石川啄木が札幌に立ち寄り、その時に詠んだ歌の碑が2年前に建立されました。当時の事務所が近くだったことから碑前祭に招待をいただき、私が参加してきました。
碑がある場所は、偕楽園緑地。
札幌駅から歩いて5分ほどの小さい公園です。
札幌で啄木が下宿していたのは、北4条西7丁目の「田中」宅とされていました。
しかし当時の記録など探っても正確にわからず、1970年代になって新聞記者さんの聞き取りなどの努力から、ようやく証明がされました。
そもそも啄木が函館→札幌→小樽→釧路と渡り歩いた時期は、研究上も「空白の時間」だそうです。
それだけに歌碑を建立した意味は大きく、今日のように集まることで情報の交換や研究の進展も期待されるのです。
このような碑は、たいてい自治体に寄付されて管理されるものですが、札幌では管理は建立者に任せられています。
苦労をしながら建立2年目を迎えられたんですね。
「啄木の歌や評論を読むと、現代に通ずるものがある」との、ごあいさつもありました。
例えば--
「労働者」「革命」などといふ言葉を/聞きおぼえたる/五歳の子かな。
ちなみに3歳のわが息子は「再稼動反対」という言葉を聞き覚えたようです。
歌碑に刻まれているのは、歌集「一握の砂」に収録されている次の歌。
アカシャの街樾(なみき)にポプラ秋の風/吹くがかなしと/日記に残れリ
ちょうど秋の風が吹く今日9月14日が、啄木が札幌を訪れた日でした。
あまり詳しくない私でしたが、啄木に親近感が湧いてきました。
時間をとって「一握の砂」を読んでみたいな、と思いました。
【今日の句】 舗道なき 北へ進みて 何思う
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