1年に一度くらいは、私だって思いのたけを書く日があってもいいでしょう。私だって忘れられない、3.11なのですから。
午後2時46分は、札幌駅で人と面会中。
自分が目まいでも起こしたのかと思ったら、何やら全体が揺れている感じ。
しばらくして、臨月を迎えた妻から電話。
「地震で宮城は津波10mだって!」
えっ、としか返せずに事態を飲み込めなかった私。
携帯で連絡が取れた父は「これから(仕事で出ていた)母さんを迎えに行く」。
上の妹は「いま1階に津波が来たけど大丈夫だから」。
どちらも、それから後は携帯がつながりませんでした。
テレビで荒れ狂う津波を見て、何度も出てくる「壊滅的状況」という言葉に、想像もつかないほどの恐怖感を覚えました。
夜になっても続く緊急地震警報と余震に、もうやめてくれ、と何度思ったことか。
自衛隊が映したという、気仙沼市で火災が起き町が赤々と燃えている映像には、本当に全身から血が引いていく感覚でした。
父は、母は、妹夫婦は、親戚は。
何度かけてもつながらない携帯、停電だから当然つながらない固定電話、定期的に送ったメールにも返信なし。
その晩は眠れず、連絡が取れる県内の親戚に連絡が取れ、無事を確認できたのが3日後。
無事を確認できたと叔母は電話口で泣き崩れてましたが、目の前で確認していない自分にとっては半信半疑でした。
それから3日後、携帯に下の妹から、そして父からと連続して携帯に電話が。
良かったと思いつつ、素直に喜べないんです。
多くの方が命を落とし、行方不明の方もいて、家も車も漁船も何もかも失くしてしまった。
その現実を前にしたら、北海道にいる私だって素直に喜んでいいのか、わからなかった。
我が家の2人目が生まれ、少し落ち着いてから石巻へ行きました。
ショック、としか言いようがない。
初めて映画を見た岡田劇場がない。
たくさんのオモチャが並ぶ、夢の場所だったサルコヤも波にぶちぬかれ。
嫌な臭いを出していた製紙工場は、動くそぶりもない。
日和山から見えた風景は、町が「グチャグチャになった」ような風景に一変。
何もできていない自分が、また悲しく感じられたのです。
被災地ボランティア以外にも、被災者を支える活動があると頭ではわかっていても、です。
今日、苫小牧で講演会を済ませて車で帰る途中、NHKラジオを聴いてきました。
さとう宗幸さんの青葉城恋唄が流れてきました。
たぶん多くの宮城県民は「♪広瀬川~」と口ずさめるだろう曲です。
歌詞に「思い出は 帰らず」とあります。
何を私は、失ったのだろうと考えました。
北海道に住んでいる今、家も家族も失ったわけではない。
遠戚を亡くしましたが、父母・妹とも元気です。
それでも3.11が近づくと、自分が何か1年間してきたんだろうか、と嫌悪感に近い感情が存在するのに気づくのです。
1年目より2年目、2年目より3年目。
それは被災地で、3年経ったことで矛盾が溜め込まれてきている現状に、符号するのかもしれません。
(ちなみに精神的に落ち込む、などの状況はありませんので、ご心配なく)
素直に喜べない、素直に笑えない、感情をガマンする。
多くの被災体験をした方に、共通してきたことなのではないかと思います。
それは、北海道にいる私にもわずかながら、あったのかなと思います。
特に福島で、放射能汚染に悩まされ、残った人も避難した人も、私以上の苦しみや葛藤の真っ只中にいるんでしょう。
そう考えるといまだに、どんな言葉から話し始めたらいいのか、わからないのです。
仮設住宅と言ったって、プレハブですよ。
雪が降らない石巻とは言え、冬は寒いに決まってますよ。
それでも3年もガマンを続ければ、ご近所で顔なじみにもなるし、あきらめに近い感情も生まれてくることもあるのでしょう。
ボランティアは無力ではないし、私も現地に行って、やれることはたくさんあると実感してきました。
やれることを日本全国で、やっていくのしかないのかな。
何より政治が、やれることをやってるんでしょうか。
何で生活が成り立たないのに、消費税増税?
何で健康状態が悪化する人もいるのに、受診負担を増やすの?
被災者と党の奮闘で要求が前進しているものはあるし、福島では原発労働者を励ます連帯行動が生まれていることにも、胸を熱くしました。
足を踏み出す人がいれば、全力で応援する。
足を踏み出せずに苦しんでいる人にも、全力で支援する。
何万人とか何%とか、数で復興を見るのでなく、1人ひとりが心から笑える状況になれるようにすることを、私は復興の基準に思いたい。
私は私の持ち場で、やるべきことをやりきる、ことなのですよね。
これだけ吐き出さないとスッキリしない、のです。
被災・避難当事者のみなさんは、もっと吐き出したいことがあるのでは。
「がんばろう東北」ではなく「がんばってきた東北」の1人ひとりに寄り添う、その気持ちだけは失わないようにしたい。
あらためて直接の震災と、その後に亡くなられた方々に、心から哀悼の意を表したいと思います。
長文を最後までお読みいただき、ありがとうございました。
【今日の句】 くよくよと するなと声が 未来から
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