2021年5月15日土曜日

なぜ知事は目を潤ませたのか

 急きょの緊急事態宣言となった経過を報じる各紙を読んで、菅首相の投げやり姿勢と国・道・政令市の関係が浮かび上がってきたように思います。菅首相と親しいと言われる鈴木知事も、今回は根回しもなく頭越しに決まった緊急事態宣言のようです。

 今日の北海道の陽性確認者数は566人で、またもや高水準となりました。先日の緊急事態宣言に至ったことについて、秋元札幌市長は「少しタイミングを逸してしまったのは非常に残念だ」と、判断の遅さを間接的に批判しました。秋元市長の責任は免れないものの、鈴木道知事の責任も、また重い。

 昨日の知事記者会見は「目を潤ませ」と報じられています。知事自身の良心に照らしての涙ならいいのですが、懇意とされる菅首相にハシゴを外された形への失望の涙なら、向いている方向が違い過ぎる。道北の首長の1人は「道は遅い」と述べたとのこと。市民や医療従事者などとの意識の乖離こそ、今回の急展開の根本にあるのだと思うのです。

 菅首相の根拠なき楽観や無責任さと、専門家の意見に対する軽視が根本にあり、結局は道民にしわ寄せが来ている構図です。このまま国民の命を菅首相に任せられるかと、いっそう深刻に受け止めたい。北海道から声をあげていくことに、私も力を尽くします。

 今日は党道議団主催のジェンダー平等に向けた学習会。とはいえコロナ禍のためオンラインで加藤丈晴弁護士の講演や真下紀子道議の道政報告など、論戦や運動の到達点がよくわかりました。コロナ禍での支援でも、ジェンダー平等の課題でも、1人ひとりの尊厳を守ることこそ政治の役目と痛感しています。

 【今日の句】これほどに 命軽視の 政府とは

2021年5月14日金曜日

切迫さに急いで応えて

 昨夜から一転、北海道へ「緊急事態宣言」発出に菅首相は「専門家の結論だから」。科学の尊重というより、やる気のなさが伝わってきたのは私だけでしょうか。前日の判断や見通しが甘かったということを率直に認めて、「宣言」とするなら必要な検査や補償の具体化を急ぐというのが、やるべき仕事では。

 札幌だけでなく全道的に医療機関でひっ迫状態です。例えば根室管内も、病院に比して陽性患者数が多いのではないのか。道が広域的な視点で体制確保をするとともに、緊急に宿泊療養施設を確保していくことや可能なところでは訪問診療も組み合わせることが必要だと思います。医療機関をはじめとしたエッセンシャルワーカーへのPCR検査や、現場を支えるための財政支援は国が責任を持つと、ハッキリしてほしい。

 業者に「一時支援金」もつくられましたが、申請期限は今月31日までと短いし、2019年度か2020年度の1・2・3月のいずれかと比べて売り上げ50%以下という業者が対象ですから、かなりハードルも高い。これまでの時短協力金とあわせて、わかりやすく業者へ伝わり、速やかに支給される体制づくりも必要です。5/16付「しんぶん赤旗」日曜版に「一時支援金」の申請方法などの記事が出ていますので、ぜひお広げください。

 いま札幌市は区役所から保健所に職員を派遣し、体制強化をはかっています。そう考えると五輪中止の決断をして、国みずからがコロナ対策に総力をあげることこそ必要です。北海道だけ見ても「感染経路不明」が急激に増えて市中感染が明確なだけに、国民に協力を求めるのなら政府自身が施策や態度として示さなければなりません。その切迫さを思いながら菅首相の言葉を聞くと、何とも不満ばかりが募るのです。

 今日は網走市。子育て中のお母さんから子育て環境をよくするために奮闘している実態をうかがいました。「政治や社会を変えるというような、大層なことではないんですけど」との話でしたが、地域に根づいてネットワークをつくる意欲と行動力や、身のまわりで信頼を積み上げていることがすごいと実感。日本共産党への入党も前向きに考えてくださり、期待しながら待つことにしました。

