2019年12月26日木曜日

廃炉への決断を

 北海道電力が気体廃棄物の放出量を31年にわたり過少報告していた件で、さっそく紙智子参議院議員・菊地葉子道議会議員と抗議・要請に。北電側は平身低頭で「真摯に対応させていただきます」とくりかえしました。

 泊原発にはさまざまな施設がありますが、問題となったのは放射性廃棄物処理建屋です。これは放射線管理区域で発生した紙や布など可燃物の焼却、防護服といった衣類の洗濯排水等の廃液処理などをおこなう施設です。焼却して出てくる気体廃棄物の量が、過少に報告されていたということなのです。

 基準値を下回っているため人体や環境への影響はないとするものの、放射性物質の数値計測という基本的なところで誤り続けていたのですから事は重大です。原子力規制委員会の更田委員長も「驚くほど基本的なミス」と述べるほど。放射性物質を扱う事業者として適格なのか、という問題にもなります。

 昨年12月には、泊3号機の非常用ディーゼル発電機の制御盤が9年間にわたり接続不良だったことで、原子力規制委員会から保安規定違反と認定されました。プルサーマル発電を推進するための「やらせ」も、2011年に発覚しています。これまでも「適格性」は何度も問われてきており、体質の問題としてとらえるべきだと私は思っています。

 要請したのは、①第三者も含めた調査体制を構築し、原因を徹底究明して対策を実施すること、②立地自治体の泊村をはじめとした地元住民、道民への説明の機会をもうけること、③原因の究明や道民の合意もなく泊原発の再稼働など論外であり、廃炉も見据えた決断をおこなうこと、です。紙参議も菊地道議も厳しくただしました。

 ちなみに要請時の写真は、北電本社1階にある原子力コーナーの一角。昨日の今日で会議室を確保できなかったとはいえ、まわりで見ていた人がいれば「どうしてここで?」と感じただろうとも思います。真摯に受け止めたのかどうか、これからも目を光らせておかなければ。

 道原発連の宣伝もあり、マイクを握ってさっそく報告。再稼働に賛成か反対かのシール投票にも、多くの方が「反対」に貼られました。冬休みになって子ども連れや観光客も多く、札幌駅周辺の雰囲気も少し明るめでしたよ。

 紙議員とは日本赤十字社北海道支部にも足を運びました。公立・公的病院が名指しされて再編統合を迫られている問題についての懇談です。名指しされた北海道の病院54のうち、赤十字病院は4つ(函館、栗山、清水、小清水)。小清水病院では先月、私も懇談させていただきました。

 どこでも医師確保に苦労しているもとで、どのように地域医療を維持していくかの話し合いをしてこなかったわけではありません。「唐突感があったし、データも2年前の1ヵ月だけだった」と意見も出され、全国からの不安や批判もあって厚生労働省は期限を切ったやり方はしないとも。それなら病床削減を押しつけるだけでなく、医師確保など根本的な対策や議論を進めるべきでは、と私も応じました。

 昨日、出生数が90万人を割ったとの統計が発表されました。今の日本社会を維持していくうえで、とりわけ命や交通にかかわる分野に国が力を入れるべきだと思います。国としての優先順位を大元から変えないと、地域を維持できなくなってしまう危機感があります。こんな時に「カジノは経済成長の起爆剤」だなんて、一体どこを向いて政治をしているのかと腹立たしい!

 【今日の句】本当に これだけなのか 何度問い

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