2019年5月2日木曜日

生産現場の努力と苦労を知って

 今日は紙智子参議院議員と厚真町・安平町・むかわ町へ。各地で復興と農業の課題を聞き、紙議員と国政へ反映させていく決意も私から述べました。

 昨年9月の地震発生から毎月、3町を訪れて要望を伺ってきました。先月だけは地方選応援のため来られず、2ヶ月ぶりの3町訪問です。雪がとけたため厚真町の土砂崩れ被害ぶりがまた見えて、胸を痛めながらの移動でした。

 厚真町では連休中にもかかわらず、JAとまこまい広域農協・松原正明参事が応対してくださいました。この連休中もシカ被害を防ぐ柵の設置作業が、厚真町では行われています。そうでなくても、まだ土砂が取り除けないため今年は作付けできない水田が町全体の1割にも及ぶことで、全体の収穫量も心配される現状にあります。

 水稲農家さんからも話を伺いました。今年の作付け面積は例年の3分の1ほどとのことで、「補償をもらえても、やっぱり作ることが農家の仕事ですから」と無念さをにじませた話に、あらためて胸を痛めました。

 厚真町生活再建を望む会のみなさんからも現状と要望を聞きました。再建のための大型財政支援を求める署名にも取り組まれてもいます。「熊本地震などと比べて全体の被害の規模が小さくても、1人ひとりが被害を受けたのは同じはず」との話を、うなずきながら聞きました。就任したばかりの鈴木知事も選挙の第一声は厚真町でおこなったのだから、ぜひ私たちの思いを受け止めてほしいと強調されていました。私たちも道議と連携しながら力を尽くしたい。

 安平町では「夢民舎」に足を運びました。代表取締役の宮本正典さん、副社長の𠮷川絵理子さんが応対してくださいました。安平町・早来は、北海道のなかでも早くチーズ作りが始まった地域。その中でも今年で29年、全国的にも知られるようになったのが夢民舎のチーズです。

 しかし、順風満帆な29年ではありませんでした。宮本さんは「私たちのような零細業者は‥‥」と謙遜されてましたが、外国産の輸入に対抗した差別化や塩加減ひとつでもこだわることなどの努力とともに、人手不足と「パートで働く方の103万円の壁」にまで話は広がり、それだけチーズ作りに情熱を注いでいることが伝わってきました。

 生産者側の話は、昨年も訪れた金川牧場さんで伺うことにしました。金川優美子さんに牛舎まで案内いただくと、水を飲むためニュッと頭を出す牛の姿も愛らしい。「それぞれ名前を付けているんですよ」と語る優美子さんの笑顔に、私たちもほっこりした気持ちになります。

 とはいえ地震からの復興には厳しい現実も。支援対象にならない事業の運用上の問題や、半年前にはあったサイロなどが解体された跡も目にして、さらに寄り添った支援が必要と感じました。とはいえ優美子さんからは「まだ私たちは自力でできるところもあるけど、続けられなかった方もいるので、そちらに目を向けてほしい」と話され、より現実をつかむ必要も痛感しました。

 時間が前後しますが、今日一番はむかわ町でレタス搬出の現場に足を運んでいます。朝取りレタスが箱に詰められ、次々と農家のみなさんが軽トラなどで運び込む現場で、鵡川農協・長門宏市組合長さんから現状を伺いました。

 道内有数のレタス産地・むかわ町は、この時期が出荷ピークを迎えます。最大で1日5000箱を出すとのことなので、一箱12玉とすると1日6万玉! ところが今年は10連休のため市場も基本的には休みとなり、開設の一部市場を通しながらやりくりされているのです。大量に残れば廃棄さえしなければいけないだけに、これではやりきれない思いにもなります。

 地震被害を受けた施設を前に、長門組合長さんからは「多くの方に支援いただき、感謝しかありません」とのお話が。むかわ町は基幹産業が農業であるだけに、町の支援も積極的なのです。今の農政の課題も含めて思いを聞かせていただき、きめ細かい対策と、第一次産業を重視するよう国政の大元からの転換が必要と痛感しました。

 養豚農家の横田さんからはご自宅で、豚コレラ対策などを中心に話を伺いました。せっかくだからと出してくださった豚の醤油漬けの美味しいこと! 横田さんの養豚にかける思いを書いたら何十行にもなるほどのお話で、とても勉強になりました。

 厚真町では伊藤富志夫町議、安平町では三浦恵美子町議、むかわ町は北村修・大松紀美子の両町議が同行してくれました。地域に根差した議員がいることの意味の大きさも、つくづく感じた1日でした。紙議員と力を合わせて、少しでも前進できるように私もがんばります。

 【今日の句】毎日の 食事に感謝 また痛感

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