2023年12月2日土曜日

ケアを大切にした社会に

 道民医連や道医労連などが実行委員会を担い、4年ぶりの「国の責任で医療と介護の充実を求める北海道集会」。オンラインにて私も参加し、コロナ禍を経た医療・介護分野の厳しい実態を学びました。集会名どおり、国の責任こそ問われるべきです。

 実行委員長の小内浩さん(道民医連事務局長)が、コロナ禍を振り返りながらの基調報告。人口100万人あたりの感染者数は全国平均より低い北海道なのに、同じく死亡者数は大阪に次いで全国2位。最も医師が多い上川中部でもOECD平均並みですから、全道的には医療過疎地が圧倒的なのです。

 医療機関も介護事業所も経営が深刻化し、物価高騰が追い打ちをかけています。小内さんは憲法25条「国は‥‥社会福祉、社会保障、及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」と引用して、「国の責任でいのちと暮らし、ケアが大切にされる社会を」と呼びかけました。

 道難病連・鈴木洋史さん、全医労道地方協議会・三上智子さん、「介護に笑顔を!」道連絡会・五十嵐修平さんによる、それぞれの立場での報告は胸に迫るものがありました。難病患者も医療・介護の職場も、今なお感染対策に神経を使っています。しかし5類化されて、国からのじゅうぶんな支援はなくなっています。

 ケアワーカーは人と人が接触せざるを得ないゆえ、まん延当初は家族にまで差別が及びました。濃厚接触でも職場に出られないため、少なくなった職員で懸命の医療・介護をおこないました。「じゅうぶんなケアができない」ことへの悔しさや不満もあったといいます。

 そもそも医師・看護師や介護職員は、ずっと人員不足のままでした。今日も「担い手が足りないと、いつまで言い続ければいいのか」と強調された発言がありました。ぎりぎりの体制でやってきたのに、政府が「やればできるじゃないか」と、さらなる社会保障の抑制に進むなら許されない。

 2010年に札幌市内のグループホームで、入居者7人がなくなる火災が起きました。夜勤が1人で、とても対応しきれませんでした。助けられなかったと自分を責めているのではと、火災現場で献花しながら胸を痛めたことを覚えています。

 その後、介護施設等へのスプリンクラー設置は進みましたが、そもそも職員を増やすべきとの訴えを前に、どれだけ国は本気の対策を進めてきたのか。医療・介護の現場に自己責任を求めながら、国が最も責任を果たしていない。だからこそ、このような集会を続けてきたことに大きな意義があったのです。

 医療・介護・障害福祉の報酬等トリプル改定が、来年に控えています。命と健康、人権を守ることを最優先とする日本へ、さらに声を大きくしていきたい。

 【今日の句】ケアにこそ 国は本気の 責任を

2023年12月1日金曜日

この時代にこそ鉄路の維持を

 氷点下のJR札幌駅前で「北の鉄路存続を求める会」の「いちの日」宣伝。今日からダイヤ改正した路線バスが運転手不足で減便のもと、鉄路までこれ以上減らしていいのか。公共・公営交通の存続・再生には、やっぱり国が役割を果たすしかないと私からも訴えました。

 広大な北海道で、民間事業者が交通・輸送網を維持するのは簡単ではありません。「乗る人が少ないから減便・廃線はやむなし」との意見は、人口減少・経済縮小や地域社会が維持できなくなっても仕方なしとなってしまいます。どこかで歯止めをかけなければなりません。

 バス転換しようとする根室本線や函館本線(山線)は、あらためて議論をゼロベースに戻す必要があるのではないでしょうか。確保できるかわからない運転手をあてにバス転換するというのでは、結局は住民が不利益を被るだけになるのですから。

 あわせて、鉄路を維持したときの活用策など、前向きの議論を進めてはどうか。活性化のためのアイディアは、住民から何度となく提案されてもいます。全道をつなぐ路線ですから、いち自治体だけの責任でなく、道のもとで積極的な議論を進めてほしい。

 日本共産党は昨年、「全国の鉄道網を維持・活性化し、未来に引き継ぐために」を発表しています。鉄路の維持は地域社会にとって必要というだけでなく、気候危機のもと脱炭素社会に向けても必要です。EUでは鉄道の利用拡大が位置づけられています。

 北海道など経営上の困難がある地域は、国が必要な財政支援をおこなうべきです。長期的には、いわゆる「上下分離方式」にて国が責任を果たすよう求めます。ライドシェアといった規制緩和策ではなく、交通・運輸の公的な位置づけを強めることこそ必要ではないのでしょうか。

 目の前の利益最優先で地方を切り捨て、その結果が人口減少などにつながってきました。安全問題研究会の地脇聖孝さんも「地方切り捨ての政治の責任が問われます」と、厳しく指摘。根室本線の災害復旧と存続を求める会から、佐野周二さんがメッセージを寄せました。

