文科省が学校再開への指針やチェックリストを示した一方で、2021年度から使われる中学校教科書の結果を公表しました。新学習指導要領に対応する初めての教科書だけに、中学校教諭(英語)を務めていた私にとっても関心事です。
報道の範囲で知る限りですが、まず分量として全教科のページ数は現行から7・6%増で、道徳を除く9教科の平均ページ数の合計は1万ページを超えたとか。文科省によればアクティブ・ラーニング(AL)を充実させた結果とのことです。
ALとは「主体的・対話的で深い学び」を目標とすることから、クラス内での討論や自分の考えをまとめ発信することなどが重視されます。新聞活用学習、プログラミング、インターネット利用リスクなども盛り込まれ、日本の領土についての記述も増えているようです。
外国語(英語)は小学校高学年で教科となることから、中学校の学習内容は難しくなるでしょう。英単語は平均で約1650語というのも結構なボリューム(年550語!)ですし、難しめの単語も入っているのでしょう。小学校と合わせて、英語の「できる子・できない子」の差が広がらないのかと心配です。教員の教材準備も、かなり時間が必要な気がします。
詳細は専門家の分析を待ちたいですが、今でさえ学校行事を削ってまで授業時間数を確保しているもと、学習のねらいとは裏腹に余裕がないまま詰め込むことにならないかが私の一番の心配です。わからないときは立ち止まり、学び直せる時間や環境を持つことも大事ではないかと思います。
「勉強についていけなくなるのでは」との不安をもつ保護者もいるかもしれません。今でも、宿題を教えようとしたらその難しさに驚いたという話も聞きます。そんな学習内容を前に、忙しいもとでも、しっかり教材研究に取り組んでいる先生たちも少なからずいます。
いずれにしても大人の側が慌てたり煽ったりするのでなく、幅広い視野を持って、子どもたちを受け止められるようにしていたいものです。自戒を込めて。
【今日の句】またカバン 重くするのか 文科省
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