2021年3月13日土曜日

そもそもの理解を

 ラポロアイヌネイション(旧浦幌アイヌ協会)との懇談で、紙智子参議院議員と浦幌町へ。昨日にアイヌ民族を傷つけるテレビ放送があったばかりで、紙議員もあいさつのなかで、侮辱に当たると編集段階でチェックされなかったのかと厳しく述べられました。あの表現は長くアイヌ民族を侮蔑する時に使われてきたのです。

 この問題に直接は触れないまでも、意見交換のなかでは「新法はできたけど、国自体は親身になっていない気がします。そもそもがわかっていない」との話がありました。和人との同化が強いられ、文化や言語が奪われ、長く差別や侮辱も受けてきたアイヌ民族の歴史。米国では諸問題が起きたときに、政府みずからが正していく役割も果たしているのにとの話もありました。「そもそも」の意味は、とても重いのです。

 新法ができても、自治体ごとに施策の濃淡があります。文化を大事にすることは誰も否定しないものの、貴重な祭具の保管場所を整備することだったり、交流や文化の継承という点では拠点づくりが必要なこともよくわかりました。町議会議員を務めた差間さんは漁業権での訴訟を通じて、先住権についての議論を進めたいとも語りました。まだまだ日本は国際水準に追いついていないと再認識です。

 さっそく学んだ中身を街頭宣伝でも触れました。アイヌ当事者だけが声をあげるのでなく、日本共産党もさらに取り組みを強めなければ。差別や侮辱をなくしていくためには歴史を学ぶ機会を広げるとともに、社会に向けてもくりかえし発信していかなければなりません。もちろん政治家が差別を助長するような発言をするなど論外です。

 今日は浦幌町の前後で、士幌町と清水町での「つどい」や街頭宣伝にも私は取り組みました。それぞれの町の移動だけでも1時間以上かかるほどで、事故なく運転してくれたスタッフには感謝です。士幌町では若い党員のみなさん、清水町ではベテランの党員のみなさんが駆けつけてくれて心強い。率直な意見交換や日本共産党への要望も出されて、しっかり受け止めてがんばることを約束しました。士幌町では清水秀雄町議、清水町では中河つる子町議にお世話になりました。

 清水町は2016年の台風でペケレベツ川が氾濫するなど大きな被害が出て、昨年ようやく最後の橋が改修されて開通できたと中河町議から紹介されました。私も被災直後の現場へ駆けつけて、自然の力の大きさに、ただただ驚くばかりでした。町づくり1つとっても課題は多く、さらに力を尽くしていきたいです。

 【今日の句】誠実に 歴史を学び 向き合って

2021年3月12日金曜日

まわって学ぶことの大切さ

 陽射しを暖かく感じた今日の十勝管内。豊頃町・池田町・音更町にて懇談や街頭宣伝に取り組みました。空を見ても大地を見ても、広い十勝を実感です。豊頃町では岩井明町議、また各町にて佐々木とし子元帯広市議が同行してくださいました。

 町民なら手を止めた場所から乗車できるコミュニティバスが走り、地元産食材を使った「ふるさと給食」も小中学校で提供されている豊頃町。子ども医療費無料も満18歳まで無料なのです。各自治体の特色を生かした町づくりを進めるためには国による権限や財源移譲も課題の1つになっていますが、JA豊頃町・山口良一組合長は「もっと国は各町に任せたらいいのに」とズバリ。懇談は農業の課題もありましたが、多くの時間を割いたのはコロナ禍での社会のあり方でした。

 「一部の人が(富を)独占している一方で、ひとり親で特に女性、非正規雇用などで働く人は生活が苦しくなっているではありませんか」との言葉は、まったく同感。みずから持論と仰った国会議員の削減などでは意見が分かれましたが、日本の針路を大きな方向では見直すべきという点では一致したと思いました。いろんな意見を率直に交わしつつ、一致点で合意して社会を前に進めることに、さらに党としても取り組まなければと思いました。

