本会議では「1年単位の変形労働時間制」条例が可決されました。コロナ感染拡大に立ち向かっている医療機関・高齢者施設などへの支援や、忘新年会や札幌雪まつりが中止となるうえでの業者への打撃軽減なども急がれます。私も力を尽くしていきたい。

 【今日の句】隠しても 心痛まぬ 国なのか

2020年12月10日木曜日

まったく現場を無視か

 定時制高校の先生が力を込めて「私は本当に怒っています」。「1年単位の変形労働時間制」導入するなと朝から抗議の宣伝に、私も駆けつけました。今日の道議会文教委員会で採決されましたが、この制度のことが議員や現場教職員に、どれだけ理解されているのでしょう。急ぐべきはコロナ対応こそ、少人数学級や教職員増員こそ!です。

 「先生の働き方は過酷そのもの。過労死した同僚もいます」「現場の意向だとごまかした調査結果まで出して採決するとは許されない」など、道高教組・道教組の先生たちからリアルな訴えが続きました。私が中学校教員をしていた20年以上前から見ても、全国学力テストへの対応が増え、教員への評価や書類が増え、免許更新のための研修が増え、授業時数も増え、今年はコロナ対応も増えました。でも教職員は増えていません。教員への業務ばかりが増してきた20年なのです。

 今回の変形労働制は、夏休みなどに休暇をまとめ取りして、平日の労働時間を伸ばそうというもの。今でさえ残業代も出ない超過勤務の不当な現実を、合法化してしまうことになります。そもそもで言えば8時間労働制を壊すもので、民間でも労働者側との合意が必要とされているのに、学校での周知や議論・納得もないまま道教委が全国に先駆けて条例提案したのです。この経過だけ見ても、本当に許されない。

 学校の1学期は、新しいクラスで教員も子どもたちも緊張するし、学校行事も多く、学級運営がスムーズにいくまでにエネルギーが必要になります。体調悪化や過労死となる教職員が多いのは1学期とも聞きました。まとめ取りする前に2~3ヵ月も働き続ければ、体も心も持たなくなってしまうのは当たり前のこと。そもそも夏休みや冬休みだって、部活指導や進路指導に研修と休める状況にはありません。

 札幌市教職員組合(札教組)の松尾秀一書記長との懇談でも、こんなコロナ禍で大変な時に条例提案する道教委はおかしいとの話となりました。政令市である札幌市は、道とは別に市議会での議決が必要になります。まだ市教委から提案の動きはないのですが、「そもそも前提が成り立っていないうえで導入はできないはず」と札教組では訴えてきたそうです。

 「前提」とは「客観的な勤務時間管理の徹底」などを指し、要は今でさえ長時間勤務はされていない状況のこと。長時間勤務があるもとで変形労働制となれば、超・長時間勤務になってしまうからです。だから道教委も「アクション・プラン」なる対策をおこなってきましたが、北教組アンケートの結果を見ても解消されていません。授業時数の見直しや教職員増員などに踏み込まなければ、もはや解決しないのです。「今こそ教育内容の精査が必要ですね」と、松尾書記長さんとも一致した話になりました。

 まだまだ教職員には知らされていませんが、知らせていけば現場から跳ね返す力になっていきます。くりかえし私からも発信していきたい。

 発信という点では、医療支援を国が急ぐべきことも、何度でも訴えていかねば。今日は道民医連から紙智子議員あての、赤字分の減収補てんや医療従事者等のPCR検査を国の負担で進めることなどの緊急要請をいただきました。今日の「しんぶん赤旗」や北海道新聞で報じられた、道医労連の緊急アンケート結果もいただきました。

 看護師の約7割が精神的に「つらい」状況にあるとし、自由回答の1つ1つも本当に重さが伝わってきます。「陽性患者と接した後に家族と会うのが重い」との記述には胸が痛みました。使命感をもって病院でがんばる姿勢に、政治が本気で応えているのだろうかと腹立たしくもなります。加えて「こんな時に、後期高齢者医療の2割負担を話し合ってること自体が信じられない」と批判の声も聞きました。心から同感です。

 菅首相からも、政権全体からも、医療を本気で守る姿勢もメッセージも見られません。感染拡大防止に国民への努力を求めることばかりで、政治が医療を守る努力は見えません。それがアンケートの端々から伝わってきます。まとめたメモを紙議員へ送りましたが、私自身も国会で苦境の声を反映しなければ。今こそ命を守るために本気でがんばる政治が必要です。

