2020年4月11日土曜日

早く国際水準に

 アイヌ施策推進法が施行されて1年になろうとしています。この法律はアイヌにとって、どれだけの意味があるのか--あらためて思いをうかがう機会を持ちました。会場は江別市で、江別アイヌ協会や少数民族懇談会などからご参加いただきました。党からは吉本和子江別市議も同席しました。

 この法律で先住民族として初めて位置づけられたものの、先住権の内容としては国際水準ほど認められているわけではありません。自治体がアイヌ施策推進のためにと交付金も設けられていますが、どれだけアイヌの窮状に応えられるものか明らかではありません。ウポポイ(民族共生象徴空間)も、観光振興の面が強調されているように思います。

 「民族問題を、なぜ地域振興とセットにするのでしょうか。何億もアイヌの懐に入るかのように言われるが、まったく実態は違う」と素朴な疑問を呈したのは江別アイヌ協会・橋本隆行会長さん。もちろん観光業で働くアイヌの方もいますが、地域振興の面ばかりが先行していないかと指摘もされました。

 お2人の子どもと来てくださった女性は「法案のパブリックコメントには差別的な意見が9割以上もあったと聞きました。自分はアイヌだと子どもが言えない時代になってほしくない」と訴えられました。アイヌは先住民族であると国会では全会一致で決議があがり、今回の法律にも位置づけられたにもかかわらず、なのです。

 「歴史を知らない人がいっぱいいる。勉強できる場をつくってほしい」と強調したのは、少数民族懇談会の元会長・清水さん。現会長の原島さんは、サケ採捕について「検討委員会でも、現行憲法のもとでも解されると導き出されている。報告書にもとづき検討すべきではないか」と提起されました。

 言語や文化、土地や財産が奪われていったアイヌの歴史。橋本さんの「一般の家庭では何世代も積み重ねられてきた生き方や価値観が、アイヌの場合は財も含めて形成されなかった」という、歴史を振り返っての発言を重く受け止めたい。問われているのは政治の側であり、同時に国民の間に分断もつくってはならないと痛感しました。

 法は5年をめどにした見直し条項がありますが、「5年を待たずに進めるべきだ」との意見もありました。今日の懇談会は紙智子参議院議員も参加予定でしたが、東京からの移動を控えたこともあり、私の方から「今日の意見は、しっかり国政に反映させます」と述べました。大事な視点をいただいたと思っています。

 私自身は宮城県生まれで、北海道で教員を始めるにあたりアイヌの歴史を学んだというのが率直なところです。国政候補になってからも、多くのことを教えていただきました。世界では民族抑圧や搾取などへの謝罪を明確にし、先住権の具体化も進めています。日本でも早く国際水準に進むべき。あらためて実感した懇談会でした。

 【今日の句】人間として 生きている証こそ

2020年4月10日金曜日

緊急で必要なのは補償

 延期されていた「3・13重税反対全国統一行動」札幌北部集会へ。間隔を開けて窓も全開で風を通すため、防寒の上着も羽織りながらの開催に。日本共産党からは宮川潤道議、前道議の佐野弘美さんとで参加しました。

 51年の歴史を数えるこの行動も、今年の集会やデモなどは各地で中止や規模縮小を強いられました。今日の集会も時間短縮などしながらも、大事なことは声にしようと実行委員会で話し合ったといいます。それだけ商売やくらしが追い込まれているからです。

 ただでさえ昨年の消費税増税に苦しめられ、強権的で違法な税務行政にも苦しめられ、補償なき自粛に苦しめられてきた業者がいます。このような現状も告発するし、社会的にもアピールが必要です。このような声が政治を動かしてきたからです。

 連帯して年金者、生活困窮者、労働組合の立場から発言もあり、党からは私が代表してあいさつ。その後のデモパレードにも続けて参加しました。

 先導車のアナウンサーから「いま不要不急の外出は自粛を呼びかけられていますが、私たちは緊急に必要な補償を求めてアピールしています」とのスピーチに「そうだ」と声をあげました。くらしや商売の先が見えないなか、補償を求めるのはまさに緊急のことです。

 東京都とのやり取りで、国は休業補償をしたくないのかと多くの方が感じたのではないでしょうか。補償があって生活が見通せてこそ、自粛にも応じられるようになるはず。やっぱり声を大きくしていかなければ!

