2020年6月20日土曜日

数字の奥を見てこそ

 FNNと産経新聞社が合同でおこなう世論調査で、データの一部に、業務契約先による不正入力があったと発表されました。合計14回で2500サンプルというから、結構な数字です。

 世論調査には一喜一憂しないものの、世論の傾向を見るうえでは私も参考にします。国会質疑に用いられることも、しばしばです。どうして、こういう不正入力が起きたのでしょう。

 世論調査とは異なりますが、政治・行政にとって統計は大きな意味をもちます。統計をふまえて政策も立案されます。裁量労働制をめぐって厚労省のデータが不適正だったことも記憶に新しいですが、数字1つで逆の結果さえ出かねないのです。

 私自身、アンケートを統計的にまとめて有意性を証明することに修士論文で苦労した覚えがあります。恣意的に数字を使うことは、厳に戒めなければならないと学びました。

 国会の質問づくりも、どの数字を使うかはとことん考えます。自分に都合よく切り取った数字ではなく、事実を正面からとらえた数字でこそ、なのです。そして、その数字の奥にある現実に目を向けてこそ、議論や政策が生きたものになります。だからこそ現場に足を運び、実態をつかむことに汗を流したい。

 【今日の句】体調の 数字は常に 気にかかり

2020年6月19日金曜日

政治を変える分かれ道

 今日は札幌東区へ。「かけもちしていた2つの仕事とも雇い止め」という、ひとり親世帯からの相談が寄せられたと、前市議の平岡大介さんが話されていました。太田秀子市議とも「困っていることは遠慮なくご相談ください」と、呼びかけながらまわりました。

 通勤・通学やスーパー・商店街など、これまで通りの人出に戻りつつある一方で、苦境に陥っている方が必ずいます。声に出せないでいる方も、必ずいるはずです。問われているのは政治の側。これまでの支援策の規模と速度を考えれば、まだまだ行き渡っていないと見るべきです。

 今日も訪問したなかで、持病を抱える高齢の方が外出を控えているとの話がありました。リハビリも兼ねて外出してきたことさえ、今は自粛気味といいます。配食サービスも活用しているそうですが、健康不安を口にされました。同じような心配を抱えている方も多いのではないでしょうか。

 同時に、昨日の河井夫妻逮捕について「もう安倍首相はダメだ」など、みずからの身を守ることに必死な安倍政権の姿に怒りや批判の声も大きい。市民は申請書類の不備1つで生活に必要な給付金さえ手に入らない一方で、金にまみれた政治がはびこっていることは到底許されません。

 安倍首相だって「任命責任はある」と言うものの、本当に責任を感じているのなら真相解明のためにこそ責任を果たすべき。カジノ汚職疑惑で逮捕された昨年の秋元司衆議院議員も含め、3人もの自民党の現職国会議員が逮捕されているのです。「1人ひとりが襟を正すべき」など、一般論で済むような話ではないでしょう。

 身内で固めて利権をむさぼるような政治を続けるのか、国民の命と健康・雇用や業者を守る政治に変えるのか、いま私たちは転換期の真っただ中にいます。街頭から私も強調しました。政治の分かれ道にいるなかで、ひとすじに国民の苦難軽減でがんばってきた日本共産党の出番と自覚して、私も力を尽くします。

 【今日の句】居座って 彼らは苦難 聞いたのか

2020年6月18日木曜日

いつまで続ける金権選挙

 河井克行・前法相と河井案里参議院議員が、買収容疑で逮捕されました。克行氏を法相として任命し、また自民党総裁としても安倍首相の責任は重い。両氏は議員辞職すべきだし、離党届を出したことを理由に、安倍首相が説明を逃れるなど許されません。

 これまで河井夫妻だってまったく説明責任を果たさず、安倍首相もいつものごとく「任命責任は私にある」と言うばかりでした。具体性がないのです。買収疑惑の原資となった自民党本部からの多額の選挙資金についても、解明が必要です。国会は閉会したとはいえ、安倍首相出席のもとでの委員会質疑が必要ではないでしょうか。

 こういう事態が起きると、政治不信も高まります。政治へのあきらめを広げないためにも、市民と野党の共闘できれいな政治の実現を。そのためにも、日本共産党が強く大きくなることが大事です。国民の側にたったまともな政治へ、私も引き続きがんばりたい。

 東京は知事選挙が告示されました。日本共産党は宇都宮けんじ候補を支援しています。社会的に立場の弱い人の力になる、あたたかい都政へ転換するなら宇都宮さんが最適です。東京に知人・友人がいる方は、宇都宮さんのことをお知らせください。