 【今日の句】負担だけ 増す政治など 終わらせる

2020年12月9日水曜日

早く医療支援を、減収補てんを

 旭川市では自衛隊の医療支援が始まった一方で、政府の新たな経済対策には医療機関の減収補てんやPCR検査拡充などはなし。「菅首相は国民のことなど考えていない」と、懇談では痛烈な批判も出されました。私も同感です。

 急な呼びかけだったにもかかわらず、北見民主商工会の事務所には会員さんが足を運んでくださいました。「要望としては再度の持続化給付金を。夜の町は本当に人がいないし、年末の予約もない」(スナック)、「ホームクリーニングも減少傾向。燃料代や水道代の負担が重いなか、北見市は水道料金を値上げした」(クリーニング店)など切実な実態とともに、この窮状に応えようとしない政府への不満も次々と出されたのです。

 第3次補正予算といっても、成立してから国民へ届くのは3月ころになりそうです。第2次補正予算の予備費は7兆円もあるのに、そのうち具体的にした3000億円は GoTo キャンペーンの延長分。「テレビを見ていて腹が立つことばかり」という気持ちもよくわかる。それでもあきらめずに、聞いた声は反映させていくことを私から述べました。

 オホーツク勤医協の黒澤専務からは、病院経営の大変さとともに、長引く緊張状態のもと職員のメンタルヘルスが心配だとの話も。発熱者への対応ひとつにも神経を使いますし、実際に時間もかかります。国の補助金も、発熱外来枠をもてば患者が来なくても枠の分の補助金を受けられますが、実際に患者が来た場合は通常と変わらないほどの診療報酬でしかありません。手間や準備をかけても、見合った報酬体系になっていないのです。

 いま医療機関・医療従事者を支えるために、国が思いきった財政支援をするべきです。国民誰もが望んでいることです。旭川や札幌の医療機関の現状を見れば、本当に待ったなし。それだけに新たな経済対策の中身は、根本から見直すべきです。何度でも訴えたい。

 街頭宣伝には多くの党員・後援会員さんが集まってくださいました。始まる前から「絶対に今度は国会へ行って。今のままでは日本はダメだ」と声をかけてくださる方もいて、距離は保ちつつも、熱い思いはひしひしと伝わってきました。私の訴えにも力が入ります。国民の命と健康に責任を負う政治を、何としても実現しなければと痛感する毎日です。

 【今日の句】北風を 吹かせる総理 うんざりだ

2020年12月8日火曜日

安心を共有したい

 今日は美幌町から津別町・網走市へ。「森友・加計・桜と、安倍さんは説明しなきゃダメだ」と自民党支持30年という方など、多くの方が街頭宣伝を聞いていただき本当にありがたいです。

 美幌でも立ち止まった方が「人口減少が心配」「核のゴミは嫌だよねえ」など口々に語られました。網走では「今の政治は目に余ります」と嘆きの声も。このような声を聞けば、内閣支持率が下がってきたのも当然です。

 津別町では日本共産党が住民アンケートをおこない、約1割もの世帯から返信がありました。6割の方がPCR検査の拡充を要望し、発熱外来の開設を希望されています(※津別病院では発熱外来を開設しました)。身近な不安に応えてほしいとの思いが伝わってきます。

 巴光政町議と街頭宣伝にまわると、家から出て話を聞いてくださる方も次々。実は津別町は水道料金が高いとのことで、巴町議が基本料金の設定水量について質問で取り上げるなか、当面の減額措置も実現されています。各地をまわるたびに、このような日常の取り組みが大事だと学ばされます。

 網走では松浦敏司・村椿敏章の両市議と街頭宣伝の後、換気をしながら「語るつどい」。携帯料金が下がることとデジタル化推進の関係、大学生の困窮、学校での「1年単位の変形労働時間制」についてなど、短い時間ながら多くの意見や質問が出されました。しっかり反映していきたい。

 なかなか集まること自体に苦労もある状況ですが、松浦市議は「やっぱり顔を合わせて話すことの大事さがあるんだよなあ」とポツリ。コロナの話題は、どうしても暗くなりがちにもなるだけに、せめて安心を共有できるようにならないかと、私も話しながら常に頭を悩ませています。

