札幌地裁で先日、思わず目を見張った判決がありました。道知事による労働委員の任命は「裁量権の逸脱・濫用」!
労働委員会というのは、使用者・労働者・公益の三者による行政委員会で、労働争議の調整や不当労働行為の審査などをおこないます。
このうち労働者委員は、労働組合から推薦された人物から、知事が任命します。
北海道では、高橋知事のもとで連合北海道の推薦候補で独占されてきました。
道内の全労働組合員数で見れば、連合は7割程度。
それで独占とは、道知事の裁量権は違法だ--と道労連などが訴えていたものです。
損害賠償などは棄却されたものの、争われていた知事の裁量権については、以下の判決が出されました(抜粋)。
「形式的には審査の対象としながらも実質的には全く審査もせず、連合北海道に属する推薦組合にかかる候補者のみを再任する本件各処分に及んだもので、本件各処分は、労組法上の推薦制度の趣旨を没却するものとして、裁量権の逸脱・濫用にあたるといわなければならない」
「組合差別」をしてはならない、という明快な判決文だと思います。
連合北海道による委員独占で、「すべての働く人たちの声が反映されているのか」「労働者の立場でモノを言えているのか」との声があがっていました。
全国的にも、中央と11都府県では「連合独占」ではありません。
ようやく北海道もそのスタート台に立てることになるわけですが、ここに至るまでは当事者と組合員・労働者や弁護団の奮闘があったからです。
道内でも労働事件や労働相談が相次ぐなかで、きちんと正される機関としての力が発揮されるよう、知事と道の対応を注視したいし、ただちに是正を求めたい。
労働者ばかりが「泣き寝入り」させられる社会に、未来などないのですから。
【今日の句】 物価より 急いで上げるは 賃金だ
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