 札幌からもエールが。経済人が参加し、経済の視点から平和を考える「グリーン九条の会」の立て看板に「宇都宮さん 期待しています」と、新たな激励の看板が立ちました。大きさは2m✕1mで、行き交う車からもハッキリと目に入ります。これまでも憲法九条や平和の大切さのみならず、消費税10%に反対する立て看板など、経済人らしいアピールがおこなわれてきました。2018年からの設置です。

 金で結びつく選挙ではなく、政策や連帯の力が発揮される選挙こそ。あらためて、都知事選での宇都宮けんじさんへのお力添えをお願いします。

 【今日の句】数々の疑惑 忘れるはずもなし

2020年6月17日水曜日

地方議会と国会の連携で

 鈴木知事宛てに、第4次となる新型コロナウイルス対策での緊急要望を党道議団(真下紀子・菊地葉子・宮川潤)とおこないました。国とともに道や市町村で、次々と具体的な対策を進める必要があります。

 今回の要望項目(概要)は以下の8つ--①医療機関の経営継続への支援、社会福祉施設への減収補償、②検査体制の拡充、③道税の減額免除対象の拡大、④雇用調整助成金の支給決定と迅速化を国に求める、⑤農林漁業の再生産が可能になる支援、⑥地域の中小観光事業者へ直接届く支援策、⑦文化芸術・エンターテインメント小規模施設への支援金支給、⑧学校での20人学級の実現--です。

 鈴木知事はじめ18道県知事が、検査体制の拡充へ緊急提言を出しています。鈴木知事も「社会活動を進めるうえで、検査をしないと対策ができない」と、今日も言及されました。こういう点では積極的に進めてほしいと述べた真下道議は、医療機関の大幅な減収に触れて「経営破たんも危惧されています。ぜひ支援を」と求めました。

 菊地道議は、道の支援金支給の遅れについて指摘。宮川道議は、医療機関の懸命な努力に道が応えるよう訴えました。私は党の「感染抑止と経済・社会活動の再開を一体にすすめるための党の提言」を手渡し、学校再開について「知事がいっせい休校を要請した際に『子どもの命を守る』と述べたのですから、20人以下学級へ道を開いてほしい」と強調しました。

 道議会は昨日に第2回定例会が始まり、これから質疑も進んでいきます。道議団とも連携して、1つ1つ実現へと力を尽くしたい。

 続けて道労働局へ、最低賃金の大幅増額と全国一律制度にすることを求める要請へ。道議団に、札幌市議団長の村上仁市議が加わりました。中央最低賃金審議会が今後ひらかれるにあたり、毎年この時期におこなっている要請です。都道府県ごとの目安の答申は7月末かとも言われています。

 要請項目(概要)は大きく3つ--①地域最低賃金を時給1000円に、さらに時給1500円へ、②ランク制を廃止して全国一律制に、③賃上げする中小企業の社会保険料事業主負担分の減免など支援を--です。引き上げ凍結を主張している経済界幹部もあると報じられていますが、最低生活の保障は憲法第25条にもとづくもので、引き上げこそ求められています。

 コロナ禍であるからこそ、とりわけ中小企業への支援は強力に進める必要があります。休業手当は6割以上と定められていますが、今の最低賃金の6割では生活など成り立ちません。そもそもの「最低生計費」の実態や考え方について、毎年のように要請もし、議論もしてきました。このような毎年の積み重ねが大事なのです。

 国会は、野党が大幅な会期延長を求めたのに政府・与党が拒み、それでも閉会中審査を定例化させることができたようです。本来は閉会などせず、新型コロナウイルス対策を機敏におこなえるよう、開いておくべきです。持続化給付金のトンネル団体、いわゆる「黒川人事」問題、河井夫妻の公選法違反疑惑、「桜を見る会」疑惑などなど、関係者と総理の説明責任が求められている問題も数多くあります。帰宅時には街頭宣伝にとりくみ、政治を動かすのは国民の声と呼びかけました。

 【今日の句】あの人は結局 疑惑こたえずに 

2020年6月16日火曜日

この不安を政府は受け止めて

 軽種馬や水産など日高管内を代表する基幹産業はじめ、新型コロナウイルスで和牛農家・花き農家も大きな打撃を受けています。嗜好品・高級品の需要が減っているもと、地域経済・地域社会に与える影響も大きくなっています。

 新ひだか町では、みついし農協・しずない農協・ひだか漁協に商工会、新冠町でも商工会と町立国保診療所へ足を運びました。新ひだか町は谷園子町議、新冠町では前町議の武藤勝圀さんが同行してくださいました。雨があがった後に光が差した太平洋や、草を食む親子の馬を眺めながらの移動は日高管内の醍醐味ですが、現実の影響を思うと、風景もなかなか心から楽しめないものです。

