2013年4月9日火曜日

なぜJR北海道で、トラブルが続くのか

 今度はエンジン破損--特急「北斗」で昨夜、八雲駅で突然の出火。幸い人的被害はありませんでしたが、JR北海道のトラブルを「またか」と思う方も多いのではないでしょうか。

 石勝線・トンネル内で火災を起こし、あわや大惨事となったのは一昨年5月。

 紙智子参議院議員と調査に行きましたが、車内すべてが溶け落ちているのには驚きました。

 その後もJR北海道では、この2~3ヶ月でも「反対側が開く」「走行中に開く」扉トラブルが20件以上も判明していて、原因がわからないものもあります。

 他にも追分駅でも、信号トラブルも記憶に新しい。

 なぜ、こんなにトラブルが続く?

 今回の破損したエンジンは、15年前に交換されたものだそうです。

 一般的には、約30年間使用するとのこと。

 以前は本社工場で目視や打音検査をしていた検査は、外注化の体制が進んでいると聞きます。

 外注先の問題ではなく、本社として最終責任を負えているか、が問題だと思います。

 国鉄が民営化され、多くのベテランが職場を去り、技術が伝承されていないとの指摘もあります。

 要は「コスト最優先」体質で、それが安全対策にまで及んでいるようでは、公共交通を担う会社として心配です。

 警察と北海道運輸局が、JRと車両調査を始めたようですが、おおもとから原因を掘り下げる必要があります。

 技術的問題はもとより、構造的背景については、政治の責任も含めて問う必要はないのか。

 今後、大規模な事故が起きないように、真剣な調査と総括が必要です。

 【今日の句】 防ぐなら 小さな穴を 今のうち

4 件のコメント:

  1. ( ノ゚Д゚)こんにちは。まゆゆこと、橋本と申します。
    高卒で6年半、分割民営化の前まで、国鉄におりました。
    畑地外の電算関係の部署でしたが、未だにこのような事故が
    起きている事に憤りを感じます。
    国鉄時代も、マシントラブルはありましたが、JRになっても
    事故は減っていないと感じます。
    エンジンから発火などと、50年前のディーゼルエンジン稼働初期の事故です。
    民営化により、それまで期限ごとに行っていた検査、修繕が
    手抜き作業になっていないか、それが心配です。
    漸く、春らしくなってきましたが、くれぐれも、お身体ご自愛くださいにゃ(⌒▽⌒)

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  2.  まゆゆさん、コメントありがとうございます!

     50年前の初期の事故! その指摘に思わず納得してしまいました。
     規制緩和によって検査と検査の間が延びて、民営化以降の人減らしが慢性化して、今のような事態が生まれる背景ができてきたと、私も思います。
     石勝線事故でも国は調査に入りましたが、踏み込んだ総括をしないと、また同じことをくり返すのではと、私も本当に心配です。

     やっと暖かくなってきましたね。まゆゆさんも、お身体をお大事に!

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  3.  はじめまして。つまらない者ですが、コメントさせて頂きます。
     JR北海道の車両などのトラブルは、単なる「カネ・コストの問題」ではなく「人・組織の体質や意識の問題」が大きいのではないかと私は見ています。
    (もちろん、人・組織の体質とカネの問題は結びつく部分もあるのですが)

    よく、JR北海道は経営が苦しいから云々・・・と「カネ・コストの問題
    」として論じられることが多いですが
    国交省が毎年発表している「鉄軌道輸送の安全にかかわる情報」
    http://www.mlit.go.jp/tetudo/tetudo_tk8_000001.html
    の各年度版の「安全関連設備投資・修繕費(事業者別)」の項目を見てみると、
    JR北海道の、毎年の列車走行百万キロ当たりの車両・設備修繕費は、JR他社と比較しても特別低いわけではありません。
    (項目には他に「営業キロ当たりの修繕費」もありますが、同じ営業キロでも列車本数の多少によって必要修繕費は大きく異なるので、あまり公平な比較ではないです)
    また、鉄道営業収入に対する、修繕費に充てられる割合は、全国のJRの中でもほぼ毎年一位です。

     私としては、修繕費の割合が特別低いわけでもないのに、なぜ故障・トラブルが多発するのだろう?単純に「カネ・コスト」の問題ではないのではないか?と首をかしげざるを得ません。
     もちろん、北海道という厳しい気候条件の中、他社よりも機器の劣化が進んだり、列車のドアが凍結したりや線路のポイントが雪で詰まったりという、北海道特有のトラブルも多いでしょう。
     ただ、石勝線事故時に問題となったマニュアルの不備や、トルクレンチという工具を整備の現場で決められた通りに使っていなかった問題、あるいは事故数日後に追分駅で発生した信号トラブルを現場の職員が適正に報告・対応しないなど、「組織・人」に起因する問題が多く判明したことを考えると、組織や現場職員の意識・体質の問題も大きいのではないかと思えてなりません。もちろん、はたやまさんの仰る「技術伝承」の問題も含めてです。

     検査周期の延伸、社員数の削減・外注化などの合理化は、程度の差異こそあれJR他社でも行われており、これらは100パーセントJR北海道特有の問題として論じることのできる問題ではありません。
     ただ、JR西日本の福知山線脱線事故の際に同社の組織体質が論じられたように、組織・人の意識や体質の変革・しっかりとした教育、ここをまず見直す余地が、今のJR北海道には大きくあるように思えてならないのです。

     「ハードの対策」よりも「ハードに携わる人の対策」がより必要だろう、と考える今日この頃です。

     以上、拙文失礼しました。
     はたやま様のますますのご清栄をお祈りして、締めとさせて頂きます。

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  4.  Yさん、コメントありがとうございます!
     ごていねいなコメントに、たいへん勉強にもなりました。

     石勝線事故の際も社内体質がクローズアップされ、一定の改善策は示されましたが功を奏しているのか、私にはわかりません。
     おっしゃるような問題点が、この間のトラブルにも大きく反映しているのかもしれませんね。

     以前にJR退職者から話を伺った際も、確かに組織の問題にも触れられていました。今の私には具体的に知る術がないのですが、内部から変革の動きが(表面上)見えないのも気がかりです。

     また、いろいろとお教えください。ありがとうございます。

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