 街頭宣伝では天気も良かったからか外で話を聞いてくださる方もいて、駆け寄ると「がんばってね」との激励もいただきありがたい。思わずマイクを握る手も本番さながらに力も入ります。音更町では予定のなかった街頭宣伝にも取り組み、そこでも足を止めて最後まで演説を聞いてくださる方の姿もありました。後援会員さんとの「つどい」でも「ずっと共産党を応援してきました」と熱い激励も。とても励まされました。

 前後しますが池田町では、十勝いけだ地域医療センターを訪れました。プライマリケアを柱にした地域医療を実践され、訪問看護は豊頃町や浦幌町までカバーしているといいます。看護師さんの負担も大きいと思うのですが、地域医療を担うための献身的な取り組みには頭が下がる思いです。

 髙橋功事務部長さんは懇談の後に、透析室を(中には入らず廊下からですが)案内もしてくださいました。「本当なら(同じ建物にある)老人保健施設などもご案内したいのですが、ご家族も面会できない状況なので」とのお話しでしたが、そのような言葉の端々からもプライマリケアの精神が伝わってきました。透析だってコロナ感染で病院閉鎖となれば命にかかわるところですので、それでも懸命な取り組みをされていることを紹介してくださっただけでもありがたいのです。

 明日は紙智子参議院議員も十勝入りして、浦幌町ではいっしょにラポロアイヌネイションとの懇談もおこないます。士幌町や清水町もまわることにしていて、移動だけでも本州では想像できない距離なのですが、しっかり学びたいです。

 【今日の句】この広さ この温もりを 政治にも

2021年3月11日木曜日

何年経とうが

 東日本大震災・東電福島第一原発事故から10年。あらためてお悔やみとお見舞いを申し上げます。石巻市に住む両親らと連絡が取れなくなり、被害や原発事故の状況が報道されるたびに心が押しつぶされそうになったことを鮮明に覚えています。

 時間のうえでは10年という節目でも、当事者にとっての苦難は続いています。生活や仕事など直接の苦難とともに、精神的な負担を抱えている方もいます。節目の日だから報道が多くなるのは仕方ないといえ、本当は継続した支援や連帯が必要だと思うのです。先月の福島県沖地震が起きた時にも、同じように感じました。

 ともかくも今日は鎮魂と連帯の1日。街頭宣伝や市民集会で私もマイクを握り、その思いを述べました。黙とうの間に頭を巡ったのは、やっぱり10年前の風景でした。故郷の石巻市、ボランティアに入った気仙沼市、議員になってから視察でまわった陸前高田市‥‥時間の経過とともに被災の実相が見えにくくなるからこそ、より意識的にならなければならないです。北海道でも胆振東部地震から、まだ2年半しか経っていません。しっかり北海道でも力を発揮していきたい。

 事故が続いている福島第一原発の現状を見れば、再稼働を推進する政府・電力各社の姿勢を変えなければなりません。放射能への考え方をめぐって家族や地域にも分断が起こり、補償のあり方をめぐっても分断が起こり、割り切れるような結論が出ないこともあるし、そのリアルな話を聞くたびに心が痛みました。農地を汚された農家や、漁に出られない漁師の心からの怒りの声を受けて、いっしょに国会で要請した時も、どれだけ自分は現場のことを知っているのだろうかと自問自答の日々でした。

 双葉町の住職・早川篤雄さんが、お寺や自宅を案内してくださったことがありました。大地震で家の中はぐちゃぐちゃになり、片付ける間もなく避難をし、その間にイノシシなどの動物に家が荒らされ、どれだけ除染もできるのか-ー早川さんも心が折れることもあったでしょうが、それでも損害賠償の請求訴訟に立ち上がったのです。町に残る方も、町を出ると決めた方も、どの決断も政治が支えぬかなければなりません。原発ゼロは、その大前提であるはずです。

