2013年7月27日土曜日

これがリアルなアメリカ社会

 「医療九条の会・北海道」主催の、堤未果さん講演会に参加しました。表題は「TPPの先にあるもの~貧困大国アメリカと、私たちの未来~」です。

 堤さんの「ルポ・貧困大国アメリカ」などは読んでいましたが、講演を聞くのは初めて。

 ブレブレの写真で申し訳ありませんが、会場もいっぱいで、わかりやすくアメリカの現実が話されました。

 家の差し押さえは、7秒に1件。

 生活保護(5年間の期限付き)は、5人に1人。

 フードスタンプ受給者は、5000万人。

 失業率は実質20%、若者は45%。

 高い医療費による自己破産は、年間90万人。

 9.11「ショックドクトリン」の間に成立された愛国者法で、至るところに監視カメラ。

 教育分野での規制緩和が進められ、教育産業や食産業が入り込む。

 医療でも、保険でも、農業でも‥‥全体が「株式会社化」「多国籍企業化」のなかで、市民や中小事業所・農家が、時には搾取され、時には構造の中に組み込まれる。

 アメリカの養鶏農家は、1950年までは個人農家が9割だったのに、今や4社が全体の6割(シェア?)を占めるまとなりました。

 その大企業には、年間1億円もの補助金。

 対して中小農家には、年間58万円だけ。

 堤さんは「TPPでどうなるかに関心はいくけど、実際は少しずつ始まっている」と、このようなアメリカの例も交えて話されました。

 医療分野でも、日本の国民皆保険制度はすばらしいとアメリカでも言われるのに、なぜアメリカのように変えるのかと首をかしげられるそうです。

 堤さんの「皆保険制度は残っても、形骸化する」との指摘を、なるほどと思いました。

 「まだ日本では法案の段階です。止められます」とのまとめに、力をもらいました。

 ここからは私の感想。

 アメリカの新自由主義はここまで広がっているのかと、あらためて驚きました。

 一方で富の蓄積、一方で貧困の広がりは、マルクスでなくても階級間の格差が広がっている証明としては十分です。

 それがグローバル化しながら進行している21世紀の序盤。

 同時に、国民的反撃や法による規制、あるいは資本主義とは異なる社会体制を模索する動きなども、世界では広がっています。

 日本でも国民生活を守りながら、もっと深いところでの論戦と国民的議論が必要ではないでしょうか。

 それが新しい社会を準備することに、つながるのですし。

 多くのことを考えさせられた講演会でした。

 【今日の句】 アメリカに 従い何を 取り戻す

2 件のコメント:

  1. 熊林 和幸2013年7月28日 13:05

    貴族社会の復活ですね。何百年も前に退化しようとしてるなんてあほらしいですね。

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  2.  熊林さん、コメントありがとうございます!

     貴族どころか超×50富裕層が、世界を支配する状況です。
     1% vs. 99%の国民!の構図がハッキリしてることを、堤さんも強調されました。
     反撃はこれから、私もがんばります。

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