戦後処理の不公正をただす反論さえしないのか--日ロ領土問題で安倍首相に問いましたが、開き直りとしか受け取れない答弁!
今日の衆院予算委員会で、日本共産党からは私と清水忠士議員が質問に立ちました。
日本共産党は、日ロ領土問題の解決へ、(1) 北海道の一部である歯舞群島と色丹島については、中間的な友好条約によって速やかな返還を求める、(2) 千島列島返還を内容とする平和条約を締結する--という段階的解決を主張してきました(こちら)。
その立場で、私が質問したテーマは2つ。
①日本外交の基本姿勢と到達点から見ても、領土交渉は後退している
②戦後処理の不公正にメスを入れる、対ロ領土交渉の転換をはかる
①ですが、昨年12月の日ロ首脳会談で発表された「プレス向け声明」には、領土問題にかかわって4島の名前が記載されていない点を問いました。
プーチン氏が大統領になってから、日本首脳との「共同声明」は4回出されています。
2000年~2003年までの3回は、いずれも「択捉島、国後島、色丹島及び歯舞群島の帰属に関する問題を解決」することにより平和条約を締結すると明記されてきました。
しかし安倍政権下の2013年の「共同声明」は、4島の名前は消えて「これまでに採択された全ての諸文書及び諸合意に基づいて進める」にとどまる記述で、しかも両首脳のサインはない形で発表されました。
そして昨年。
会談前に、プーチン大統領の「領土問題は全くない」との発言も報じられました。
総理は指摘や反論をしたのか--私からの問いに「これまでも主張し続けてきた」との主旨をくりかえしました。
私からは、元島民や根室市の窮状を訴えました。
まったく反論がないことで最も心を痛めるのは元島民であり、これまで島が帰ってこないことで根室市は経済的にも社会的にも大きな痛みを受けてきました。
それは、なお今も続いています。
総理もその点は認め、私からは根室市へ行ってほしい強く要請。
領土交渉の中身を現地で総理みずから話し、現地の話を聞くことが必要だと思ったからです。
②では、ヤルタ協定を中心に問いました。
ヤルタ協定は、ソ連の対日参戦の条件として千島の「引き渡し」を米国・英国が認めた密約(1942年)です。
戦後処理の大原則は「領土不拡大」であり、ヤルタ協定はそれに反するものです。
日本政府は、ヤルタ協定に「かかわっていなかった」との立場を強調してきましたが、はたして安倍首相はそれを指摘や反論してきたのか。
首相は「当事国ではない我が国は、ヤルタ協定の内容と領土不拡大原則の関係について説明する立場にない」と、戦後処理に不公正をただす姿勢に立っていない姿勢を吐露しました。
「反論しても1ミリも動かない」と述べるのに、私からは「歴史的事実に基づいて反論するのは当然のことだ」と反論。
これまでの外務省の公式文書を見ても、厳しいやりとりになった内容も含めて記載しているのに、ヤルタ協定については反論した記載もないのです。
つまり、首相の言う「正義を言い合っても進まない」のではなく、そもそも言うべきことを言っていないではない、ということの告白。
重大答弁です。
私は、これまでの領土交渉の方針の、抜本的な再検討を強く求めました。
外交問題は平行線になることも多いのですが、首相が戦後処理の不公正をただす立場に立てていないことが明らかになったと思います。
首相は今年の早いうちにロシアへ行くようですが、同じことの繰り返しではいけない。
あらためて問い続けねば、と痛感しました。
この質問の準備に、根室市で元島民のみなさんなどから話をうかがいました。
本当にありがとうございました。
新たな決意で、さらに臨んでいきます。
【今日の句】 行きづまり ただす道理は 力ある
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