2014年5月15日木曜日

じっくり世論をつくって反撃を

 とにかく安倍首相が言いたいのは「日本の安全保障をめぐる情勢が変わった」のが、集団的自衛権の容認理由のようです。では、その大前提から検討してみようではないですか。

 ①確かに北朝鮮は核実験をおこないましたし、尖閣諸島付近に中国船も来ています。

 それへの対応は個別的自衛権の問題であり、直接的に集団的自衛権の問題ではないと思います。

 ②「周辺の環境が変わったから、軍事力での対応策も変更する」ということだって、一足飛びではないのでしょうか。

 周辺の環境が変わったなら、それにふさわしく外交戦略を持つことから始めるべきではないのでしょうか。

 ③「周辺の環境が変わる」というのは、相手国の変化とともに、こちらの変化もあってもの--相乗的なものであるという認識が必要なのではないでしょうか。

 日本は過去にアジア諸国へ侵略した側であり、その反省も覆す言動は、相手国には挑発とも受け止められると思います。

 ④安倍首相は「行使も限定」と、いくつかの事例をあげています。

 アメリカへの弾道ミサイルを撃ち落とす技術が、今の自衛隊にはあったでしょうか。

 「紛争に巻き込まれた日本人を救出し、米国が輸送している時に攻撃を受ける」事例となれば、広範囲の全面戦争状態でしょう--そのようなことは本当に想定されるのでしょうか。

 つまり、そもそも限定とされる事例が、今の国際社会で本当に起こり得るのか、という議論はないように思います。

 ⑤「使用は最小限度」としても、決めるのは時の政府なので、限度は拡大できるし「歯止め」にもなりません。

 だから石破幹事長だって、地球の裏側にまで自衛隊が行ける想定も口にしていました。

 地球の裏側まで自衛隊が出て行って、何を「自衛」するのでしょう。

 ⑥安倍首相は会見で、これらが抑止力として働く主旨の発言もしていました。

 抑止力どころか、逆に国民を危険にさらしているように私は思います。

 ⑦本来は、アジアの平和的環境をどうつくるか、と問題を立てていくべきではないのでしょうか。

 安全保障面で不安があるのなら、どのように緊張を緩和させるのか、どのように他国と信頼醸成・協調関係をつくるかのロードマップでも示したほうが、よっぽど建設的のように思います。

 確かに外交とは難しいものでしょうが、力による現状変更は、いまの国際社会では簡単に容認されない時代にもなっているのでは。

 経済的な結びつきも強まり、破滅を生むような力の衝突こそ現実的ではないように思います。

 この狙いの危険性を告発もしていきますが、背景となる問題も複雑だけに、ていねいな話し合いを進めることが大事に思います。

 大上段に構えず、よくわからない点を出し合いながら学び合い世論をつくっていくことが、回り道のようで一番の力になると思います。

 それこそ草の根から民主主義をつくりあげること、なのではないでしょうか。

 法律にたずさわる方も、政治にかかわる人も、働く方も学生さんも、おじいちゃんもおばあちゃんも、子を持つ親御さんも、とにかく日本の将来に不安な方も、いっせいに「一声」あげませんか。

 それだけでも全然違う明日が、見えてくると思います。

 【今日の句】 あわてずに 論理の弱点 見ていこう

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