 【今日の句】ガマンだけ 強いても生活 できません

2020年4月9日木曜日

ここで住んでいくために

 雪景色に戻った北見市から、今日は湧別町へ。町商工会や漁協・農協などへ、新型コロナウイルスの影響をうかがいました。

 湧別町といえばチューリップ。これからの季節は五鹿山公園まつりやチューリップフェア、そして4000人もの参加があるサロマ湖100kmマラソン(スタートは湧別町なのです)など春のイベントが続き、町も活気づく時期になります。ところが五鹿山公園まつりは延期になるなど、不透明な状況が続いています。

 「飲食店に影響が出ているので、出前やテイクアウトをおこなう店をまとめたチラシをつくりました」と、町商工会の髙桑誠事務局長さん。営利目的のチラシは町「かわら版」(広報)にはいっしょに配布しないことになっていますが、今回は町も協力して折り込みや掲示をしているそうです。

 町としても、据え置き期間を長くした融資の拡充策などを4月1日から実施しているほか、食事券なども検討されているようです。このような公的機関の努力とともに「地域のことをよく知っている金融機関が窓口になって、実態に見合う手厚い支援ができるようにしてほしい」との話もうかがいました。

 湧別漁協では石本武男組合長・雲津幸治常務が応対してくださいました。有数のホタテ産地である湧別は、先日の常呂と同様に石巻市とも連携があることでも話が弾みましたが、ホタテの流通に関してはリアルな話に。輸出先である中国・韓国で少しずつ需要は出てくる感じがあるものの、このままでは冷凍倉庫がいっぱいになってしまいます。国内消費も厳しいなかで価格は下落傾向ですが、それでも流通させていかなければなりません。

 「ここで生まれ、ここに住んで、次の人がやりたいならやれる湧別を残していかなければ」とは石本組合長。雲津常務からも、漁協が役割を果たすことで地域社会の維持につながっている話もうかがいました。海の恵みは自然ともたらされたものでなく、漁業者と漁協が力をあわせて積み上げているものなのです。しっかりと国会へ反映させたい。

 湧別農協は明日が総会という忙しいなか、服部智紀管理課長が応対してくださいました。酪農が主体の湧別農協で、学校給食も再開されていて当面の心配はないものの感染予防はしっかりしなければと服部さん。改定された畜安法の影響なども含めてうかがいました。

 今日は北海道でも18人、東京でも180人を超える感染が確認されました。あらためて各地の影響を聞くたびに、政治が力を発揮するときだと痛感します。医療や介護などの現場を支えること、自粛を求めるなら十分な補償をすることなど、その規模とスピードが求められています。しっかり取り組みたい。

 【今日の句】この雪が 今季の最後と 思うけど

2020年4月8日水曜日

地域の努力を後押しして

 新型コロナウイルスからの打撃に対して、くらしや商売を守ろうと努力が広がっています。小清水町ではテイクアウトに2割補助、報道によれば留萌振興局で9飲食店による合同弁当販売も。きめ細かい支援を、政治の側で支える必要があります。

 今日、足を運んだのは小清水町商工会。宴会などのキャンセルで窮状に陥っている飲食店を支えるため、町といっしょに具体化したのが弁当や総菜、オードブルなどをテイクアウト・出前した際の2割補助。1000円のオードブルが800円で買えるということです。期間は先月26日から今月末まで。

 「売上減少は深刻です。少しでも力になれることはないかと考えていました」と長谷川恭司事務局長さん。実際に参加しているお店で話を聞くと「お彼岸の会席もできなかったなかで、このような取り組みがあるのはいいことですね」とのこと。どれだけの利用があるかの集計は月末を待ってとなりますが、少しでも支えになっていればと願うばかりです。

 新型コロナウイルスとは別に、シロシストセンチュウの影響について農家の話も聞きました。すでに発生した地域では、3年間の取り組み結果を受けて移動制限などが解除されたものの、新たに発生した地域も出てきています。別の品種を植えたり、農機具の洗浄などの手間も生まれます。かかる経費などへの支援が必要です。

 日本で発生した初めてのシロシスト事例だったこともあり、私が現職だったときにも取り上げ、農水省の職員も現場へ足を運んでくれていました。この間の取り組みの蓄積もあるでしょうし、農家に待たれている抵抗性品種の開発・普及も進んできているのなら、科学的知見にもとづきながら現場の要望に応えられる具体化を急いでほしい。ご自身も農家である工藤孝一町議が同行してくれました。

