2024年6月14日金曜日

鉄路の維持は国の責任で

 今日はニセコ町・蘭越町へ。片山健也ニセコ町長と金秀行蘭越町長に、シンポジウムの案内や新幹線についての道委員会声明をお渡しし、住民のみなさんにも「語るつどい」で紹介すると、次から次へと意見が止まらないほどでした。

 両町とも函館本線の駅があり、生活や観光に欠かせない鉄路です。しかし、「泊りがけでないと、札幌の病院に行けないダイヤ。乗り継ぎも悪く利用しづらい」というのが実態。言い方を変えると、利便性を高めれば利用は増えるということです。

 「バス運転手の確保が難しいなら、存続も含めた話し合いの基本に戻っては」との意見も出されました。新幹線の並行在来線として、経営分離とバス転換を沿線自治体の首長が同意していますが、議論のやり直しは道委員会声明でも掲げています。

 並行在来線の経営分離は閣議決定であり、法律で決まっているわけではありません。国は函館本線・海線の維持に関わるのに、山線は沿線自治体の責任に丸投げするというのもおかしい。国の責任で議論をやり直す、その政治決断をと訴えていきたい。

 イギリスでは民営化された鉄道の、再国有化の議論が起きています。生活の足であるとともに貨物輸送の優位性、脱炭素にも貢献する交通手段としての鉄路の意義も確認したい。鉄路の維持・存続は国の責任でと、重ねて訴えていきます。

 農業が基幹産業である両町。「大規模にすると機械も大きく、借金も増える。まわりでも農家の後継ぎがいない」(ニセコ町)、「最低賃金の引き上げで、繁忙期の人手確保の出費が増している。支援がないと厳しい」(蘭越町)はじめ、食育の推進や具体的な補助事業についての質問も出されました。

 いずれにしても、農家にとって展望が見える農政でないことは確か。肥料など生産資材高騰が、じわじわと農家を苦しめていることもよくわかりました。「ものを作る喜びを奪う政治には反対してほしい」という、現農家の言葉を重く受け止めました。

 片山ニセコ町長とは地方分権や地方自治体の財政課題について、金蘭越町長とは農業と観光についてと、思わぬ方向にも話が広がりました。地方創生などと言いながら、岸田政権のもとで中央集権の姿勢が強まっています。この転換にも力を尽くしたい。

 ニセコ町では高木直良町議、蘭越町では柳谷要町議が同行くださいました。地元で信頼されている様子も、よくわかりました。

 【今日の句】なぜ知事も 鉄道の意義 語らぬか

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