2021年9月4日土曜日

地域目線で

 釧路市の日本製紙に続き、本別町の製糖所、岩内町の飲料工場などでも閉鎖が発表されました。働く場が失われ、地域経済にも打撃になります。北海道での産業政策・経済政策も、しっかり作っていかなければ。

 写真は、先月16日に紙の生産を終えた日本製紙釧路工場。石炭や水産とあわせ、100年を超えた釧路市の基幹産業の1つが紙製造業でした。かかわる従業員は約500人とされ、日本製紙は配置転換で雇用を守るとしていますが、釧路市を離れることは、家族がいる労働者にとって厳しい選択です。とはいえ、地元で新しい仕事を選ぶことも簡単ではありません。

 本別町では、北海道糖業が2023年3月で砂糖生産を終了します。十勝東部・南部のビート約36万トンを受け入れて約57,000トンの砂糖を製造し、町の工業出荷額の8割を占める、まさに基幹製造業。農家が困らないようビートは受け入れて、他地域の工場へとまわるようですが、ここでも常勤従業員55人の働き先が心配されます。畑作農家にとって、冬の雇用の場でもあったのです。

 後志管内・岩内町では、日本アスパラガスが来年5月末で缶飲料製造工場を閉鎖すると、今日の北海道新聞で報じられました。1924年からの歴史を持つ同社ですが、ぺットボトル需要が増えるなかで、物流にも有利な千歳市で新しい缶製造工場をつくるとしています。従業員約100人には配置転換の希望を募り、再就職もあっせんするとしています。しかし、岩内町から千歳市までは車で約2時間。豪雪などある地域で、とても通勤などできません。

 紙はデジタルへ、砂糖は敬遠されてダイエット志向へ、そして缶からペットボトルへなど、時代の流れだから仕方ないと受け止めきれません。ただでさえ人口減少が続き、産業育成のスピードが追いついていないのが現実です。企業側には雇用を守る社会的責任を果たすよう求めますが、コロナ禍という新しい状況のもと、広大な北海道でどのように働く場をつくっていくかは、これまで以上に真剣に考えなければならないのです。

 各地で「知の拠点」をもうけ、自然資源や農林漁業などを結びつけた研究開発・産業育成を進めてはどうかと、私は各地で話しています。実際に函館市では、そのようなセンター機能をもった拠点をつくっています。広大な北海道では時間がかかり大きなマイナスになる物流についても鉄路の活用や、道内消費を引き上げる支援策なども必要と考えます。コロナ禍を経験し、過度にならず持続可能な観光政策も練り上げなければと、先日のニセコ町での訪問でも学びました。

 まずは、地方を苦しめるばかりの新自由主義からの転換を。そして、専門家なども含めて地方からの発信や交流の場をつくってもいかねば。医療・介護・福祉現場での深刻な人員不足を解消するため、どの町でも若い人が住めるような施策も一体に。地域目線の政治でなければ、北海道の苦難は解消できません。

 【今日の句】おおもとの 一極集中 変えないと

2021年9月3日金曜日

車の中からVサイン

 今日も後志管内をまわっていた時に、ニュース速報が届きました。行きづまった菅首相本人のみならず、与党だった自民・公明の責任も重大です。総裁選でマスコミジャックをはかり、その勢いで総選挙となれば有利になると自民党で考えているのなら、必ずしっぺ返しにあうでしょう。問われているのは表紙のすげ替えではなく、政治の中身そのものです。

 道4区・松井真美子予定候補と、今日は倶知安町から始まり京極町・喜茂別町・留寿都村・真狩村・ニセコ町から仁木町へ。菅首相の辞意に「よかったよ」「追い詰められた結果だね」との声も、スタッフへ寄せられました。運転手さんがVサインで応えてくれたり、演説を最後まで聞いてくれた商店主さんから「がんばってね」と激励もいただきました。

