2023年11月25日土曜日

牛も酪農家も、ゆとりがもてる農政に

 標茶町にて「酪農の未来を語るつどい」。若い酪農家さんも参加され、現状の課題や「マイペース酪農」実践などを語りあいました。飼料高騰・子牛価格暴落などで厳しい経営が続くなか、生産費の不足分を国が補てんする仕組みの充実が必要と痛感です。

 紙智子参議院議員が国会の状況と、日本共産党の取り組みを報告。地元の標茶町から深見迪・渡邊定之の両町議、厚岸町・石沢由紀子町議、弟子屈町・小川義雄町議らも参加されました。渡邉さんは現役の酪農家、石沢さんも昨年まで現役(後継者に経営委譲)でした。

 「マイペース酪農」とは、道東地方を中心に始めた循環型酪農です。牧草主体の昼夜放牧で1ヘクタールに乳牛1頭の規模で飼育するため、頭数は多くはありません。糞尿は堆肥にして土壌に還元し、化学肥料や大きな機械の導入を減らすことができます。循環型の生態系を活かした飼い方で、酪農家の生活にもゆとりが生まれます。

 その「マイペース酪農交流会」が今年、日韓国際環境賞を受賞しました。環境保全と生産の両立につながる点が評価されたようですが、輸入飼料や大型機械に頼らない分、経営もしっかり成り立ってもいるのです。「マイペースで続けてきて30年。こんなふうに評価されると思わなかった」と、今日も喜びの発言がありました。

 一方で、酪農家の厳しい現状についても次々と。「来年までに3戸がやめると言っている。うちの農協管内では過去最少戸数になってしまう」「大規模農家がやめてしまい、その農地などを引き継げる人がいない」のほか、「住宅価格が上がってしまい、建てるなら今だと決断したけど、先の見通しが明るいわけではない」と後継者ならではの悩みも出されました。

 道内では10年前にも年間200戸ペースで離農・離脱が相次ぎ、TPP交渉を前に酪農危機という状況がありました。競争力強化を名目に国が始めた「畜産クラスター事業」で、新たな機械や牛舎を導入した農家が、今その返済に苦しんでいます。1000万円単位の負債です。

 かつての食管制度の廃止や、酪農での不足払い制度も現行の補給金制度へと変えられてしまいました。食料の安定供給を国が放棄し、市場経済に農業を放り込み、農家には自己責任が押しつけられました。欧米が手厚い価格保障・所得補償を進めて食料自給率を引き上げたのと、まったく反対の農業政策が進められました。その結果が、今の酪農危機なのです。

 「農家が生活できる仕組みを国がつくって」「買い取りの保障を」「日本は種までもが外国依存。命の大元がどうなっているかを、もっと発信していきたい」と、出された要望や熱い思いをしっかり反映していきたい。酪農の喜びを、もっと広げてもいかないと。

 さかのぼれば米国から余剰農産物を押しつけられてきたのが発端ですから、その大元から変えようと訴える日本共産党ががんばらねばと、決意も新たにしました。

 【今日の句】食料の 外国依存を もうやめよう

2023年11月24日金曜日

町の歴史を学びながら

 風雪が強まっている道内各地。運転・停電などお気をつけください。明朝の雪かきが必要な地域もあるでしょうし、そういう日の新聞配達には感謝しかありません。雪国にとっては厳しい季節の始まりですね。

 明日は標茶町で、紙智子参議院議員と「酪農の未来を語るつどい」をおこないます。先だって私は釧路市・鶴居村で、入党の訴えや街頭宣伝へ。村上和繁・党釧根地区委員長(釧路市議)が、案内してくださいました。

 冬らしい太陽高度で、斜めからの陽射しがまぶしい。思いのほか暖かく、宣伝の声が聞こえて出てきてくれたという方も。「今度はがんばってね」との激励もいただきました。

 入党の訴えに訪れた後援会員さん宅には、ちょうど仕事が休みだったという若いご夫婦も。日本製紙釧路工場に勤めていたそうで、一昨年の廃止以降、従業員は各地へ配転となっています。

 その釧路工場は、火力発電所による電力供給を続けています。跡地は商業地として活用される予定もあります。私が住んでいた25年前と比べて、駅前をはじめ釧路市の街はずいぶんと変わってしまいました。

 石炭・パルプと漁業で栄えた釧路市の歴史。これからの街づくりには、農林漁業・食品加工や観光関連業などへの支援も欠かせません。明日のつどいも含め現地の状況をしっかり学んで、国政にも反映していきたい。

 【今日の句】雪国の 厳しき先に 春がある

2023年11月23日木曜日

くらしと地域に密着した力

 先日、衆議院北海道3区に伊藤りち子・元札幌市議が立候補することを発表しました。市議団長を務めた実力が国政で生かされれば、くらし・人権・平和を必ず前へ進めることができます。私もいっしょにがんばります。

 保育士から政治の世界へ進んだ伊藤さんは、命の大切さを何度も訴えてきました。「戦死した伯父の骨は遺骨箱に入っておらず、入っていたのは1つの石ころだった」と聞き、命を奪う戦争は絶対にくりかえしてはならないと、日本共産党に入党されたのでした。

 政府交渉では、公営住宅の入居者の声をリアルに紹介し、国としての役割発揮をと求めました。いつも生活相談を受けてきた伊藤さんならではの、説得力でした。1人ひとりが大切にされる国へ変えるうえで、必ず力になれる伊藤さんなのです。

 北海道では、おぎう和敏(6区)・たつの広志(9区)両予定候補が、くらしと地域に密着した活動を続けています。先月の政府要請でも、現場の実態を詳しく反映されました。日本共産党の議席が増えれば、間違いなく国民の声が政治に活かされます。

 「市民と野党の共闘」は、確かな成果をあげてきました。さらに発展させるためには、野党が力をあわせて「共闘の大義」「新しい政治の魅力」などを語って共闘攻撃をはね返すことと、共闘を進める力となる日本共産党の前進がどうしても必要です。党大会の決議案では以下のように記しています。

 「『市民と野党の共闘』は、共闘攻撃によって重大な困難が持ち込まれているが、共闘の再構築のために可能な努力を行う。同時に、日本共産党の躍進こそ、共闘の再構築にとっても最大の力となることを訴えぬく」

 北海道でも比例議席の回復、そして小選挙区でも躍進・勝利にと、私も力を尽くします。

 先日、札幌市中央区での語るつどいに参加された方が入党されました。長く日本共産党を応援してくださったのですが、入党を呼びかけられたのは初めてだったそうです。自分が自分らしく生きることと、党員として社会をより良いものに変えていくことが結びついたとのことでした。

 明日から道東地方へ。仲間を増やして、変化のうねりを広げていきたい。

 【今日の句】戦争を 止める力は 共産党