2016年11月14日月曜日

TPP審議状況(11/14)

 どうしても政府は「規制改革会議」の名を出したくないようだ--米国の利害関係者が日本の政策に関与するのかという大門実紀史議員の質問に‥‥。

 大門議員は、第25章「規制の整合性」4条に着目。

 そのなかに、各国の対象規制の調整や見直しをすることを目的とするとあり、そのため「調整機関」なるものの設立や維持が書かれています。

 その「調整機関」とは?

 事務方も岸田外務大臣も、日本では関係省庁で話し合う現在ある仕組みであり、新たな機関は設けないとの主旨で答弁するのみ。

 そこで大門議員が示したのが、日米二国間のいわゆる「サイドレター」。

 そこでは「外国投資家その他利害関係者から意見及び提言を求める」とし、その意見などは「可能な場合には行動をとるため、定期的に規制改革会議に付託する」「日本国政府は、規制改革会議の提言に沿って必要な措置をとる」としているのです。

 これまで「サイドレター」については、政府は「法的拘束力はない」と反論していましたが、衆議院で私から「サイドレターの中身で実施する」との外務省の正式文書も示してきたので、今日はその言葉は出ずじまい。

 大門議員が総理に事実を確認すると、「聞きはするし、正しいものなら受け入れるが、いわば聞くだけ」とのような答弁でした。

 実は、この質問の前に大門議員は、日本の郵便局2万局の窓口でアフラックのがん保険が販売されている問題を取り上げているのです。

 郵政民営化の議論で、大門議員も何度も質問するなかで、当時も政府は「自主的な判断」をくりかえしました。

 しかし、あれから10年たち、農産物や保険分野で強い要求をしてきた米国の意向を結局は受け入れてきたのではないのか、と。

 こういう議論を経て、総理は単に「聞くだけ」という答弁でごまかそうとしたのではないのか。

 規制改革会議(現・規制改革推進会議)は、これまでも解雇規制のルール緩和や、混合診療の解禁など、くらしに必要な規制まで緩和すべきだと言い続けてきました。

 先日は、北海道の農家を支える組勘(クミカン)制度の廃止、生乳集荷や需給調整に欠かせない指定生乳生産者団体制度の改定、全農の組織改編などを提言して、農家や農業関係者から反発の声があがっています。

 それが今後は米国の利害関係者(=多国籍企業)の提言を受けて、国内の規制を変えていくのであれば、とんでもない。

 だから政府は、「調整機関」は規制改革会議と言うのを控えたのではなかったか。

 TPPの先行きはどうあれ、日米FTAのような形として要求あるのではと言われるときに、しっかりTPPの問題点を浮き彫りにする必要があると思います。

 さて、私は久しぶりに机上整理(少しだけ)や資料熟読(少しだけ)で、TPPとともに道内や各地の要求実現に向けて論点整理中。

 明日のTPP特別委員会ですが、日本共産党からは紙智子参議院議員が14:27~15:20(53分)の予定です(NHK中継あり)。

 今日の大門議員の出番も少し早まったようですので、テレビなどはこまめにチェックしてくださいね。

 【今日の句】 隠してる 中身に危険 あふれてる

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