2019年12月16日月曜日

公共交通はなくせない

 公共交通の維持とともに運転手の確保をどう進めるか--今日は菊地葉子道議と北海道バス協会に足を運んで懇談。人口減少が進むもとで難問です。

 佐藤秀典専務・三戸部正行常務が応対してくださいました。乗合バスは約6割が不採算系統、輸送人員が若干の右肩下がり、協会加盟の7割以上が赤字--あらためて現状を聞き、広大な北海道におけるバス事業環境の厳しさを痛感しました。赤字だからと簡単に、なくすわけにはいかないのです。

 運転手の現状に関するアンケートも協会で取っていて、運転手の不足もリアルな数字で示されていました。運転手の魅力を身近に感じられるよう、バス協会としてカラーパンフも作成するなど努力も続けられています。とはいえ全体として人口減少のうえ、運輸業界との競合もするため「奪い合い」の状況で、確保の苦労に変わりはありません。

 「特効薬はないので、できる限りのことを積み上げていっています」と三戸部常務さん。佐藤専務さんは「交通政策基本法ができているもとで、自治体の町づくりと合わせた交通体系の検討が必要です」。多くの自治体を長距離でつなぐのですから、広域自治体の道としての積極的関与が必要とも話題になりました。

 減便・廃止の前に、貨客混載や自治体の支援も受けた乗車人員向上など、いろんな方策も進められています。当面の課題として乗車人員を増やすことや、運転手確保へのさまざまな支援策を後押しするとともに、長期的には、公共交通網の維持に国や自治体の関与と役割を強めることが必然だと感じます。国のもとでの恒常的な補助制度の検討も必要だと思います。

 大事な生活路線は、いざというときの「安心路線」です。通院や通学などとともに、高齢者の免許返納も推奨されているもとで必要な移動手段としてのバスは欠かすことができません。これは鉄道だって同じで、路線を廃止してもバスで事足りるなどは断じて言えない状況にあります。そのバスだって、このような大変な状況なのです。

 懇談の最後に「このままでは本当に地域の公共交通が、北海道ではなくなってしまいますね」とポツリと出されました。それだけの危機感を共有しながら、政策上の発展や政治での取り組みにも生かしていきたいです。朝の宣伝でも、多くの方から激励もいただきました。

 【今日の句】どの町も 住める国こそ 豊かだと

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