岩渕友参議院議員と、福島から避難された方との懇談、泊原発3号機の視察、首長訪問と住民懇談会‥‥などの2日間。宿題たっぷりです。
この間、泊原発3号機をめぐって、いくつか情勢の変化がありました。
原子力規制委員会での審査で、田中委員長は「審議は大詰め」と発言(7月)。
原子力防災会議からは、原発から半径5km圏内でも、暴風雪警報の発令中には屋内退避を求めることも盛り込まれました。
今月3日には、原子力防災担当の山本公一大臣が泊原発の視察に来ています。
半径5km圏内の住民が屋内退避を命じられても、泊村でも昔ながらの家も多くて隙間風が入るような家もあります。
暴風雪警報が解除された後に避難だと言われても、外は放射性物質が拡散されている状況を考えれば、矛盾だらけの避難計画だと言えると思います。
ともあれ、国会での質疑などでは大臣も視察した内容と同じ土俵で議論をしなければならないわけで、今回の視察にも至ったわけです。
セキュリティ上、写真は会議室でのあいさつのみですが、その後にタービン建屋や使用済燃料ピットのある燃料取扱棟などなど、わずかな時間でしたが概要は見て回れたと思います。
以前に私が国政候補のときにも、国会議員団の調査に同行して視察したことがありました。
確かに当時と比べて、新規制基準にもとづく機器の設置、防潮堤や防火帯の建設、テロ対策も含めたセキュリティ強化など、安全性の強化は図られていると思います。
新規制基準にもとづく、このような対策でかかった現時点での費用を聞いたら2000億円の前半とのことでした。
つまり、これだけお金をかけたわけですから、電力会社の経営としては再稼働しなければ採算が合わないことになるでしょう。
使用済燃料がある以上、このような安全措置は必要ですし、不測の事態には備えなければいけません。
しかし、それが再稼働前提の措置となれば、では使用済燃料の処理はどうするのか、そもそも原発なしでも電力不足は起きないのではないか、道民の合意はあるのか--などについても国と電力会社説明が求められるはずです。
仁木町での住民懇談会では、北電がおこなった住民説明会のなかで「(使用済燃料の処理は)核燃サイクルがうまくいけば解決する」という主旨で話をしていたようです。
しかし、この間の報道にあるように「もんじゅ」には政府自身も見切りをつける流れになっており、核燃サイクルには展望がありません。
泊原発は「福島第一原発と型が違う」から大丈夫であるかのように、過去には私も北電から言われたことがあります。
しかし、福島第一原発だって「チェルノブイリとは型が違います」と説明されたと、福島から避難された方から聞きました。
こうなると再稼働の「大義」は何なのか、ということになると思います。
北電は、再生可能エネルギーは供給などで不安定なため、原発が「ベースロード電源」にふさわしい旨を説明してきました。
でも、ヨーロッパで再生可能エネルギーの割合が高まっている今、その説明には無理があります。
「無理であることを技術力で突破して今の日本がある」式の議論は、日本経済界にもあるのではありませんか。
そうなるとベースロード電源というより、電力会社としての経営判断にしか思えなくなります。
現場でがんばっている社員さんは、福島第一原発でもそうですが、核燃料を目の前にして安全第一にと緊張している日々を送っていることには心から敬意を表します。
国策で進められた原発なのですから、やっぱり国政の舞台で決着をつけなければと、あらためて痛感したのでした。
福島から避難された方々の実態と要望、避難計画の実効性には不安がある周辺自治体と住民の現状など、取り上げるべき問題がたくさんあります。
衆議院では、質問として取り上げたいのですが、さらに議席を増やして十分な時間を取りたいですね。
参議院では岩渕友議員が経済産業委員となり、この2日間も多くの期待が寄せられていることが傍目でわかりました。
いろいろあっても、政府が再稼働を狙ってきても、全国で年に1~2基を稼働させるのがやっとの状況を考えれば、国民の声が反映しているのは間違いないと思います。
あらためて視察内容を整理して、今後の国会活動にも生かします。
【今日の句】 増やすなら 核のゴミより 安心を
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