 どの町にいても安心してくらせる日本へ。その土台づくりこそ急げと、私も声にしていきます。

 【今日の句】地方から 壊れる国に 未来なし

2023年11月30日木曜日

きっぱり招致は断念を

 札幌市の冬季五輪招致は、2038年までも困難になりました。今度の「しんぶん赤旗」日曜版では、やく・みつるさんの4コマ漫画に秋元札幌市長が登場(続きはご購読を!)。招致は断念して、これまでの基金を市民生活やスポーツ施設へと活かしてはどうでしょうか。

 秋元市長は今後について、早急に議論を進めるとしています。東京五輪をめぐる汚職だけでなく、石川・馳知事による「官房機密費を使って20万円のアルバム」発言など、利権まみれの実態が次から次へと出てきました。これでは市民の信頼が得られないのも当然です。

 札幌市にしても、五輪招致にあわせるような大型事業や都心再開発に、湯水のように税金を注ぐ計画でした。市民の強い願いである除排雪や子育て・くらし支援こそ優先をと、どこでも声があふれています。招致断念とともに、おおもとからの市政転換へ私も力をあわせたい。

 今日は札幌市南区・清田区へ。後援会員さん・「赤旗」読者さんには入党の呼びかけもしてまわり、前向きに検討してくださる方も。厳しい寒さの1日でしたが、多くの出会いに心があたたまりました。

 【今日の句】健全な五輪を みんな望んでる

2023年11月29日水曜日

野党が本気で立ち向かおう

 くらし支援にはほど遠い補正予算が成立。大阪万博やマイナ保険証の推進など、反対多数の民意をどう受け止めているのか。8130億円もの軍事費や半導体工場へ巨額の支援など、米国と財界へおもねり、くらしは後回しという岸田政権を早く変えなければ。

 今日は札幌市北区で、こつこつと地域をまわりました。「実は立憲(支持)なんだけど」という方は、友人のすすめで「しんぶん赤旗」を読み始めて半年。「共産党の言ってることは、そのとおりだと思うよ」との一言を、ありがたく聞きました。

 れいわ支持という方は「本気で政治を変えるなら、国会でおとなしくしてる場合じゃないのでは」。数の力に負けそうでも、強行採決の際は委員長席に詰めて世論に訴えることもしてほしいとの、もどかしい思いなどもお聞きしました。日本共産党への率直な意見もありましたが、それでも応援していますからとの激励も受けました。

 議席数で多数を占めていれば、どんな法案でも通すことは可能です。しかし、世論の力と結んで成立を食い止めた法案もありました。少数政党・会派にも質問の時間など保障すべきと、日本共産党は国会で粘り強く訴えてもきました。

 与党が横暴な運営をしたときに厳しく対峙できるのは、国会法や衆議院規則・参議院規則などにもとづいた対応をしてきたからでもあります。野党が規則を破れば、与党の規則破りをただす足場を失ってしまいます。この対応が生ぬるいというのは、見解の相違だろうと私は思います。

 党が違うのだから、見解や政策が違うのは当たり前。そのうえで、一致点を積み上げた共闘へ進まないと、今の選挙制度のもとでは政権を代えられません。与党にとって有利な仕組みや報道も多い日本だからこそ、本気の共闘で立ち向かわなければ、なのです。

 そのために日本共産党の議席を増やしてほしい。ぶれないで筋を通す力が、今の国会には必要です。そんな話をして、入党を前向きに考えてくださる方もいました。明日も力を尽くしたい。

 【今日の句】国民の 本気の怒りも 声にしよう

2023年11月28日火曜日

平和的生存権を真ん中に

 「ほっかい新報」新年号企画として、清末愛砂・室蘭工業大学大学院教授と対談させていただきました。パレスチナとイスラエル、憲法と日本の進路、北海道・矢臼別での平和運動など、テーマは多岐に渡りました。

 多方面に活躍され、知見も経験も豊かな清末先生との対談だなんてと、企画が決まったときから実は緊張していた私。昨年の参院選で応援演説をしてくださった時も、横にいて恐縮しきりだったのです。

 パレスチナ医療奉仕団・猫塚義夫団長との共著「平和に生きる権利は国境を超える」や、松本ますみ・室工大教授との共著「北海道で生きるということ」などを事前に読み、伝わってきた深さと重さ。ぜひ、お読みいただきたいです。

 対談は学生の実態など身近なところから、「平和的生存権」を真ん中において北海道からパレスチナなど世界まで語り合いました。今の日本の政治を変える清末先生の思いもうかがい、私からも決意を込めた話に。

 あとは新年号を、ぜひお待ちください。多くの方の心に残ってほしいと思うほど、私も学ぶこと多き対談でした。清末先生、ありがとうございました。

 その後は室蘭市や伊達市で訪問などを予定していましたが、予期せぬ事態が起きたため急きょ街頭宣伝への切り替え。偶然に通りかかった「しんぶん赤旗」読者さんの、まわりにも聞こえるほどの声で「寒い中ごくろうさん、がんばってよ」と激励が嬉しい。