 緊急事態宣言の発出にあたっての要請を、週明けに国の出先機関へおこなう準備も進んでいます。国会とも連携しつつ、道民の苦難軽減に責任を負う立場にいる者として、しっかり役割を果たしたい。

 【今日の句】責任を 負ってる総理と 見えなくて 

2021年5月13日木曜日

総理は何が最優先なのか

 北海道712人(うち札幌499人)の陽性確認。政府は医療機関の要望をすべて受けるくらいすべきだし、保健所の体制強化や、人流を抑えるというなら十分な補償など急いで具体化を! 国民の命を守ることを最優先にすべきと、もう何度書いてきたことか。

 今日は北見市へ。昨年の感染拡大初期に道内では北見市のクラスターがあり、衝撃が広がりました。短時間・少人数の「つどい」では、「デイサービスに行っても、もう五輪はできないんじゃないのとの話でもちきり」とも出されました。いったい政府はどこを見てるのかと、あきらめに似た感情があることも伝わってきました。

 しかし、打開の道筋があるのだし、国民の命がかかっている以上、あきらめるわけにはいかない。一方で、夕方に首相と関係閣僚の協議がおこなわれ、北海道への緊急事態宣言発令は見送りとなるとの報道がされました。「宣言」を出せばいいというものではないのですが、見送りにするとして理由が判然としません。菅首相のもとで、こういうことの繰り返しだったのではないでしょうか。

 説明を科学的・合理的にするとともに、ただ「宣言」「措置」だと言うだけではダメで、冒頭に書いたような見合った補償などが必要です。当面は政府へ訴え続けますが、総選挙では日本共産党の議席を回復して、国民の命を最優先とする政治に変えましょうと「つどい」では呼びかけました。こんなにも国民に対して他人事な政権は一刻も早く交代しないと、すべて国民にしわ寄せが来てしまいます。

 【今日の句】やり過ごすだけが 見えてる菅首相 

2021年5月12日水曜日

何度でも声に

 今日はナイチンゲールの誕生日を由来とする「看護の日」。しかし、自己犠牲を強いるような看護では続けることなどできず、支えるべく政治の力が求められています。当事者である看護師からも、日本共産党はじめ野党各党からも、病院の減収補てんやPCR検査等の拡充・頻回実施などを求めてきました。政府が実施するまで、何度でも声にしていかなければ。

 今日は旭川市で、少人数・短時間で語り合う「集い」へ。市議会の合間を縫って、能登谷繁・石川厚子の両市議も駆けつけてくださいました。旭川市は明日からワクチン接種の受付が始まることもあって、対象となる方からは、この点に話題が集中。旭川市では接種券が届いた方が、①かかりつけ医、②コールセンター、③ホームページで予約を申し込むほか、かかりつけ医のない方や8月以降の接種でいい方は、町内会で取りまとめて報告するようになっています。わかりやすい予約方法とともに、医療従事者の優先接種も欠かせません。国が希望観測的に、しかも大臣ごとコロコロ変わるような情報の出し方では、国民や自治体が混乱するばかりです。統一して見通しを明らかにすることも、しっかり求めていきたい。

 この間は総理記者会見や国会中継があったことから「菅首相のやる気が、まったく見えなかった」との話も各地で聞かれました。「命を守るために、早く政権交代しなくちゃね」と、しみじみ語られる方も。フラフラした政権交代では国民の期待に応えられないので、揺るがない日本共産党の議席を北海道から回復するため、まわりにも広げてほしいことを私から訴えました。

 地域で保護司をされている方もいました。役割が重い保護司ゆえ研修の機会もありますが、報酬は実費弁償ほどなので、実質的には民間ボランティア的な活動になっています。定期的な面談を通じて相手との信頼を積み重ね、社会復帰へ進むうえで大事な役割を担っているのですが、なかなか成り手がいないという現実があります。非常勤の国家公務員ということからしても、国が増員に向けた手立てを強めるべきと実感しました。

