瀬川守代表ほか十勝管内からの生産者も駆けつけてくださり、まずは昨日からのテーマである「種」について。作付けする種の全量分を買うのはお金がかかるので、自家採種している農家もあるといい、そこで心配されるのは「多国籍企業が種を握ったときの価格高騰」と瀬川さん。種苗法改定も含めて競争力重視の農政についても、「農業を根幹にした国づくりを」と大元からの転換を求めました。
そもそも有機農業に取り組む農家には、自家採種をおこない、地域ごとに品種改良を重ねて「自家増殖」も自然におこなわれてきました。農水省も、そのような現実を前に自家増殖は禁止してきませんでした。現行法でも規制の対象になっているのは、種苗としての販売や海外への輸出入です。農水省は、法改定は「海外流出を止めるため」としていますが、現行法の強化で済むことではないのか。
あわせて、化学肥料・農薬や遺伝子組み換え技術を使わず、有機質肥料で地力を高め、病虫害にも強い作物を育てる有機農業の底力を学びました。専門的意見は分かれるのでしょうが、残渣のすきこみもおこなうなどしてトマトの無肥料栽培も数年間、続けているといいます。病虫害もないとの話でした。周辺には昆虫なども多く生息し、「まさに生き物天国です」との笑顔に、私たちも嬉しくなりました。
私が現職だったときに、主要農作物種子法が廃止されました。戦後すぐに主要農作物(稲・麦・大豆)を増産するうえで、日本各地の気候や風土にあった作物ができるよう国が研究費用などを支援する、という法律でした。公的機関がもつ知見を民間に広げて、開発を促すということが廃止理由とされましたが、種への責任を公的に守るべきとの世論と運動が広がり、北海道はじめ15道県が条例を制定しています(今年2月現在)。命や食にかかわる分野は、市場任せにしてはならないのです。
あらためて、農業の基本を学んだように思います。しっかり国会とも連携して、第一次産業こそ国の土台となるように力を尽くしたい。
【今日の句】足早に 秋が来そうな 空気かな
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