あらためて経過を整理すると、▼渡島トンネルの南鶉工区から出た残土で、村山受け入れ地の条件に適さない土が出てきた(「条件不適土」)、▼これが2018年10月で、鉄道・運輸機構は対策など審議する専門家による第3者委員会にかけていたが、議論している間にも不適土が次々と出て、仮置き場がいっぱいになってしまった、▼北斗市に伝えたのは2019年7月で、北斗市も市議会へ報告したのは2020年9月と、市民や議会には約2年ほど事実も経過も知らされてこなかった、▼仮置き場がいっぱいになったため工事を中止し、市民と議会へ明らかにすることとなった、▼その後、市有地を新たな仮置き場にすることにして来月から南鶉工区の工事を再開する見通し-ーとなっています。
しかし仮置き場ですので、ヒ素などの濃度の高い土を最終処分する方法や場所は決まっていません。第3者委員会で検討中といいますが、その対策ができる土地を探し、住民を含めた合意をするだけでも時間がかかるでしょう。「風評被害が起きてはならない」と公表まで時間がかかったことも、住民合意に欠かせない透明性の観点から問題ではなかったのか。現場調査でも、紙議員らとその点をあらためて機構側にただしました。
とりあえずの仮置き場となっている天狗工区ですが、そこでも浸水などによる影響がないかは重要です。覆いをしたうえに今は雪も積もっているので飛散はないものの、浸水については沈砂池や濁水用プラントを通じて処理しているといいます。ここから新たな仮置き場には運ばれないため、一定の期間、この天狗工区に置き留めとなります。継続した厳しい管理体制が必要です。
新しい仮置き場である柳沢地域も、地下水が万太郎沢川へ流れるであろう場所に位置しています。ここに約9万㎥もの高濃度の要対策土を運んでくるのですが、途中には市街地や小中学校があります。運ぶトラックからの飛散防止に覆いをすると言いますが、これまでの工事では各地でそのような約束が守られていない報告を受けています。下請け業者には言っているというのでしょうが、機構の監督責任が問われます。そもそも、この仮置き場から次へ運ばれる最終受け入れ地は決まっていません。高濃度でありながら「とりあえず」の保管なのです。
原発再稼働による「核のゴミ」最終処分地が決まっていないように、高濃度のトンネル残土の最終処分地も決まらないまま期限に間に合わせるがため工事を急ごうとするから、このような矛盾に直面するのです。渡島トンネルの事業完了年を聞いても「できるだけ早くしたい」というのが基本方針。それでは住民合意も安全性も透明性も、結局は後回しになってしまうのではないでしょうか。
住民の会のみなさんからも、疑問や意見が続々。市や機構が住民からの質問など誠実に答えないことへの不満や、道に対しても監督責任を求める声があがりました。農家から「孫子の代まで農地を守る責任がある」との言葉にハッとしました。事業者側は数年の工事と管理だとしても、沿線住民にとっては住む限り未来永劫の問題なのです。たくさんのヒントや課題もいただきましたので、私も国会と連携して取り組んでいきたい。
函館市では市ホテル旅館協同組合・湯の川温泉協同組合から、コロナ禍の実態や要望をうかがいました。道議候補としてたたかった本間勝美さん、富山悦子市議と合流しました。
厳しい現実は、とても一言では語れないほど。これまでの負債も含めた返済が始まれば、たちまち経営は立ちゆかなくなります。従業員などの雇用を守り、関連産業への波及もあることから歯を食いしばってきましたが、閑散期にもなる2月は休館にしているホテルも多いのです。実際にホテル街は灯りが少なく、寂しくもどかしい。
函館割や飲食に使えるクーポンなど、市もいっしょになって支えています。申請書類を社労士などが手掛ける際の手数料まで、市が補助しているとの話には驚きました。固定資産税や消費税の減額・免除などにも、国が決断して取り組むべきと痛感。紙議員・岩渕議員も国政へ反映させると話されましたが、私も役割を果たしたい。
【今日の句】工事だけ進めて 誰が後始末
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