後志管内は泊原発(泊村)を抱え、核ごみ最終処分につながりうる「文献調査」が寿都町・神恵内村で進められてきました。報告書も出されるにあたって、あらためて現状や課題を整理し、さらに世論を広げていこうと企画したのが今日のシンポです。
岩渕議員の基調報告は、福島第一原発事故の被害の実態から始まりました。今なお大きな被害や傷跡が残り、故郷に帰れない「異質の危険」を抱えるのが原発だと再認識です。加えて能登地震での地殻変動を見れば、地震国・日本で原発を稼働していいのかとの提起も、あらためて重く受け止めなければと痛感です。
それなのに岸田政権での「原発回帰」、科学的特性マップなど関係なしの「核ごみ」文献調査など、財界・電力会社の「原発ありき・再稼働ありき」という意を受けた自民党政治。岩渕議員からは「核ごみは受け入れようとしている自治体だけの問題ではない」と、広く声を上げていこうとの呼びかけもありました。
丸山道議は、この間の道議会質問を紹介。避難計画は自治体まかせ、原発の安全性は国まかせで、道が責任逃れのようなことではいけないと指摘しました。前の高橋知事もそうでしたが、鈴木知事も政府の顔色をうかがうようでは、道民は報われません。
3人がパネラーを引き受けてくださり、三木信香さん(核のゴミのない寿都を!町民の会共同代表)は、先月から始まった勉強会の様子や近隣町村で懇談してきたことや、これまでの苦労も語られました。今も続く町民の分断を前に、それでも「寿都の自然も食べ物も次の世代に残したい」との思いを話された三木さんに、大きな拍手が寄せられました。
小田清さん(北海学園大学名誉教授)は、原発・核ごみに依存しない岩宇・寿都地域の地域資源を活かした地域づくりを提言。「諸悪の根源は原発があるから」とズバリ語った小田さんは、地域外に出ていくエネルギー代金などを節約や地域循環で、地域の支えになるのではと展望を語られました。
大田勤さん(岩内町議)は、実効性が問われる避難計画や放射線防護施設、立地町村における国の事業を通じた補助金の流れを報告。町議で泊原発構内へ視察に行き、さまざまな工事のもと「作っては壊し、作っては壊し」のくり返しという現状だったと述べました。
「住民も知らない工事が原発で行われている。しっかり議会も傍聴していかないと」(泊村)、「国会で今こそ原発推進の検証を」(倶知安町)など参加された方からの発言が続き、国も地域も原発頼みから早く抜け出そうとの、熱い思いが交流されました。やればできるはずです。
何より自民党政治の転換が必要です。私も同じ思いでがんばりたい。
【今日の句】この町を このまま次に つなぎたい