 地方公務員だったという方は「安倍首相の時から忖度が強いられるようになって、本当にひどい国になった」とズバリ。いっしょに力をあわせて政治を変えようと、くり返しくり返し私も声にしていきます。

 【今日の句】説明も ないまま総理 押しつける

2021年5月11日火曜日

五輪先にありきか

 新聞を開いた瞬間に度肝を抜かれた全面広告の「政治に殺される」という衝撃的な言葉を、政府は真摯に受け止めているか。政治にかかわる末席にいる自分にも向けられた言葉として受け止めて、苦難の声を反映させていくことに力を尽くしたい。

 今日も北海道では421人(札幌市では280人)の陽性者が確認されました。中標津町の町立病院ではコロナ専用病床が埋まりつつあります。医師や看護師が慢性的に足りない地域が多い北海道で、札幌市から玉突き的に他自治体へ患者の搬送となれば、まさに全道規模で医療機関がひっ迫してしまいます。医師会や民間病院などとの連携を強めて新たな病床確保を進めることが必要ですが、すぐにマンパワー不足は解決できません。

 どうして、こんな事態にまでなっているのか。札幌・秋元市長が8日の記者会見で次のような発言をしています。「(まん延防止措置の)適用の時期についてはいろんな意見がある。道が申請を出しても国の方で受けなかったと聞いている」。4月19日に始めた道との協議でも、道は国に配慮したとの新聞報道もあります。大型連休前の4月28日には「緊急事態宣言を出してもいいくらいの危機感」とまで、秋元市長は会見で発言していました。

 この経過と事実のとおりなら、国が札幌市への適用を控えたということではないのか。ご存じのとおり、5月5日には東京五輪マラソンのテスト大会を実施。このテスト大会より前に「措置」や「宣言」を出させない国の意向があったのなら、今の感染拡大の責めを国は認めるべきではないのか。まさに菅政権による人災です。秋元市長の責任を不問にするつもりはありませんが、国民の命や健康より五輪を優先したのであれば、本当に腹立たしい。道・鈴木知事も、同様に責任が問われます。

 同時に、目の前の国民の苦難軽減をも急がなければ。昨日懇談した道医労連は、今日は道議会の各会派をまわり、PCR検査等の拡充を要請しています。現場の要望はすべて応えるくらいの構えでこそ、政府の感染拡大防止の本気さも伝わるはず。今はまったく逆だからこそ、冒頭の「政治に殺される」というフレーズまで広がっているのです。菅首相に直接ぶつけたいくらいですが、今は北海道での活動に力を注がねば。

 お困りごとは遠慮なく、日本共産党へご連絡ください。

 【今日の句】生きようと 補償もエールも ない政府

2021年5月10日月曜日

政府は正面から受け止めて

 札幌市への「まん延防止措置」適用での影響をうかがいに、札幌中部民商や道医労連へ足を運びました。くりかえし実態を国へも発信し、苦難軽減へつないでいかなければなりません。話を聞いて、その思いを新たにしました。

 札幌中部民商はススキノ地区をはじめ、札幌中心街を範囲としています。1年前、菅官房長官(当時)との関係も強いとされる鈴木知事が全国に先駆けて緊急事態宣言を出し、当時からの業者の苦難は1年が経っても増すばかり。「まん延防止措置」以前の、札幌市での時間短縮要請は11日までと現在実行中。しかし、この時短に対する協力支援金は、まだ申請さえも始まっていません。札幌市で要綱などの準備が整っていないのです。