 そもそもは政府の対応が後手後手だからで、繰り返し声にしていくことが大切だとの話にもなりました。明日は北見市での活動です。

 【今日の句】国会のウソは とっくに見透かされ

2020年12月7日月曜日

菅政権にモノ言いたい

 今日は紋別市へ。時折雪が降るなかの街頭宣伝には党員・後援会員のみなさんが駆けつけてくださり、野村淳一市議と一緒に訴えました。やっぱり関心は新型コロナ対策です。

 紋別市でも感染防止や業者支援などに力を入れて、新たな予算措置も検討されているようです。このような地方の取り組みを応援する臨時交付金が、あらためて求められています。先週末の世論調査を見ても、多くの国民は菅政権のコロナ対策を肯定的にはとらえていません。

 窓を開けて換気をしながらの「つどい」でも「ホタテ価格は三分の一、つまり収入は6割減」(漁師)、「休業した母親などへの支援をわかりやすく通知して」(障害者施設)など、直面している課題への支援を求める声が次々と。苦難は国民に等しく降り注いでいるのです。

 「野党共闘は、他の野党と何が合わなくて進まないのか」「武力に頼らない外交というが、実際に日本共産党は世界に働きかけているのか」などの質問もありました。来年1月には核兵器禁止条約が発効することも例に、大国が牛耳る世界ではなくなってきている、武力に頼らない外交はできると私からも強調しました。

 急な呼びかけにもかかわらず、密を避けながら足を運んでくださったことは本当にありがたい。それだけコロナ対策は無為無策、疑惑にはフタをして、学術会議への強権ぶりの菅政権にはモノ言いたいということです。本気で政治を変えたいとのうねりは、オホーツクにも広がっています。この熱い思いを、さらに私も広げていきたい。

 【今日の句】朝晩は ぐっと冷え込む 氷点下

2020年12月6日日曜日

過去に目を閉じないで

 日曜美術館(Eテレ)「アイヌ文様の秘密」が再放送されていて、文様の無限性や神々の物語などを興味深く見ました。放送の主題ではないでしょうが、あらためてアイヌ民族が受けた歴史を直視することも心に留めました。

 さて先日、自民党も含めてアイヌ施策推進法が成立したのに、道見泰憲道議(自民党)が「アイヌの人々を甘やかしているのは国であり道」と発言しました。あまりに不適切どころか無責任です。訂正の意向を示しているそうですが、歴史認識に欠けているのではないかと疑います。

 不十分がありながらもアイヌ施策推進法では、アイヌを先住民族と明記しました。しかし歴史を振り返れば、言葉や文化を奪われ同化を強いられてきたことは間違いありません。民族にとっての侮辱であり、深い悲しみを与える発言です。しっかり反省の言葉を発せられるべきです。

 平取アイヌ協会の木村二三夫副会長が書かれた手記で「過去に目を閉じる者に未来はない」と記されてあります。アイヌのなかに利権を悪用する人もいると木村氏は触れつつも、サイレント・アイヌや女性アイヌなど声に出せない声もあるという現実。それを政治の側が抑え込むような発言をするのは、やっぱり不適切そのものです。

 写真は平取町・二風谷を、今年6月に訪れたときのもの。二風谷地域はダムとして埋め立てられることに反対の声が湧き起こりましたが、国策によってアイヌの方々も翻弄(ほんろう)され続けたことが、現地に行ってあらためてわかりました。国際水準から見ても、あまりに低水準のアイヌ施策。私も力を尽くさねばと、木村さんの言葉を目にして痛切に感じました。

 【今日の句】そうやって 自己責任が 振りまかれ

2020年12月5日土曜日

動かしてきたのは地域の声

 国会から戻ってきた紙智子参議院議員の街頭報告で、平岡だいすけ2区予定候補といっしょにマイクを握りました。コロナ対策では無為無策、学術会議には強権、金権疑惑にはフタをする菅政権に怒っている声が次々と寄せられました。

 私が話しているときには学生らしき若い方が「自民党を終わらせてください」と、握りこぶしをつくって声をかけてくださいました。終わった後には「菅首相は何のコロナ対策もしていない。今こそ共産党のがんばりどき。野党共闘を主導してください」と、堰を切ったように語りかける方も。この方はあわせて「批判ばかりでなく、これからの日本をどうするかの対案も語ったほうがいいよ」と話されました。心がけたい。

 コロナ禍に苦しんでいる方が増えているなか、何を解決すればいいか、どうすれば実現するのかを示すのが政治の責任です。現状を告発しながら転換の政策を示し、どうすればそれが実現できるかも、ていねいに広げていきたい。