 みついし農協では軽種馬・和牛生産が盛んなうえ花き農家も多いだけに、この3ヵ月ほどは苦境の連続でした。若い経営者も増えてきたそうですが、見通しがたたないことへ不安も消えません。「ブライダルの時期は、花も牛肉も消費されていきます。ブライダル支援策もできないものでしょうか」との要望も、切実な実態ゆえです。持続化給付金も対象になる農家はありますが一時的で、生産者支援には今後の消費刺激策も確かに必要です。消費税減税は、こういう面からも必要だと実感しました。

 しずない農協でも、軽種馬販売ができなければ大打撃になると心配の声が寄せられました。競り市とともに、牧場に足を運んでの庭先販売も今は難しくなっています。半年ほど競り市開催が延びて、半年分の飼育代が増えても、販売価格は変わらない相場なのだそうです。負担が増えては、家族経営での生産者が苦しくなります。全国有数の馬産地だけに、何らかの手立てが必要です。

 ひだか漁協では、せっかくの春ウニの時期なのに飲食店での消費もされないため、水揚げしても市場で受け入れてもらえず、前年比で半分近く水揚げは減っています。そうでなくても生鮮類は浜値が安く、加工の際に機械化を促進したり人件費を抑制しても、浜値を引き上げることが難しいとの話は重く響きました。漁業者を支える「積み立てぷらす」は、国の負担を引き上げてほしいと各地で要望を受けますが、今日も指摘がされました。

 新ひだか町商工会は、全道で6番目に会員数の多い商工会。一次産業従事者からも融資や給付金についての相談があったそうで、それだけ根ざした活動をされてきているのだと感じました。一方で高齢の会員も多いだけに、持続化給付金のオンライン申請は本当に大変だったとのこと。申請が簡素になっても、まだまだハードルが高い実態も残されています。やっぱり現場から聞かないとわからないものだ、と再認識です。

 新冠町商工会も会員すべてに3月時点でアンケートをおこない、業種を問わず影響が出るとのことから、きめ細かい支援を続けてきました。持続化給付金は、メールアドレスをつくるところから始めるなど、具体的な相談が数十件にも及んだそうです。商工会や役場などに相談できなかった方はあきらめたかもしれないと思うと、申請を難しくしないことを次の機会に必ず生かさなければなりません。

 新冠国保診療所は特養ホームも併設し、診療所も休日・夜間でもできる限りの診療体制を取るなど、まさに地域に根ざした医療機関です。しかし、新型コロナウイルス対応で衛生資材の発注が増え、対応する人的体制も取ったことから支出は増し、一方で入院・外来とも減少したため、経営の苦しさが続いています。「赤字補てんと言われると、がんばって働いてるのに赤字なのかと言われるのもつらい」との話にはハッとしました。そもそも医療機関はもうけ優先ではないのですから、命と健康を守るための報酬が確保されることなどは当然なのだと学びました。

 平取町にも足を運び、鈴木修二町議に取次のお願いもして、平取アイヌ協会との懇談もおこないました。町としてアイヌ文化推進計画を持つ平取町は、昨年成立した「アイヌ新法」下での交付金も活用し、さまざまな施策を具体化しています。今日うかがった工芸伝承館「ウレシパ」でも木彫りの新しい工具や機器類も入り、傍らでは地域おこし協力隊員が編み物などに精を出していました。

 要望も含めた話のなかの1つに、文化や技術を学んだ後の、活かせる場づくりがありました。これまでも担い手育成事業などありましたが、全道的な規模で各地に場をつくるとなれば道としての取り組みも必要になります。若い人たちが You Tube はじめ様々な発信にも取り組んでいることや、日高山脈を含めたネイチャーセンターのような形で雇用にもつなげられないかなども話題になりました。

 駆け足でまわった1日ですが、どの懇談も中身は濃密で、しっかり国政へ反映させなければなりません。新型コロナウイルス対策は途切れることがないよう、野党会派は共同して明日、衆議院議長へ会期延長を申し入れるようです。安倍首相が追及を逃れるがための閉会など、とても認められません。

 【今日の句】足元を 大事にできる 政治こそ

2020年6月15日月曜日

路線維持へ、JR北や国は責任を果たしたか

 今日は日高管内へ。日高町村会長でもある様似町長・坂下一幸さん、浦河町長・池田拓さんから新型コロナウイルスへの対策、JR日高本線などでお話をうかがいました。様似町では鈴木隆町議、浦河町では荻野節子町議が同行してくれました。