 「申請の準備を早くしたいのに」と富堂保則事務局長。協力金が入っても家賃など固定経費に消え、生活費だって賄わなければなりません。業者からは再度の持続化給付金を、との要望が多いとも。「がんばれると思ったところで今回も出鼻をくじかれた」「店は時短させられて、マラソンはやるのかい」など、不満や怒りの声も広がっているといいます。ススキノ地区は感染対策も強められ感染者も減ってきた中なので、今回の措置のダメージは様々な点で大きい。道や札幌市、国へと反映していくことを、私からも述べました。

 道医労連・鈴木緑委員長からも、看護師の切迫した実態をうかがいました。医療従事者として、何より自分自身の健康とともに、患者などへ感染させない使命感のもと、だからこそ定期的にPCR検査を受けられるようにしてほしいとの訴えが重い。これまでも人員不足だった医療現場で、自分がコロナ感染で抜けることにより周囲の負担が増えることも辛いのです。ここまで看護師を苦しめている大本から、本来は正さなければいけなかったはず。しかし、逆行してきたのが自公政権での社会保障抑制路線でした。

 札幌での感染が拡大していけば、周辺の自治体へと移送しなければなりません。札幌へ応援に入れば、他自治体の医療機関がひっ迫してしまいます。大阪のような陸続きの地域への支援とは違う困難さが、北海道にはあるのです。あとは宿泊療養所をさらに確保していくことが必要で、「せめて在宅で亡くなることがないようにしてほしい」との言葉が胸に響きました。医療機関が満床で入れず、在宅で急変して亡くなられる方がいる現実を、政府が正面から受け止めてほしい。

 「医療従事者の声を聞かないから混乱するのではないでしょうか」との指摘も、しっかり受け止めるべきだと思いました。五輪の選手には毎日検査をする一方で、なぜ医療従事者には検査をしないのかと苦笑交じりの懇談になりましたが、要は政府の対策は国民の命を守ることが最優先になっていないのです。政権交代まで待つわけにはいかないし、くりかえし国政へ反映していくしかありません。医療機関、宿泊療養所、訪問診療などからの、あらゆる要望にすべて応えるほど国が責任を負うべきです。

 朝の宣伝でも、明らかに連休前より出勤者数が減っているとわかりました。テレワークなど、可能な方が自宅で仕事をしているのでしょうか。声としてあげられない声も、きっとあるはずです。お困りごとは日本共産党へ、遠慮なくご相談ください。まわりで困っている方がいたら、同じく声をおかけください。

 【今日の句】テレビから 総理の本気 また見えず

2021年5月9日日曜日

菅首相は腹を固めて

 今日だけで陽性確認が全道506人(札幌327人)。一昨日に党道議団が道へ要請したように、医療機関や宿泊施設への支援や業者への補償などの拡充を急いでほしい。そもそも全国的な感染拡大なのですから、給付金など国が全面的役割を発揮すべきではないでしょうか。

 医師会と連携し、個人開業医なども含めた体制強化をはかってきた中と思います。急速な感染速度に見合った体制にするには、宿泊療養所や訪問診療も含めて、現場の求めにすべて応じるほどの国の支援が必要です。大阪で自宅療養者が亡くなっている事態を早く防ぎ、全国でも繰り返すようなことがあってはなりません。菅首相は本気で腹を固めてほしい。

 人流を止めるのなら十分な補償、雇用調整助成金や家賃給付金など、これまでの施策を全面的に再実施するべきです。罰則や自己責任ばかりを強調することより、問われているのは政府の責任です。国民の命を守る本気さが菅首相から伝わってこないと、これまで何度聞いてきたことか。もどかしい思いになります。

 こういう状況では社会的に不安定・攻撃的になり、国民同士に不満がぶつけられて分断にもつながってしまう。だから責任を政治が負わなければならないのに、どの説明も根拠や科学的な説明が足りないうえ、ワクチンについては大臣ごとに話もバラバラだから、不信感ばかりが増していくのではないでしょうか。

 緊急対策と、中長期的な対策とを、急いで政府は明らかに。その力を注ぐためにも五輪中止の決断を!

 【今日の句】国民の 命を守る 本気さを