2015年4月16日木曜日

「戦後農政の総決算」とは何か

 地方選の勢いそのままに、衆議院農水委員会の質問を終えました。中身は飼料の自給率向上と、政府の志向する「担い手」問題。「担い手」とされない農家は、一体どうなるのか!

 食料自給率の向上には、飼料の向上が欠かせません。

 しかし日本は、1961年農業基本法のもとで「選択的拡大」として、外国産農産物と競合するものは他作物へ転換と進められてきました。

 その結果、飼料輸入が一気に進むことになりました。

 穀物自給率は、82%(1960年)から46%(1970年)へ。

 小麦も39%(1960年)→9%(1970年)、大豆も28%(1960年)→4%(1970年)へ。

 飼料用米への交付金を維持するのは当然ですが、輸入拡大という反省すべき点を反省して、過去と同じ轍を踏むべきでない--と主張しました。

 さらに質したのは、政府がめざす「担い手」と農村の関係。

 新たな農業構造の実現に向けて、農地集積などを「認定農業者」「認定新規就農者」「集落営農」などの「担い手」に対して支援を強めることとされています。

 では、「担い手」とならない農家はどうなるのか?

 新「基本計画」では「農業・農村の構造変化が見込まれる中で、農地や農業用施設の維持や管理等における、多様な関係者による役割分担等の在り方について検討する」とあります。

 林農水相も2013年11月の記者会見で「地域として、この農地と農地として維持するための共同活動、これをきちっとやっていって、結果として担い手の育成をですね、後押しをしていく」と答えています。

 つまり「担い手」から外れた農家は、認定農業者などを参入する農外企業などへ、水路や農道の管理で後押ししてくれればいい、ということか?

 林農水相は「役割分担」論を否定せず、多面的機能支払で対応する趣旨を答弁しました。

 しかし、国土保全や水源涵養などの多面的機能は、生産と管理を一体に、自発的に農家・農村で進めてきたもの。

 「役割分担」の名の下で、地域のコミュニティなどを壊していくことにならないか。

 何より、高齢や規模が小さい農家でも、大事な「担い手」でもあるはずです。

 小さい農家は農村意地の役割だけ担ってくれればいい--ということなら問題だと指摘しました。

 安倍首相が「戦後農政の総決算」という中身を、1つ1つ明らかにしていかなければいけない、と思っています。

 連休後には、農協法の改定案が審議されることになります。

 本格論戦に向けて、もっと現場の実態から学んでいきたいと思っています。

 【今日の句】 この土が すべての命を 支えてる

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