北海道電力は2012年度の連結決算について、純損失が1440億円と過去最大の赤字見通しと発表しました。早ければ4~5月の連休前後にも、電力料金の値上げ申請をしたい意向も川合克彦社長は述べました。
ご存知のように電気料金は、人件費・事業報酬・燃料費・購入電力料・修繕費・減価償却費などを盛り込んだ「総括原価方式」を採用しています。
その中でも、火力発電用の燃料費の負担が大きいことを、北電は値上げの理由にしています。
大事なことは「総括原価」の中身であり、道民が納得できるだけの情報公開もされているのでしょうか。
人件費については、高額な役員報酬は、どの電力会社でも指摘されています。
日本共産党・真下紀子道議が議会で明らかにしましたが、月1~2回の会議で年700万円ほどの報酬を受ける「社外監査役」が多くの北電株による報酬を受けたり、地方議員と兼務する「社員議員」への給与支給の正当性なども問われています(「社員議員」については、北電は議会中の給与については見直しを表明しました)。
燃料費も、東京電力では液化天然ガスをアメリカの約9倍の価格で購入していたと、吉井秀勝前衆議院議員が国会で明らかにしました。
シェールガス生産により国際価格も安くなる傾向もあるなかで、電力会社の海外交渉力について問題視する専門家もいます。
このような実態は、じゅうぶん明らかにされてきたのでしょうか。
電気事業連合会への会費、過大な広告費、立地自治体への寄附金などについても「総括原価」に事実上含まれながら、その実態は明らかになっていません。
じゅうぶんな情報公開や道民合意もなく、「原発を止めてるうちは値上げが必要」と、道民に「値上げか、再稼働か」と二者択一を迫ることは認められないと思います。
そもそも過酷事故が起きれば莫大な賠償費用や廃炉費用が発生し、停止中も巨額の固定費がかかる原発の存在こそが高コスト。
北海道電力の原発依存は、全国電力会社の中でも最も高い比率になっています。
原発停止が経営赤字の発端とされますが、原発依存が経営赤字の構造的原因です。
仮に、深刻な経営状況となる恐れがあり、政府や金融機関から支援を受けるにしても、じゅうぶんな情報公開が前提であることは間違いないでしょう。
家庭部門はもちろん、企業(特に中小)部門の値上げは、大きな打撃になるのは間違いありません。
川合社長は「他の電力会社と比べて、ギリギリまで判断を待った」主旨を述べてましたが、第三者の判断も含めて、あらゆる可能性を追求してほしい。
原発停止が続けば電力料金が上がり続けるのであれば、対症療法ではなく抜本的改善に足を踏み出さなければいけない、という証明でもあります。
国の政治決断が、必要です。
【今日の句】 もう物価 上がってるじゃない 安部首相
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