 全国有数の軽種馬産地である日高管内ですが、昨年は11億4900万円もの販売があったサラブレッド2歳の競り市が、今年は新型コロナウイルスの影響で開催が中止となりました。この時期は春ウニ漁が盛んな地域ですが、漁業でも前年同月比で1億5900万円の減少となっています。飲食店や関連産業などでも、休業要請による影響が深刻です。

 様似町では町民1人1万円の商品券、浦河町では町単独分も含めると最大44万円になる事業者支援などが具体化され、町議会に諮られます。池田町長は「軽種馬産業での稼ぎから見れば微々たる金額だけど、町でできることを進めています」と述べ、坂下町長も「給付金10万円も町内で使われなければ支援にならないため、このような形を取りました」と話されました。

 そしてJR日高本線。あらためて出発点に戻ると、2015年1月の大型低気圧によって線路が流失し、その復旧をJR北海道がしないまま夏には台風に襲われて被災個所が増えてしまったのでした。「最初は、国や道もお金を出して直すと誰もが思っていた。国道だったら、すぐに直すでしょ」と坂下町長。JR北海道も「復旧しても赤字になる」からと責任を放棄してきました。路線維持の判断を沿線自治体に委ねるより先に、JR北海道や国・道が果たすべき責任があったはずです。

 新型コロナウイルスによって、JR北海道の経営状況も一変しました。私から「北海道新幹線が最大の赤字を抱えているもと、このまま見直すことなく続けるべきなのでしょうか」と率直に疑問も伝えました。坂下町長からは当初からJR北海道が出す試算などの裏付けや根拠について、池田町長からはポストコロナの社会像にも触れて公共交通のあり方についての指摘がされました。北海道新幹線の札幌延伸が過大な見積もりによって赤字幅が膨らみ、地方路線にツケをまわすことがないようにしなければと、あらためて痛感しました。

 両町はじめ人口減少に直面している自治体が多い北海道において、多面的な議論と手立てが必要とも、あらためて学びました。第一次産業、医療圏、公共交通網を維持しながら、定住できる環境をつくるためにと努力している自治体を国が支えるように、引き続き私も力を尽くします。

 浦河町では商工会議所も訪れ、業者の実態と支援の様子を徳田正人専務・新松智相談室長さんからうかがいました。支援を届け切ろうと町内すべての飲食店へ、会員であるかどうかを問わず職員が足を運んで支援策を伝えてまわったといいます。そこから申請の相談などにもつながり、苦境もリアルにつかまれることとなりました。こういう地に足をつけた活動こそ大事なんです。

 一方で、持続化補助金や雇用調整助成金の申請にはハードルが高いこと、道の支援金も支給に時間がかかっていることなども、あらためてうかがいました。融資を受けても返済の見通しが持てないなか、給付金の助けを待っている事業者が多くあります。支給が遅くなると、今でさえ厳しい資金繰りですから一気に経営も危機に瀕してしまいます。国も道も早い支給をするように、くりかえし求めたい。

 明日は新ひだか町・新冠町・平取町へと足を運びます。

 【今日の句】まだマスク 届かないよと 浦河で

2020年6月14日日曜日

音楽・芸術・文化あってこそ社会

 子どもを連れて散髪へ行くと、一人終わるごとにシートを消毒する店員さんの姿がありました。新型コロナウイルスによって生活や仕事の様子が一変したのだと、あらためて感じた一瞬でした。

 休業の対象とならなかった理美容関係の方から、感染の心配が以前に寄せられていました。理美容店にも休業と補償を、との声もあがっていました。人と人とが接触する仕事では、感染防止のための新たな費用負担も多くなると思われます。持続化給付金だって手元に届いていないという店舗もあるでしょうし、家賃など固定経費も重くのしかかります。

 明後日16日からは、第2回定例道議会も開かれます。その16日を締め切りにした、署名の呼びかけがネット上でおこなわれています。以前に懇談した Save the Little Sounds で、ライブハウスのみならずバーやスポーツジム、美容室なども含めて事業者全般への補償を求める署名です(こちら)。締め切りも迫っていますので、ぜひリンク先をご覧ください。

 文化なしに、人生なし。「自粛」のなかでも、音楽や芸術の力に生きる力をもらったという方もいるはずです。色も音もにおいもない人間社会では、あまりに味気ない。その国や都道府県に「幅」があるかどうかは、文化などへの支援にも表れるのではないでしょうか。まずは北海道で、早く広く支援を。

 久しぶりに下の子と公園に行くと、上手に自転車を乗り回す姿が。子どもの成長は早いと、あらためて実感です。

 【今日の句】あと数年 私もきっと 追い抜かれ