 菅首相は「コロナ対策に専念するため、自民党総裁選に出ない」と述べていたようですが、昨日まで人事交代をめざすなどコロナ対策そっちのけだったのは、いったい誰だったのか。決まって「コロナ対策が最優先」と言っておきながら、臨時国会も開かず、実態や提案にも耳を貸さず、国民にガマンばかりを強いてきたのは誰だったのか。みずからの行きづまりを認めないことが、コロナ対策でも後手後手となったことにつながったのではないでしょうか。

 報道各社も、しっかり菅政権の1年間を検証するべきです。あわせて自民党総裁選の候補者や新総裁の政策の中身を厳しく問わず、「横顔」やエピソード報道に終始するようでは、「パンケーキ好きの菅首相」報道と何も変わりはありません。総選挙が控えているだけに、公平・公正な報道姿勢こそ求められています。

 問われているのは野党も同じ。しっかり政権構想を話し合い、政策協議も進めて、本気の政権交代をめざす構えができてこそ選挙協力も一気に進むはずです。日本共産党の立場は揺るがないし、北海道でも政権交代への世論を広げていきたい。あわせて日本共産党が議席を増やしてこそ、政治を変える確かな力になることも訴えていきます。

 今日のキャラバンには、倶知安・原田芳男町議、留寿都・坂庭進村議、ニセコ・高木直良町議、仁木・上村智恵子町議、余市・大物翔町議が同行していただき、各地で党員・後援会員さんも駆けつけてくださいました。この勢いで、北海道での比例議席奪還へがんばりぬきます。

 【今日の句】国民に 寄り添う政治の 幕開けに

2021年9月2日木曜日

地方へツケを押しつけるな

 自分の延命に必死な菅首相を見て、その執念を国民の命と健康を守るためにこそ向けるのが首相というものではと、つくづく思うのです。今日は道4区・松井真美子予定候補と後志管内をまわり、途中には「国会議員は何をしているんですか」との声も寄せられました。

 積丹町では松井秀紀町長、古平町では成田昭彦町長、ニセコ町では山本契太副町長が懇談してくださいました。古平町・真貝政昭町議、ニセコ町・高木直良町議が同行し、街頭宣伝やオンライン「つどい」、ニセコ地区での開発問題についての現地案内なども取り組みましたが、地域の実情を知る地方議員がいることの心強さを実感した1日でもありました。

 後志管内は国政の矛盾が噴出している地域。原発・核のゴミ、新幹線トンネル工事にともなう有害残土問題や並行在来線切り捨て、カジノ誘致にからみ道4区選出・中村衆議院議員のカネの問題もありました。

 面する海が「積丹ブルー」と呼ばれる積丹町は水産資源や観光を守る思いも強く、町議会では3月に「核抜き条例」が可決され、6月にも意見書が上がるほど「核のゴミ」受け入れを認めない町内世論となっています。町職員として水産分野も務めてきた松井町長は、その歴史的な経過も紹介してくださいました。神恵内村が受け取る文献調査の交付金の配分についても、積丹町は受け取りを辞退したのも納得の話でした。

 一方で古平町はその配分を受け取ることにしていて、成田町長から率直なところもうかがいました。昨年の町内の出生児が2人であっても、せめて学校は複式学級にしたくないこと。町立病院にしたことで住民は安心できたものの、将来的に町が病院経営を支えなければならない見通し。町の将来を悩んだ末の結論に、もちろん立場が違うことをお互いに理解しあいながら、町長さんが直面している課題に党としても力を尽くさなければと痛感しました。

 そもそも今回の交付金の配分は、配分と言いながら自治体が使い道などを示して受け取る形になっています。つまり国は「自治体が欲しいと言ったから」交付した形になるわけで、地方自治体に責任を転嫁することができるのです。国策で進めた原発のツケを、自主的に手を挙げたという形で北海道に責任をまわすのかと思うと、本当に腹立たしい。

 ニセコ町では並行在来線の話題にもなりましたが、3セク化しても地方自治体が背負えるだけの金額ではありません。それでも道から「結論を9月末まで」と迫られ、住民からの批判を受けて「年内中に」となったようですが、ここでも地方自治体が決定したとの形にされようとしています。有珠山の噴火時に貨物輸送で使えるであろう函館本線(山線)なのですから、沿線自治体だけの路線問題ではなく、道や国の問題なのです。