 そのことを実感したのが、立憲・本多平直衆議院議員との対談です。北海道民主医療機関連合会(道民医連)新聞の新年号企画として、小市健一会長も交えた対談をした次第。テーマはコロナ対策と社会保障、核のゴミや「市民と野党の共闘」など、命と健康を守るために政治を変えようとの思いも熱く語り合いました。

 対談に臨む前に道民医連の歴史も頭に入れておこうと、ホームページ上の「北海道民医連の原風景」に目を通しました。眼内レンズ保険適用の運動、白石区での「ねたきり老人実態調査」、全財産を投げうって診療所を建設した阿部鶴松さん、難病医療への貢献と道難病連の結成--など道民の命と健康を守る場面に、道民医連の姿あり。コロナ禍の今こそ、草の根から「命と健康を守ろう」と声をあげることの重要さを、対談では私からも触れました。

 札幌では保健所から、あらゆる医療機関へコロナ陽性患者の受け入れをお願いする緊急文書が出されました。介護を必要とする方も多いと記されていて、なかなか受け入れる状況にない医療機関には派遣もお願いしたいと、まさに切迫した状況が伝わってきました。国が財政的な支援も後押しして、責任を果たすべきだと痛感です。紙議員や本多議員から、そろって菅政権の無為無策ぶりを聞き、早く政治を変えなければとの思いを強めた1日でもありました。

 【今日の句】総理から 本気の姿 見えぬまま

2020年12月4日金曜日

命を後回しにするな

 「菅首相が医師会長の訴えに反応しないのが悔しい」。菅首相の記者会見を聞いて、あらためて道難病連・増田靖子代表の言葉が重く響きました。命と健康が脅かされている国民の苦しみや、懸命に治療・診療にあたっている医療従事者などの実態を、菅首相は本当に理解できているのか。

 道難病連には森英士・党中央地区委員長と足を運びました。難病を抱えるだけに、面談にはじゅうぶんに気をつけなければなりません。堰を切ったように、冒頭の話を始めた増田さん。「難病患者は病院に行くこともためらいガマンしているのに、どうしてGoToの見直しをしないのか。遅すぎます」「難病患者は大病院に頼らざるを得ません。その大病院の機能が止まってしまいかねない」など、増田さん自身もリハビリに行けずに今日は湿布10枚を貼ってしのいでいるといいます。

 各地に点在している難病患者。「会員が孤独にならないようにしなければなりません。心が折れると、別の病気にもかかってしまう。好きで病気になったわけじゃないのに、いつも難病患者が取り残されます」と絞り出すように話す増田さんの思いを、しっかり受け止めて反映させなければ。道難病連のアンケートでも「不安を感じる」方が92.0%、検査や治療、リハビリなどの「受診とりやめ」39.8%、身体的・精神的不調を訴えている方も22.8%いるのです。

 学生の実態も切迫してきています。北海学園大学・川村雅則教授がゼミの学生ととったアンケート結果をうかがいに、足を運びました。「北海学園大学学生アルバイト白書」と題して、今年で10年目という節目を迎えました。今年は遠隔授業についてなど、より学生生活の全般的なことも問うたそうです。1部・2部あわせて609人の学生が答えました。

 いくつかの傾向や特徴は、▼アルバイトは離職に至らずとも勤務シフト・労働時間の減少を経験した、▼休業手当も不支給経験が多い、▼かけもちで働く学生やアルバイトを探し続ける学生--という実態と、奨学金に依存して学費を支払っている学生が一定数いることがわかりました。学生のアルバイトが遊興費でなく、生活費や学費に充てられている傾向が強まっているのです。

 生の声も切実。「学費が高いので親からの仕送りなどをもらえない。かなり生活が厳しくて楽しめない。奨学金を増やすことに大きな不安があるため、増やせない。働くしかない……」「自分もアルバイト収入が激減し生活が苦しいが、実家はもっと大きな打撃を受けたため度々お金を貸している状況にあり、困っている」など、アンケートに答えた1年生の約2割が「漠然と」「真剣に」あわせて休学・退学を考えているとの回答も衝撃的でした。