 続いて常呂漁協へ菊池豪一・桜井由美子の両市議とうかがいました。髙桑康文組合長・吉田恭専務が応対してくださいました。ちょうどカニ漁も始まったばかりでしたが、主力であるホタテの外国需要が減っているため輸出も減っており、冷凍倉庫にいっぱいだと言います。「国内でホタテを食べてほしいです」との話が重く響きます。

 人手のことも含めて「SARSやMARSも経験したが、これほど浜までひたひたと影響が押し寄せてきたのは初めてです」と髙桑組合長さん。水産加工は地域の応援がないと成り立たないし、派遣で来られる方の確保にも不安がつのります。外国人技能実習生についても話題になりました。

 余談ですが私が石巻市出身ということもあって、カキの稚貝を渡波や鳴瀬から受けていることも触れられて、話もはずみました。北海道各地で大事な基幹産業である第一次産業に、しっかり目を配っていきたいです。

 北見工業大学にも足を運び、講義が5月の連休後となっている影響などをうかがいました。とはいえスムーズに大学生活に入れるよう「学生には、4月15日までには北見市に来てもらえるよう連絡しています」とのこと。学生のもつネットワーク環境も調べながら、5月までの間はオンライン・オンデマンドでの講義も検討しているとのことです。

 学内での感染防止とともに、在学生では家計急変、卒業生は内定取り消しなどないかと心配にもなります。そのような相談は今のところ聞いていないとのこと。授業料免除については文科省も柔軟な対応を通知しているので、大学としても学生向けへの周知には力を注ぎますと話されていました。学べない学生が出ないようにと、力を合わせたいです。

 【今日の句】1つでも 前進のため 足運ぶ

2020年4月7日火曜日

スピード感もって

 雪のなか上川町議選挙が告示。命とくらしを守り、農林業・観光業を支える日本共産党・溝口久男候補は3期目への挑戦です。何としても再選を!と、私も応援に駆けつけました。

 上川高校を卒業後、農業に従事してきた溝口候補。この50年間は外国からの農産物輸入にも苦しめられながら、町内の農家と手をつないで営農を励まし合ってきました。議員になってからは2期8年間で、木質バイオマスの活用・普及、国民健康保険税の資産割廃止による減税、高校までの医療費無料化、防災無線の設置など、まさに町民の広い要求実現に力を尽くしてきました。

 町民に寄り添って、町民とともに町づくりを進めてきた溝口さんの議席は絶対に必要です。観光地・層雲峡では新型コロナウイルスの影響もあり、休業しているホテルもあるとのこと。「国や道への要請はもちろん、町独自の支援を」と溝口候補は訴えました。2名はみ出しという激戦で、私からも「何としても再び議会で働かせてください」と支援をお願いしました。

 雪の上川町を離れ、向かった先の北見市はビックリするような暖かさ。しかし、クラスターも見つかったことから警戒感は強く、中小・零細事業所などへの影響も甚大です。菊池豪一・桜井由美子の両市議と、地元宿泊業者や飲食関係のお店へ聞き取りにまわりました。

 「3月は宴会などのキャンセルで、売り上げは前年比9割減」「あるホテルパートの知人が『休業を言われてる間、仕事を手伝わせてもらえないか』との相談があった」「ヨーロッパの服が入らなくなりアパレル業界も大変」など、この1ヵ月どころか1週間を乗り切れるかというほどの切実な実態をうかがいました。

 「とにかくスピード感をもって支援してほしい」とは、ある飲食店長さん。「具体的なことが、まったく伝わってこない。国民へわかるような説明を」とは、ある宿泊関係業者さん。安倍首相の今夜の会見を、どのように聞かれたでしょうか。政治は本気で中小・零細業者を守る気があるのかと、厳しい目で(私たちも含めて)見られています。しっかり国会へも反映していきたい。

 夕方のうちに網走市へ着き、松浦敏司・村椿敏章の両市議と街頭から活動報告。学生アパート付近でもマイクを握り、親御さんの家計急変や、みずからもアルバイトができずに生活や学業に影響が出ている方は遠慮なくご相談ください、と呼びかけました。全国の例からも、学生さん自身が感染に心配をされているかもしれません。

 網走市では老舗料理店も破産しただけに、市民の心配もひときわです。緊急事態宣言を出して終わりではなく、日本のすみずみに支援が届いているという実感が持てるよう、政府は力を尽くす必要があります。自粛を求めるなら補償とセットで、そして医療や介護・福祉の現場を力を込めて支えることを。しっかり北海道でも役割を果たしたいです。

