2017年11月30日木曜日

鉄路が生きる未来を

 北海道の「国土軸」としての鉄道を--など、活発な意見が交流された「日高の未来を考えるフォーラム」に参加しました。

 主催は「日高線の未来を考える会」。

 会場には写真展示もあり、昔から地域に根差していた日高線の様子が伝わってきます。

 コーディネーターに小林茂さん(インフラ経営研究者専務理事、元AIRDO代表取締役副社長)、パネリストに青山佳代さん(フリーアナウンサー、日本中央競馬会経営委員会委員など)、岡田実さん(ジャーナリスト、元北海道新聞社専務取締役)、酒井芳秀さん(新ひだか町長、日高町村会会長)と豪華な顔ぶれ。

 酒井町長は基調講演もされて、約3年間の経過をふりかえり「動脈としての鉄路」の必要性を述べられました。

 何しろ日高地方は、サラブレッド銀座と呼ばれる馬産地の「聖地」であり、美しい自然の風景、豊富な水産資源などに恵まれた地域です。

 「活力ある産業が醸し出す風景こそ観光」(青山氏)、「アジアの富裕層が増えるなかでインバウンドの流れも続く」(岡田氏)など、日高の宝を光らせようとの提起がありました。

 そのうえで越波や台風の被害を受けた鉄路について「本来は国土保全の問題なのに、地域にしわ寄せが来ている」(岡田氏)、「抜本的な国の支援がないとできない、海岸は開発予算で」(酒井氏)など国の責任を問う発言も続きました。

 小林氏は「鉄道で利益があるのは新幹線ぐらいで、鉄路は全国どこでも赤字。北海道は国にとっても重要な地域であり、鉄路は道民のものでなく全国民のものとの位置づけが必要ではないか」と、広い視野からの問題提起は新鮮でした。

 会場からも「病気の身では苫小牧までのバスでは大変」「バス路線が合理化されて、国道しか通らなくならないか」「海岸保全と一体の問題、土砂崩れで濁れば昆布やホッキ漁が心配」など活発な意見が出され、私も「国土保全や地域経済の活性化など、超党派で取り組むべき課題もある。私も国会へ、今日のような声を届ける活動を進めたい」と表明しました。

 このような意見交換が全道各地でできればいいな、と心から思いました。

 地域だけの視野になれば「自分たちも乗らないから」「人口減少も進んでいるし」など初めからあきらめがちになりますが、全国的な動向や鉄道本来の意義などを交流できれば気持ちも前向きに変わるでしょう。

 先だって新冠町に行き、鳴海修司町長とも懇談させていただきました。

 新冠町は、町の海岸線14kmのうち「JR海岸」が6割を占めて、そのなかで大狩部地域が被害を受けたまま復旧されていません。

 「JR海岸」とは、国や道の管理ではなくJR北海道が管理する地域で、国土保全の考え方からすれば海岸法を改定して公的な責任とすることが求められています。

 ご苦労はありながらも、要請を続けていくうちに与党議員からも、国が何らかの支援をしなければいけないとの考えも広がっていると期待を述べられました。

 これがフォーラムの場でも新ひだか・酒井町長からも出されていた発言なので、管内首長さんの共通の感触なのでしょう。

 国会で直接、私が取り上げられないのは申し訳ない限りですが、このような声や実態、解決の展望を届ける役割を果たしていきたいです。

 【今日の句】 鉄路には 夢も歴史も 詰まってる

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