 私大ゆえに、授業料に頼る大学経営の構造的な課題がありますと川村教授。この構造を変えるためには国政の転換が、どうしても必要です。

 朝と夕方には平岡だいすけ小選挙区2区予定候補と宣伝、昼には道革新懇が呼びかけたリレートークにも参加しました。大臣室などで現金500万円を受け取ったとされる吉川貴盛・元農相は、この2区からの選出。ご本人は入院中だそうですが、渡した相手が具体的に話している以上、真実を国民の前に明らかにするべきです。それを放置したままにするなら、自民党総裁である菅首相の責任も問われなければなりません。安倍前首相の「桜」疑惑も、国会に1年以上もウソの答弁をしてきたわけですから、まったく許されることではない。

 リレートークも怒りのスピーチが相次ぎました。「医療機関は疲弊しています。どうして政府は減収補てんをしないのですか」「学術会議の人事介入は民主主義にかかわる重大問題です」「学生が食べることにさえ困っている。青年の未来を菅政権に任せられない」など、これらのスピーチはオンラインでも配信されています。私も、野党の国会延長動議を否決して疑惑にフタをし、コロナ禍の苦しみを受け止めようともしない政治は許されないとスピーチ。これまで苦難を聞いてきた方の顔が浮かびました。

 切迫した現実に応える政治を。のんびりしていられません。

 【今日の句】国民を 見捨てる政府 ありえない

2020年12月3日木曜日

国会を閉じるな

 吉川元農相の疑惑に、安倍前首相の公設秘書も立件かと報じられ、安倍氏本人にも任意の聴取要請--このまま国会を閉じて、疑惑にふたをする気でしょうか。まして政府のコロナ対策は、ほとんど新たなものはないに等しい。菅首相も、ようやく明日になって記者会見に臨むというのは遅い。苦難の淵に立たされている国民の苦しみを、本気で受け止めているのでしょうか。

 今日は会議とデスクワークの1日。たまっていた仕事や原稿書きで、あっという間に時間が過ぎます。その合間にも友人から、コロナ禍ということもあって転職するとのメールが。別の知人からは、知り合いの業者が相談にのってほしいとも。日に日に深刻の度が増していることを、肌で実感します。総理にかわって謝る筋合いなどないのですが、政治の取り組みが遅いことに申し訳ない思いになります。

 安倍前首相は新型コロナにかかわる記者会見を、2月末から4ヵ月で9回おこなったそうです。当時より感染が急拡大しているなか、菅首相はぶら下がり取材以外に、新型コロナにかかわる記者会見をおこなっていません。国会で答弁したことに、多くの国民が納得したとでも思っているのか。献身的にふんばっている医療従事者や保健所職員はじめ、エッセンシャルワーカーの実態を、どれだけ知っているのか。

 腹立たしさが増していく毎日ですが、地に足つけた活動を続けていきたい。

 【今日の句】隠すことには 長けている自民かな

2020年12月2日水曜日

言い逃れは許されない

 吉川貴盛・元農相(道小選挙区2区)に、便宜を図る見返りに現金を受け取ったとする疑惑が報じられました。事実なら進退にかかわる重大問題です。「当局から説明を求められることがあれば誠実に対応」とのことですが、みずから説明責任を果たすべき。面会回数や金額など具体的に示されて、鶏卵生産販売会社の元代表も「違法だという認識」があったと、報道に応えています。

 ことは河井夫妻の選挙違反事件から、芋づる式に出てきたようです。どっぷりと金権政治そのものに浸ってきた自民党議員は、他にいないのでしょうか。河井夫妻にとどまらず、カジノ収賄によって秋元司議員も逮捕されています。党としての自浄能力や、自民党総裁としての菅首相の姿勢も問われます。ここまで蔓延して、言い逃れなど絶対に許されない。

 今日は「ほっかい新報」の新年号企画として、市民の風・北海道の山口たか共同代表とじっくり対談。たかさんはベトナム戦争への反対活動を通じて、平和や人権の大切さをライフワークに札幌市議会議員も務められました。話題としたテーマは菅政権のことをはじめ、3.11と核のゴミ、ジェンダー平等、貧困と格差などに加え、若い世代との交流など日ごろの活動についても語り合いました。

 昨年の参院選で日本共産党の宣伝カーに初めて乗っていただき、私のことも「子どもを病院に連れていた畠山さんに、ばったり出会いました」などのエピソードも紹介しながら応援の言葉をいただきました。いつも穏やかながら、たかさんの心に秘めた熱い思いを聞きながら、市民と野党の共闘を成功させて必ず私も議席奪還との決意を述べました。あっという間に時間が過ぎるほどでした。

