稲田朋美行革担当相や高市早苗・自民党政調会長などが、靖国神社へ参拝する意向と報じられています。靖国神社は、他の神社と何が違うのでしょうか。
くりかえし「戦争の犠牲になられた方」が奉られているから、参拝は当然だと彼らは言います。
しかし、同神社にはA級戦犯14人も合祀されています。
犠牲者を悼んでも、そこに戦争推進の責任者もいるのでは、単純に「参拝は当然」とはならないでしょう。
何よりも最も問題なのは、靖国神社を通じて発信されている歴史観だと思います。
展示される宣伝物などから見えるのは「当時の戦争は“避けられないもの”だった」ということ。
つまり日本は、戦争にまきこまれた(戦争の手段しかなかった)という「自衛戦争」論。
これでは被害を出したことへの反省は、生まれてこなくなります。
また、その「正義の戦争」に命をささげた戦没者をたたえるのが靖国神社の役割だ、という論法でしょうし、そのような神社に参拝して何が悪い、というのが参拝グループの主張だと思います。
本当に「自衛戦争」なのか。
そもそもアジアに対しても「解放」ではなく、資源や領土を確保すべく侵略が目的でした。
ドイツやイタリアとの三国同盟も、一番の目的は、ドイツに対して、アジア地域でのフランスやイギリスなどの植民地に対して日本支配を認めるよう求めることでした。
例えば、1940年7月12日付の外務事務当局起案「日独伊提携強化案」では、「提携強化の目的」として、ドイツが日本に対して約束すべき事項として「仏印蘭印其の他南洋地方が日本の生存圏内にあること及之が政治的帰属の変更には日本の承諾を必要とすることを認め右地方に対する日本の政治的指導力及経済的勢力を支持す」としています。
安倍首相は「歴史家にまかせる」と、歴史判断は避けています。
それなら、このような歴史観を持つ靖国参拝は、大臣が参拝することも含めて、おこなうべきではないと思います。
他国との関係悪化、諸外国からの批判が起こるのは、日本が戦後政治の「原点」を否定する、という問題になるからです。
靖国参拝について、侵略戦争の歴史を含めて掘り下げるマスコミが、そう多くはありません。
日本の民主主義は大丈夫なのか、ここでも日本共産党ががんばらなければ、と思います。
【今日の句】 反省が なく憲法を 変える道
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