2013年1月5日土曜日

安倍首相は、国際社会から孤立の道を選ぶのか

 安倍首相が「村山談話」「河野談話」見直しを示唆し始めました。「未来志向」と言うより、前世紀へ逆戻りではないのでしょうか。

 「村山談話」は、戦後50年目にあたり村山首相(当時)が「国策を誤り、植民地支配と戦争によってアジア諸国民に多大の損害と苦痛を与えた」と「おわび」を表明したもの。

 「河野談話」は、宮沢政権時の河野官房長官(当時)が、政府をあげた「従軍慰安婦」問題の調査にもとづいて「慰安所の設置、管理及び慰安婦の移送については、旧日本軍が直接あるいは間接にこれに関与した」と述べたもの。

 過去の日本の戦争は侵略が目的であり、自衛のために「仕方なく」始めたものではありません。

 戦争だからと何をしても許されるものでも当然なく、アジアへ与えた被害は真摯に反省することが21世紀に続く日本政治の出発点であり、日本が国際社会の一員として認められることの出発点だったはずです。

 米紙ニューヨーク・タイムズやロサンゼルス・タイムズは、この安倍首相の姿勢を告発・批判しています(こちら)。

 このような国際社会には通用しない路線を安倍首相が突き進めば、アジアだけでなく国際社会から孤立するのではないか。

 それが日本として、本当に進むべき道なのか。

 歴史観が誤っているとも思うし、思考が異質の硬質さを持っているのではないかと心配です。

 そもそも、政府の歴史認識を変えることなど、どれだけの国民が総選挙で納得し支持したのでしょうか。

 報道や街頭宣伝を通じて、こんな重大問題を安倍首相は述べてきたでしょうか。

 「前のめり」どころか「盲目的」になっているのなら、目を覚まさせるだけの国民世論が必要です。

 そのためにも、特に若い世代・子育て世代で、わかりやすく歴史や憲法を伝えなければと思っています。

 なぜ日本が戦争を始め、どのような被害を与え、終戦後に何を国際社会に約束したのか‥‥そして、今の私たちの時代に、どうつながっているのか。

 もう一度私も、しっかり学ばないと。

 「気がついた時には遅かった」では、平和問題は済まされないのですから。

 【今日の句】 この価値観 自由民主と 言えぬ党

2 件のコメント:

  1. 畠山先生、お久しぶりです。先生が仙台で教鞭を振るっておられた時、担任を受けもって頂いた白金です。覚えておられますでしょうか?先生は安倍首相を批判なさっていますが、私が学生の頃ゼミの飲み会で、あるゼミ生が「僕はね、安倍晋三の独裁でもいいと思っているんですよ!」と言ったとき、歴史学者である教授が「安倍はダメ。何にもわかってない。日本はアジア諸国に一億総土下座するくらいの精神じゃなきゃ駄目。」と仰りました。私も先生や教授と同意見です。弱者に厳しく、右傾化していくこの国を憂えております。先生の益々の御活躍を期待して止みません。

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  2.  白金さん、コメントありがとう!
     FBでのメッセージも読みました。少しはにかんだ笑顔だった、あなたの顔をすぐに思い出しました。とても嬉しいです。

     どこかで歯止めをかけないといけない状況に、私も危機感でいっぱいです。
     安倍首相も必ず矛盾に突き当たるでしょうが、暴走しないように私は今の持ち場で精いっぱいがんばります。

     このような会話を教え子とできるなんて、感無量です。
     また何かの際は、気軽に連絡くださいね。

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