 決意も新たに、私も力をあわせていきます。

 【今日の句】少しでも 役に立てれば 日々思い

2021年3月10日水曜日

農業用ハウス倒壊への支援を

 伊藤りち子3区予定候補(比例重複)と朝に宣伝をしていたら、どんどん強まる風雪。札幌市内では断熱防水材がマンションではがれるなどもありました。まだ春は遠いですね。

 今月2日の豪雪で、富良野市などを含むJAふらの管内で農業用ビニールハウス362棟(7日時点)が倒壊するなどの被害が出ました。迅速な支援の実施を求める要望を、道農政事務所へおこないました。現地から来られなかったものの、米沢義英上富良野町議・佐藤和三前中富良野町議との連名による要請です。

 要請項目は、▼除排雪やハウス修繕、撤去や新設などにともなう人的・財政的支援を急ぐこと、▼国の既存事業の柔軟な運用をはかり、農協や自治体などと連携を強め、農家の経営支援をきめ細かく進めること-ーで、具体的には私から「経営を支えるためにも共済の早期支払いを求める声があります」など、紹介しながら要請しました。

 この時の豪雪被害は厚真町や夕張市でも起きていて、対応してくださった岩井章広企画調整室長からは「東北地方などで昨年12月に豪雪被害があり、その時の対策を今回も実施します」と表明がありました。この対策は、共済金等の早期支払い、被災ハウスを災害廃棄物として処理する際の支援、既存事業を使った形での新規ハウス導入への助成などが盛り込まれています。すでに関係機関への周知も始まっているとのこと。

 私からは重ねて力の発揮を求めつつ、3年前に日高管内を襲った豪雪被害について触れました。雪の少ない日高管内でよもやの豪雪により、ハウスが倒壊した新規就農者の心が折れかねない状況になっていました。農協や自治体職員、ボランティアも駆けつけて除排雪が進み、国などの支援制度によって持ちこたえることができたのです。その時も現地に駆けつけて、実態にもとづく要請をおこなっていました。

 収穫間近の災害もつらいものですが、作付けなど時期が決まっているときの災害も、1年間を棒に振ることとなってしまうだけに相当つらい。予測がつかない事態があるからこそ、欧州では価格保障・所得補償を厚くして農家経営を支えています。日本では共済や収入保険の制度があるとはいえ、掛け金の高さやカバー率などが課題になっています。

 食は命の源、農業は地域経済の柱です。しっかり支える政治へと、私も力を尽くしたい。

 【今日の句】数々の 支えで私も 生きている

2021年3月9日火曜日

北海道でも心ひとつに

 道憲法共同センターと道原水協が定例で取り組んでいる「9の日」宣伝。まだまだ春には遠いものの、気温がプラスになるだけでホッとします。署名に応じる方も多く、この1筆1筆こそ世界を動かしてきた力だと、私からも訴えました。

 北海道2区補選と同じく4月にたたかわれる長野県参院補選では、野党統一候補の政策協定に「核兵器禁止条約を批准」と盛り込まれました。北海道でも同じような旗印をもって選挙をたたかいたいし、そのためには政党間の協議も真剣に、そして世論を高めなければ。実現へ一歩手前の状態で、試されているのは野党の本気度です。

 この条約を採択した国連会議の場で、広島市出身の被爆者・サーロー節子さんは、日本共産党代表団に次のように語ったそうです。「我々は日本政府に裏切られ、見捨てられた。あなたたちが政府を変えてください」。これは日本共産党だけでなく、批准を願うすべての国民と政党に向けての願いだと思いました。北海道でも心ひとつに取り組みたい。

 ところで今日の「しんぶん赤旗」に、東日本大震災で犠牲になった及川一郎・陸前高田市議のお連れ合いである政子さんの話が掲載されています。亡くなる最後まで、津波からの避難を誘導していた及川さん。被災した住民を訪問したボランティアが欲しいものを尋ねたら「及川一郎さんを返してほしい」と言われたと、震災から10年たって初めて、政子さんも口にされました。