 伊達市では、入党を前向きに考えてくれる後援会員さんも。全市的に学校給食費無料化を求める署名が広がり、日本共産党が力を合わせてきたことへの信頼が根っこにあると伝わりました。

 同行してくださった吉野英雄・伊達市議、渡辺房代・室蘭市議への信頼が、同じく伝わる場面もありました。地域から、そして北海道から政治と社会を変える力にと、私もがんばります。

 【今日の句】地続きで 未来も世界も この地から

2023年11月27日月曜日

原発に頼らない北海道を

 札幌駅周辺にて朝は党の定例宣伝、昼は道原発連の宣伝と署名呼びかけへ。いくらか雪も積もり、足元を気にしながら歩く観光客も多くいました。凍った道路を歩くのに慣れていない今の時期は、ご注意くださいね。

 ところで、千歳市に建設中のラピダスの半導体工場ですが、利用電力は60万kWと見込まれています。ラピダス側は再生可能エネルギー由来の電力を求めているようですが、北海道電力は泊原発の再稼働による供給をめざしています。

 北電の発電設備に占める、2021年度の新エネ(バイオマス・太陽光・風力・中小水力・地熱)比率は0.3%にとどまっています(「道新」2023.9.16)。泊原発に経営資源を集中して、新エネは後回しというのが実態ではないのか。

 記事によれば、すでに新エネの容量は、道内の平均電力需要を超えています。さらに本州へ送電する洋上風力発電計画が進んでいます。過剰な開発や住民合意なき大型計画は容認できませんが、道内需要だけで見れば原発なしでも融通可能な水準に届いています。

 そもそも泊原発は、敷地内の活断層についての評価や対策が不十分なのをはじめ、数々の危険性を取り除くことができないままでした。原子力規制委員会の「お墨付き」が出ない以上は、原発に頼らない電力供給へと切りかえる時ではないのでしょうか。

 鈴木知事は、泊原発については審査中であることから「予断をもって申し上げる状況にない」と、前任の高橋知事と変わらない態度に終始しています。ラピダスの電源確保についても、ラピダスと電力事業者が協議していることだと、詳細には触れません。

 泊原発の再稼働ありきで、安全性が後回しなどあってはなりません。自然豊かな北海道だからこそ、原発に頼らない道を進もう。くりかえし私も訴えていきます。

 【今日の句】だんだんと 白い面積 増えてきた

2023年11月26日日曜日

地域社会の奥深い変化

 昨日に続き、酪農家を中心に訪問や入党のお誘いへ。別海町ではマイナス15℃まで下がった地域もあり、どこでも話の始まりは「今日は寒いね」から。牧草地に出ていた牛も、日なたで暖を取っていたようでした。

 私がお会いしたのは、親から継いで10年が過ぎたという酪農家さん。放牧中心で、頭数は多くなくとも生活が成り立ってきたといいます。糞尿処理や土づくりなど話は尽きず、日本共産党についても「どうして政党助成金を受け取らないのか」との質問も。私からの話に理解くださり、「しんぶん赤旗」日刊紙をお読みいただくことに。

 紙智子参議院議員が訪問した先では、30・40代のごきょうだいが入党されました。ずっと日本共産党を支持してくださったそうで、インボイス導入による苦労にも直面していたとのこと。同行していた中村忠士・別海町議ともども喜び合いました。

 農家も中小企業・自営業も、岸田政権のもとで厳しい先行きしか見えません。だから地域経済・地域社会が閉塞感に覆われ、奥深い政権批判になっています。それがわからない総理を早く退陣させ、新しい政治へ野党が挑戦する時です。

 自民党政治のゆきづまりを大元から変える、日本共産党が何より大きくならないと。「野党のがんばり時」との言葉を、しっかり受け止めたい。

 先立って、別海町矢臼別に住まわれていた二部黎さんの弔問にうかがいました。ちょうど自衛隊の演習時間に重なり、榴弾砲の砲音・着弾音が何度も鳴り響きました。その演習場のど真ん中に、二部さんはパートナーの倉谷あみさんと2017年に移住されたのでした。

 依頼されていた作品の制作にと斜里町から通っていた際、移住を奨められた二部さん。制作とともに、矢臼別平和資料館を「育てる会」事務局長としての役割も果たされました。

 平和資料館の地鎮祭では「自ら神主(父親が神主)を執り行い、末永く工事の安全を祈願する世界平和の祝詞を述べ」(「育てる会」佐々木会長)たそうです。

 平和を愛し、子どもたちや次世代に深い信頼を寄せてこられた二部さんは、新たな作品として「泣き地蔵・怒り地蔵・笑い地蔵」を構想していたとのこと。あらためて「平和の家美術館」内を見回すと、作品を通じて二部さんのあたたかさが伝わってきました。

 敷地には二部さん制作の石像があり、紙議員と「平和の馬に乗る人」前で1枚。今年の平和盆踊りで「お帰りなさい」と挨拶された二部さんを思い出しながら、平和な社会をとの決意を新たにしました。

 【今日の句】牧草地 凍えと反射に きらきらと