2014年2月5日水曜日

会長も経営委員も、送り込んだ安倍内閣も責任が問われる

 今度は長谷川三千子委員が、元右翼団体幹部を称賛? 仮に「個人の思想信条」としても、公共放送に関わる経営委員の陣容が、これで本当にいいのでしょうか。

 あらためて、この間のNHK会長・経営委員らの「問題発言」等を整理すると--

 ①籾井会長の就任記者会見。

 旧日本軍の「慰安婦」は「戦争をしているどこの国にもあった」との発言は、歴史的事実にも反するし、放送法の趣旨からも不適切。

 さらに「政府が右ということを左というわけにはいかない」との発言は、みずから「国営放送」である立場を明らかにしたものでした。

 放送ジャーナリズムの立場ではない、異常な姿勢だと思います。

 ②百田経営委員の都知事選応援演説。

 南京大虐殺は「そんなことはなかった」、東京裁判は「大虐殺をごまかすための裁判」と、持論を展開。

 歴史認識も問題ですが、他の候補者について「テレビで見ているだけで、人間のくずとわかる」と、社会人としても疑問符がつくような言葉遣い。

 ③長谷川経営委員の追悼文。

 新右翼「大悲会」の野村秋介元会長(当時)が朝日新聞社内で拳銃自殺した、没後20年に作られたパンフに掲載されていたそうです。

 「彼ら(朝日新聞)ほど、人の死を受け取る資格に欠けた人々はゐない‥‥野村秋介は神にその死をささげたのである」と称賛し、その神として呼び出したのは「自らも現御神であられる天皇陛下であつた」としています。

 そもそも籾井会長はじめ、このような人物を経営委員に送り込んだのは安倍内閣。

 このような会長・経営委員の発言などを、NHK職員はどのように受け止めているのでしょう。

 第2次大戦後、日本・ドイツ・イタリアの侵略戦争は、国際社会から断罪されました。

 ドイツ・イタリアでは、今もなお戦争犯罪を真剣に総括し、政治家が先頭に立って正面から向き合っています。

 その出発点を否定し、日本の侵略戦争を正当化し、歴史や社会を逆行させる、こんな姿勢ばかりのNHK幹部でいいのでしょうか。

 本人たちの責任は問われて当然ですが、それを送り込んだ安倍内閣の責任はもっと重い。

 靖国神社の参拝で、アジアだけでなくアメリカ・ヨーロッパ・ロシア・国連事務総長からも失望や懸念の声が出された意味を、安倍政権もNHK経営陣も理解できないのなら、いっそう国際社会から日本は孤立することになるのではないのか。

 このような経営陣のもとで、NHK放送はどうなってしまうのでしょう。

 放送法に書かれているのは--

 「放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによって、放送による表現の自由を確保すること」

 「放送が健全な民主主義の発達に資するようにする」

 昼にみた「ごちそうさん」が描いているのは、戦争に突き進む当時の日本。

 あの時代を正当化するようなNHKなら、いただけません。

 【今日の句】 広い視野 まずは委員が 学ばれて

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