 あわせて開発ラッシュに沸く比羅夫地域など、高木町議の案内で見てまわりました。水道やゴミ収集、電力などエネルギー、そして除といった地方自治体で整備が迫られる問題があるだけに、現状を踏まえた乱開発への規制も検討が必要だと、現地を見て痛感しました。ニセコ町でのオンライン「つどい」でも、投資目的の開発への不安が語られました。

 夜は宿泊先のホテルから、全道農民後援会のオンラインつどい。今年の干ばつ・少雨による農作物への影響や米価下落への心配、酪農でも乳製品過剰への影響などがあることも、あらためて学びました。ヒグマやシカなどの獣害も深刻で「獣害対策での調査や政策を」などの要望も出されました。力になれるようにがんばりたい。

 【今日の句】もう首相 国民のこと そっちのけ

2021年9月1日水曜日

こういう課題こそ国会で議論を

 休校・学級閉鎖などで仕事を休まざるを得ない保護者向けの助成金制度がありますが、上限があったり個人申請がないなどの問題があります。6月に続き道労働局へと、すでに北海道では学級閉鎖が相次ぎ切実な状況となっているなか、要請をおこないました。

 昨年は全国いっせいに休校となった経過もあり、国は「小学校休業等対応助成金」制度をつくりました。しかし、この助成金も事業所が申請しないなどあり、保護者らの運動が広がるもと個人申請ができるようになりました。今年度は「両立支援等助成金」となったのですが、冒頭に書いたように使い勝手が悪いのです。上限があることで、ある事業者では何とかしたいと思いつつ、休業時の賃金保障はしていないとも聞きました。きちんと取り組んでいる事業者にとっても、切実な実態なのです。

 要請した内容は、①各助成金の上限の撤廃、②昨年の制度の復活、-ーなどです。道労働局からも「8月末までに900件を超える相談があり、うち2割は労働者や家族からです」と切実な要求であることを認め、厚労省本省からも実情などの報告が求められていたといいます。昨日の加藤官房長官の記者会見では、「休校が増える事態を想定し、個人からの申請に対応できる仕組みを検討している」とも述べられています。

 仕事を休む、その多くは母親・女性というのが実態です。医療・介護・福祉やサービス関連などに勤めている方が多く、安心して働くことも休めることも保障されなければ、コロナ対応にとどまらず、この分野での人員不足はいつまでも解消されません。休校などで子どもたちも不安を抱えるなか、制度面で支えることは国としての責務です。このような現実をふまえた対応をと、私からも重ねて要請しました。

 こういう課題こそ、臨時国会を開いて議論されるべきです。もはや菅首相や自民党の議員は、国民の苦難より総裁選で頭がいっぱいなのか。「誰なら選挙で勝てるか」ではなく、国民の声に応えていくことが、いま政治家に突きつけられているのではないのか。あらためて北海道からも声を大きくしていきたい。

 【今日の句】子育ての 国の本気さ 問われてる

2021年8月31日火曜日

逃げる総理を国民は見てる

 「コロナ対策は後手後手。野党もいいこと言ってるんだから、国会を開いて政府も受け入れたらいいのに」。札幌市清田区・豊平区をまわるなかで聞かれた声です。そもそも憲法53条にもとづいて臨時国会を開くよう野党は求めているのに、政府・与党はこれを拒否。議論から逃げている政府・与党の姿を、国民はしっかりと見ているのです。

 菅首相は来週にも、内閣改造と党役員人事の交代もおこなうと報じられました。しかし臨時国会を開かないのでは、新しい内閣としての所信を質疑する機会もないことになります。とことん国会や国民を無視し、憲法の規定にも従わず、コロナ対策も後手後手・無為無策の政治を続けさせるわけにはいかない。そのような思いでマイクを握り、訴えました。

 「絶対に国会に行ってよ。このままではダメ。しっかり私たちの立場に立ってくれる人に、国会でがんばってもらわないと」。別の訪問先で、堰を切ったように話してくれた女性の思いにも、しっかり応えねば。家庭菜園のトマト、お茶やコーヒーなど差し入れも次々いただき、この間は帰宅のときに荷物が増えているほどです。