 読み進めるほどに、目頭が熱くなりました。政子さんの「孫のためにも、お金もうけが一番じゃなく、一人ひとりの命が大切に守られる世の中にしてほしい」との言葉も、重く心に響きます。それだけのことを自分ができているか-ーみずからに問い続ける1日でした。

 【今日の句】穏やかな 天気も政治も 願うけど

2021年3月8日月曜日

ジェンダー平等は365日の課題

 今日は国際女性デー。ジェンダーギャップ指数で121位と遅れた日本でこそ、どの性をも問わずに正面から向き合うことを確認しあいたい。今日という日を契機にしつつ、本来は365日いつでも問われ続けるべきです。

 今日の「しんぶん赤旗」の紙面も特別編集になっていて、その中身を読んで日本の遅れっぷりを痛感しました。プロサッカー選手は男女とも同一賃金になったブラジル、学生などへ生理用品を無償提供しているフランスなど、国際社会は変化が始まっています。それでもインタビューでは「まだまだ」「これから」との言葉が並びます。

 日本は遅れているとはいえ、女性みずから声をあげて変化をつくってきました。休業手当の対象拡充や休校助成金の個人申請で道を開き、エッセンシャルワークは多くの女性が担っていますし、業者では所得税法56条のもと働き手として認められない問題に粘り強く声をあげてきました。問題なのは、その声を受け止めない政治の側なのです。

 日本共産党自身も私自身も、理屈のうえでも、仕事のうえでも、家庭のなかでも貫くためには自分事として受け止めなければなりません。出張はじめ政治活動を進めるうえでは家にいる時間も少ない私は、申し訳なさが先に立つことが多くあります。とはいえ社会全体の変革を進める身として、家族での話し合いを大事にして、しっかり取り組んでいきたい。

 選択的夫婦別姓を認めないよう、地方議員へ圧力をかける丸川珠代議員を男女共同参画大臣へ任命するなど、菅首相の逆行ぶりがひどすぎます。「国民のために働く」としたスローガンは、男性優位社会を維持するがために働くということなのか。総選挙でもジェンダー平等を大争点に押し上げて、確かな変化をつくっていきたい。

 【今日の句】今でこそ パンと権利と 平和をと

2021年3月7日日曜日

学問を支配するな

 道憲法共同センター総会にて連帯のあいさつをし、そのまま早稲田大学・岡田正則教授の特別報告を聞きました。岡田教授は菅首相の学術会議会員任命拒否に遭った、お一人でもあります。あらためて経過や問題点など、幅広く学ぶことができました。

 行政法が専門である岡田教授は、菅首相の任命拒否は明らかな違憲・違法であることを端的に整理。学術会議の独立性や選考権を侵害したばかりか、「名簿も見ていない」「業績も知らない」のに拒否した手続上の違法性も浮き彫りとなりました。「将棋で言えば2回も3回も詰んでいるのです」と岡田教授。まったくです。

 任命拒否の理由は何か-ー直接的には▼政権に批判的な学者の排除、▼「脅し」による学術会議の御用機関化や介入などもありますが、間接的には学術全体に対する政治的支配という観点は重要だと思いました。自然科学だけでなく人文・社会科学も「科学技術・イノベーション基本法」のもとで政策的介入が懸念されています。そうでなくとも国立大学法人化から続く予算削減で「役に立つ研究」への選択と集中も進められてきたなかで、日本は論文数などで国際社会に後れを取るようになってきたのです。基礎研究の軽視や切り捨てなど、まさに政治支配の弊害です。

 今回の拒否問題で侵害されたのは「人類社会の自由」(岡田教授)なのだと、本質的にとらえなければいけないと思いました。総務省の接待問題のように自分たちのまわりさえ潤えばそれでよし、今さえ乗り切れればそれでよしという政治が、科学をふみにじることで国民への不利益が増していくのです。はね返していくのが今度の総選挙。コロナ禍の1年でも広がった運動や社会的連帯の力とともに、私もさらにがんばりたい。

 【今日の句】学問の支配は 驕りと誤りと