2021年1月5日火曜日

浮き彫りになったのは大企業優先

 例年なら新年のあいさつまわりですが、今年はコロナ禍の影響や国政への要望をしっかり聞く機会にと足を運んでいます。首都圏中心に感染も拡大し、その影響は北海道にも押し寄せています。紙智子参議院議員とまわりました。

 大きな打撃を受けている業種の1つが観光関連業。「自然・平和・歴史・文化の旅づくり」を基本理念とする旅システムは、いろんな機会にお世話になっている旅行会社です。どの観光関連業と同じく前年比9割減もの減収に、持続化給付金や雇用調整助成金コロナ特例なども受けてきましたが、なかなか先が見通せません。

 GoTo 事業は「恩恵は大手旅行会社の方が大きいかな」という感じだったそうですが、感染拡大の現局面では業者のなかでも様々な意見があるようです。そのなかでも共通するのは「雇調金コロナ特例をやめられたら、事業は続けられない」「地域限定の割引など、地域で使えるような財政支援」。洞爺湖町でも同様の要望を受けただけに、あらためて国へ反映させていかねばと思いました。

 他にも大手航空会社やJRとの発券作業上の課題、距離を取るための団体バスにおける半数乗車への支援や規制緩和など、業界独自の課題についても話をうかがいました。「菅政権のもとで中小企業の淘汰路線が議論されていることも許せない」と紙議員。地域のお土産屋さんが話題にもなり、観光業者だけでなく地域へも面としての支援が必要だと確認しました。

 保健医療や保健福祉などで顕著な実績を残した団体や個人に贈られる、この分野では国内で最も権威ある賞の「保健文化賞」に、道難病連の増田靖子代表が選ばれたことのお祝いも兼ねて、同事務所を訪ねました。道内関係者で女性個人の受賞は初めてとのこと。みずから後縦靭帯骨化症という指定難病を抱えながらも、難病患者やその家族のネットワークづくりに尽力されてきたのです。

 「賞をいただけたのは嬉しいことですが、浮かれることなく引き続き仲間と力をあわせていきます」と増田さん。マスクを通して穏やかな笑顔が見えながら、コロナ感染については命にかかわる問題だけに表情も厳しくなります。先月うかがった時と同様に、命の大切さそのものを軽視しているような政府の対策の遅さを指摘されました。前回に聞いた「胆振東部地震の時も、今のコロナ禍でも、難病患者は後回しというのが現実です」との言葉を忘れてはいけない。

 今日も猛烈な寒波の日でしたが、最後は玄関先までお見送りしてくださった増田さんとスタッフのみなさん。つながりあうことや支え合うことの大切さを、いつも道難病連から学んでばかりです。

 紙智子議員の国政報告を兼ねて、「北海道たねの会」との懇談も持ちました。臨時国会では重要法案の1つとなった種苗法改定案。農家の自家増殖が制限されるといった、実際上は改悪だと市民の声も広がり、北海道では約4割の地方議会で慎重審議などを求める意見書があがるほどでした。世論を広げる活動で奮闘したのが「たねの会」なのです。臨時国会の前に調査で訪れた北竜町から黄倉さんや、当麻町の瀬川さんもわざわざ足を運んでくださいました。

 法案採決へと話題にのぼるなかで、ようやく農家や国民への理解が広がってきたばかりと口をそろえます。「もう少し時間があれば逆転できた。国民の中にパワーはある」「吉川元農相への献金疑惑が出て、企業寄りの農政なんだとハッキリした。今後はゲノム編集の問題もあり、消費者運動としてもあきらめない」など、前を向いた意見交換となりました。

 だからこそ、どう農業を発展させるかの熱い思いも語り合われました。「命を守るのが食料、そのために環境を守り育むという基本を押さえた議論を国会でもしてほしい」「規模拡大が美徳とされる農政でいいのか。韓国の学校給食を見習いたい。有機農業が広がる契機にもなっている」「北海道と九州では生産するものも文化も違う。各地に見合った政策ということはできないのか」など、時間が足りなくなるほどの意見交換になりました。

 「種子法が廃止されるときに、種苗法があるから大丈夫と言っていた議員もいましたよね」との発言にハッとしました。その時に国会で審議した当事者として、種苗法を担保にした議論が(当時の野党にも)確かにあったことを覚えています。今回はその種苗法が改悪されたのですから、やっぱりダメな時にはダメと言わなければならないことこそ教訓です。これからも力をあわせましょうと紙議員が応じましたが、まったく私も同じ思いです。

 今日のどのテーマからも、要は大手企業を優先する政治の反映なのだと気づかされます。根本から変えなければならない。

 【今日の句】顔色を うかがう政治 横行し

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