 今日で8月も終わり、9月となれば総選挙に向けた情勢が1日1日と変わっていくことでしょう。どう政治を変えるかを羅針盤のごとく示している「しんぶん赤旗」も、ぜひ多くの方にお読みいただきたいです。

 【今日の句】この総理 どんどん民意 遠ざかり

2021年8月30日月曜日

心に焼き付く言葉

 朝の定例宣伝を終えて、今日は札幌市中央区へ。後援会員さんをいっしょにまわってくれたのは、介護事業所で働いている長年の仲間。仕事の休みのときも、こうやって議席奪還へとがんばってくれる姿が本当に励みになります。札幌は暑い1日になりましたが、元気にまわることができました。

 腰をはじめ体への負担があるうえ、コロナ禍での緊張状態が1年半も続いてきました。介護施設はクラスターも多く発生し、亡くなられた方も相次いできたのです。それでも介護職を続ける、やりがいとは何か。以前に「高齢者と話し合うのは楽しいんだよね」と、この方が話していたことが心に焼き付いています。

 介護保険が始まって21年。家族による介護の負担を解消すべく「介護の社会化」として始まったわけですが、今や介護度の低い方への「介護はずし」と呼ばれる実態が続いています。国自身の負担を減らし、利用者や職員へツケを回るやり方は、もはや限界。介護保険料はドンドン上がり、職員の厳しい待遇も改善が遅れ、慢性的な人手不足になっています。

 今日まわったなかでも「年金が少なくて節約ばかり」と、余裕がない高齢者生活の実態もうかがいました。必要だからと介護サービスを使おうと思えば、利用料の負担が重くて使えず、「保険あって介護なし」という実態が何年続いていることか。コロナ禍による外出不足もあるのか、少し以前よりよろけ気味という方もいらっしゃいました。

 しかし、どこでも共通しているのは菅政権への不満。「ガンバレ以上に、突き進んでほしい」と熱烈なエールもいただきました。命と健康、くらしや雇用の瀬戸際に置かれ、菅政権の無策ぶりに本気で怒っている方は多い。何としても政権交代を。

 【今日の句】長生きを 喜び合える 国にしよう

2021年8月29日日曜日

オンラインで心強いエール

 朝の討論番組で田村厚労相は、9月12日での緊急事態宣言解除は難しいとの認識を示したようです。人の流れを抑えると言いながら五輪・パラの開催という矛盾したメッセージでは、国民の協力も信頼も得られません。ここまで感染を広げた政府としての反省がなければ、ずるずると続いてしまうのではないのでしょうか。

 今日は女性後援会のオンラインつどい。各地に足を運べない感染下で、こうやってオンラインで交流できるのは本当にありがたい。要求を掲げたボードも準備されて「筋を通した政治の実現を」「声を届けてくれる議席を」や、業者の方からは「インボイス中止」との話も出されました。日本共産党の議員・候補が実態をもとに活動や質問ができるのは、このような地域・職場・学園に根づいたみなさんの声があるからなのです。

 私からは日本共産党のコロナ対策の提案、総選挙での争点、日本共産党の値打ち、そして道内をまわっての期待の声とつばぜり合いとなっている状況、投票率を上げることで変えられる展望などを話しました。小さな画面に向かって40分ほど話し続けていると、けっこう孤独な感じもするし、話が一本調子になっていないかと心配にもなるものなんだと余談ながら感じました。

 しかし、後援会のみなさんの一言一言が本当に力強い。もどかしい思いや菅首相への腹立たしさ、たまりにたまったエネルギーが伝わってくるのです。もう明日にでも選挙期間が始まってほしいくらい。「畠山さんが安倍首相に堂々と質問していた姿がすごいと思いました。また国会でがんばってほしい」との話をはじめ、最後で声をそろえてくれたエールも心強く胸に響きました。明日もがんばりたい。

 【今日の句】まず総理 成り行き任せの 反省を