2020年12月13日日曜日

性暴力を許さない社会へ

 党道委員会でオンライン「JCP With You」企画をおこないました。中心テーマは刑法改正で、NPO法人ゆいネット北海道・理事長の須田布美子弁護士、フラワーデモ北海道の共同代表ゆきさんから性暴力・性虐待などの実態や今後の課題などをお話しいただきました。私は日本共産党の姿勢や活動にも触れながらのコーディネーター役です。

 性犯罪にかかわっては3年前に、刑法が大幅に改正されています。3年後の見直し(つまり今年)が付帯決議にあるのですが、今年中の見直しは見送りになりそうです。改正の課題はありますし、フラワーデモのように社会的運動も広がってきました。その状況を多くの方に知ってもらい、さらに世論を広げたいと思っての企画です。

 先月、性暴力の被害当事者らでつくる団体 Spring が「性被害の実態調査アンケート」に取り組んだ結果を発表しています。回答は実に5899件で、それでも氷山の一角に過ぎません。被害を受けた時で最も多かったのが「何も言わず突然」、次いで「だんだんと身体を触る、触らせる行為を増やしていった」。被害は暴力や脅しを伴わないことが多く、被害の実態に即した刑法改正が求められています。

 ゆいネット北海道は、北海道・札幌市から委託されて性暴力被害者支援センター「SACRACH(さくらこ)」を運営されています。短時間にもかかわらず、須田先生から性暴力の実態や刑法改正の中心点、今後の課題などをまとめて話してくださいました。世界的にも性暴力根絶へと世論が広がるもと、日本では性暴力事件に無罪判決が相次ぐなど逆行している状況もあり、刑法改正とともに社会的課題としての問題提起もいただきました。

 ゆきさんは、このような無罪判決が出されたことに異議を唱えなければと思い、東京で始まったフラワーデモに関心を持ち始めたといいます。デモと言えば近寄りがたい印象もあるなかで、花を持ってスタンディングするなど表現方法も考えながら、刑法改正にも力をあわせていきたいと話されました。

 事前に寄せられた質問や、ゆきさんから須田先生への質問などもあり、私も多くのことを学びました。当初はシンポジウムのように会場を借りて実施する予定だったのですが、コロナ禍でオンラインとなってしまったのが非常に残念。今日の内容は編集して党道委員会 You Tube にアップする予定ですので、ぜひご覧になってください。

 意思に反する性交は、国として放置してはならない重大な権利侵害です。心身ともに傷つけられた方々も、それを口にすることには勇気がいるし、逆に責められてもしまうのが今の日本の現実です。自民党・杉田水脈衆議院議員のように、政治の側から追い詰める発言まで平気で出されています。本当にとんでもない。被害の実態に見合った刑法改正はもとより、さらに前へ進めていく決意が政治の側に求められています。

 政治の世界は長く男社会で、今も女性の政治参加は限られているのが現実です。日本共産党のなかにも男性中心社会の反映が残されていて、自己改革をしようと志位委員長みずから述べたように、まだまだ党自身も私も途上にいます。性の課題は誰にも突きつけられる課題で、正面から向き合うべき課題です。「ジェンダー平等」と言うのは簡単ですが、みずからの問題として引き寄せながら発信・実践していかなければと感じた1日でした。

 【今日の句】まだ声に ならない声を 受け止めて

0 件のコメント:

コメントを投稿