 続きは「ほっかい新報」の新年号で、ぜひお読みください。日本共産党北海道委員会や地区委員会などへ、ご連絡いただければ対応できます。

 それにしても、引き続き広がっている新型コロナに対して今日も無為無策の菅政権。もどかしさや腹立たしさが増すばかりです。

 【今日の句】うんざりだ 金権政治 黒い金

2020年12月1日火曜日

こんな時にやることか

 北海道では約4割の地方議会で慎重審議を求める意見書があがったにもかかわらず、種苗法改定案は参院の農水委員会で可決。あきらめまいと食農連絡会がおこなった宣伝に、私も参加させてもらいました。

 海外への流出を防ぐための改定といえば聞こえはいいですが、流出したのは農家が種を採るからだという理屈がおかしい。だから自家増殖を原則禁止にするという改定なのです。そうなれば、自家増殖していた農家は種を買わなければいけなくなるし、市場にゆだねられた種の独占と価格高騰も心配されます。実態は改悪です。

 流出させないためなら海外での品種登録が必要なのに、農水省は「止めるということは難しい」と答弁して事実上のお手上げ状態。農家への責任転嫁かと、中身がわかった農家からは不満の声が出ています。今日の宣伝には千歳市や江別市の農家も参加し、北海道たねの会・久田徳二さんもマイクを握りました。久田さんから学んだという大学生も駆けつけ、スマホで撮影してくれる方など、多くの方が関心をもって宣伝行動に参加されました。

 私も、政府が種への責任を放棄してきた経過に触れました。私が国会にいたとき、まず主要農作物種子法が「公的開発が民間開発を阻害している」との理由で廃止され、次に農業競争力強化支援法では海外資本の参入に道が開かれました。今回の種苗法改定で農家の種の権利を奪うことになれば、日本は種ビジネスをさらに開放することになります。

 食の源である種は、人間の体をつくる源です。だから安心・安全で、安定的に供給される必要があり、国にはその責任があります。しかし、そのための法律が次々と廃止・改定されてきてしまいました。全国の食料自給率37%の国で、そんなことしてる場合なのでしょうか。食べるに困る学生・国民が増えているもと、食料の安定的供給こそ政治が急いで取り組むべきです。

 「なぜ、こんな時に」というのは、北海道教育委員会も同じ。開会中の第4回定例道議会に「1年単位の変形労働時間制」を実施する条例案が提出したのです。コロナ対応に追われている教職員から意向も十分に聞かず、全国に先駆けて実施しようと狙っています。それよりも教員の増員と少人数学級を早く! この間の状況を高教組・道教組から話をうかがいました。

 とにかくひどいのは、これまでの大臣答弁などをまったく無視しているということ。手続きは「まず各学校で検討の上」(萩生田文科相)なのに、まったく教職員に知らされていません。文科省の「導入の手引き」にも書かれています。そもそもコロナ対策で例年以上に忙しくなっているのが、現場の実態です。

 夏休みなどに「まとめ取り」とする制度ですから、かえって平日の勤務時間が増加する心配があります。そこで「歯止めをきちんとつくっていきたい」(萩生田文科相)とした運用が求められているのに、道教委は「服務監督教育委員会や校長」が判断するとしています。制度の設計・運用・監視が、すべて同一となります。これでチェック可能といえるのか。

 何より、急いで導入するべき制度なのか。他都府県では徳島県だけが条例提出していて、北海道が突出して進もうとしているのです。いま急ぐべきは学校でのコロナ対策であり、それは少人数学級と教員増員にほかならないはず。どこを向いて教育行政をしているのかと、話を聞くにつれて本当に腹立たしい。教員の多忙は、ぎゅうぎゅう詰めの学習指導要領と行き過ぎた管理のもとの業務ゆえではないのか。

 「行事は中止したのに、1クラス数分しか見ない指導主事訪問は実施される」など、子どもの側より教育行政の都合を優先した事例もあると聞きますし、勉強ばかりの学校で子どものストレスが強まっている実態もあります。厳寒でも換気が必要としながら、その対策は現場任せになっているとも。そんな時に変形労働制なのかと、ますます腹立たしい。

 そもそも政治の根本がおかしいから、さまざまな問題に直面することになっています。もうけと効率が最優先で、農業や教育への財政支出を渋り続けてきた日本の政治。早く変えなければと痛感します。

 【今日の句】そんなこと 農家も子どもも 望んでない