 【今日の句】緊急に 見合った速さの 支援こそ

2020年4月6日月曜日

懸命な現場の支援を早く

 7都府県を対象に緊急事態発言が発令される見込みです。措置の内容などが明確に説明されるとともに、いよいよ本格的な補償が必要です。すでに窮状が広がっているもとで、待ったなしです。

 北海道は対象外とはいえ、医療や介護・福祉の現場では「感染者を出さない」ための懸命な努力が続いています。対象の都府県はもとより、全国の命を守る最前線の現場を支える財政措置を望みます。米国からの武器爆買いや不要不急の大型開発なども、この際に見直すべきではないでしょうか。

 今日は北海道生活と健康を守る会への聞き取りに。誰もが安心して医療にかかれるように、国民健康保険は北見市のように短期保険証を資格証世帯へ届けるべき。岩見沢市では独自に傷病手当の対象ともしています。守る会としても道や市への要請もおこなってきました。

 障害者施設でも利用者の減少にともなう収入減少を国が補償しなければ、施設として成り立っていきません。こういう瀬戸際の状況が各地に広がっているなか、だからこそ補償を本格的におこなう必要があります。

 北海道腎臓病患者連絡協議会へも足を運びました。いま道内には16,000人ほどの透析患者がいますが、外出を自粛されても透析を受けに行かなければ命にかかわります。とはいえ外出となれば感染リスクも心配で、公共交通機関を使うことをためらったりしている例もうかがいました。まずはマスクや消毒液を供給してほしいとの訴えは切実です。

 道腎協としても情報を集め、HPを通じてなどの発信にも心を砕いているそうです。各分野・各団体などで自分たちに引き寄せて発信された情報は、一般的な政府広報よりも身近に感じて受け止められていると思います。もちろん政府広報も必要ですが、社会全体で情報を共有していくうえでは、このような団体の発信も欠かせないと実感しました。

 その役割は政党にも求められていると思います。定例の街頭宣伝でも党の考えや立場を伝えるとともに、必要な情報を整理して発信することに私も気をつけているつもりです。「しんぶん赤旗」でも、引き続き新型コロナウイルスに関して「Q&A形式」で報道する予定ですので、合わせてご覧いただければと思います。

 明日から上川町議選挙が始まるにあたり、今夜は旭川市に宿泊。駅に着いて、ずいぶん人出が少なくなっていると肌で実感しました。急いで補償を!

 【今日の句】窮状に 応える政治 待ったなし

2020年4月5日日曜日

困難を乗り越えて

 嬉しいお届け物が事務所にありました。現職のときにも国会の参考人質疑でお世話になった岡山大学名誉教授・小松泰信さんの著書「共産党入党宣言」! インターネット番組「とことん共産党」の書き起こしや、1月の党大会あいさつや当日の様子などもまとめられていて、あっという間に読むことができます。

 書きすぎない程度に紹介すると、河上肇・ピカソから小松先生のお母さままでの話にはホロリとします。あとはぜひお買い求めのうえ、お読みください。日本共産党のことも小松流に解きほぐしてくれて、新たな角度で党のことを発見できるかもしれません。

 小松先生からは国会でも、北海道で講演をしてくださった時も、先日の党大会でも、あたたかい激励をいただきました。何だか適当そうでありながら適当でない、土に根付いたという言葉がぴったり来る熱い思いを何度も聞くことができたのは、私にとっても大きな財産です。

 こうやって立場のある方が入党したことを語るなんて、大げさかもしれませんが、時代も日本共産党も変わってきたんだと実感しました。私が入党した当時は、東欧や旧ソ連が崩壊したばかりで「日本共産党など時代遅れ」という社会的雰囲気が満ち満ちていた時代。選挙も負け続けで、勝てる時代など来るんだろうかと何度思ったことか。

 しかし、このような苦しい時を乗り越えた党員や後援会員・支持者の力があったからこそ、今の党活動があるわけです。さらに言えば、戦争という最も困難な時代に党の旗を守った先輩がいたからこそ、いま私たちが誇りをもって活動することもできます。地に足をつけた活動の大切さも、多くの先輩党員から学んでもきました。

 このような思いをもっている党員にも、最近になって日本共産党のことを知ったという方にも、元気が湧いてくる小松先生の「共産党入党宣言」です。重ねてですが、ぜひお読みください。

 【今日の句】魂の連鎖が 背中また押して