2015年11月18日水曜日

やっぱり現場はTPPへの不安と怒り

 中標津町・別海町で2日に渡り農業調査。TPPによる影響が心配な酪農が基幹産業である地域ですし、さまざまな不安・批判や要望をじっくりと伺いました。

 獣医のような格好をしている写真は道総研根釧農業試験場を視察した際の1コマ。

 話は研究や技術面にとどまらず、農家経営の質問にもていねいにおこたえいただきました。

 経産牛50~60頭規模が多い地域ですが、それ以下の頭数でも収益を出している農家もいるし、大型化したところだってプラスも苦労もある。

 しかし放牧をもとに自給飼料を進めている農家は牛が健康だし、「適正規模」こそ最適なのかなとの印象を持ちました。

 実際の酪農家さんを訪問したり、夜にお集まりいただいて話を伺う場もつくりましたが、共通して出されたのは「経営の見通しが持てる農政を」ということ。

 初期投資だけでも億の単位が必要になりますし、そこから頭数を増やせば設備も機械も大型化するわけで負債も増えることになります。

 根釧地域では「マイペース酪農」と呼ぶ実践もおこなわれていて、みずからの経営と地域社会を成り立たせること、牛や自然の摂理に合致する取り組みを伺いました。

 何よりTPPには怒りの声が大きく、自民党支持という農家からも「次の選挙では(与野党を)ひっくり返さないと」という声も出ているとか。

 私からも、TPPは決まったわけではないし、議論する土俵を「食料の安定供給」「食料主権」にする必要があると述べました。

 「国が酪農をどのように位置づけているのかわからない。共産党としても酪農政策をしっかり示してほしい」など、激励を込めた厳しい意見もいただきました。

 農協や自治体もまわりました(写真は別海町役場)。

 別海町は研修牧場を持っており、年3~4戸のペースで新規就農もいるのですが、それを上回る離農が続いていることには深刻な受け止めをされています。

 TPPを機に離農待機者ともいえる方々が、次々と離農していくのではないかという現実的な危機感があります。

 そうなれば農地が空くことになりますが、すでに経営規模を問わず離農農地を受け入れる余力がなくなってきている実態もあります。

 農協でも町でも担い手対策は具体化してきていますが、TPPはそれに冷や水を浴びせるようなものと私は思います。

 別海町で言えば大手乳業メーカーの工場もありますし、生産者も生産量も減れば地域の関連産業も間違いなく影響を受けます。

 「まずは国会でも、よく審議を」との意見に、だからこそ臨時国会!なんですよね。

 まだ全国的な調査をしなければと思いますが、ひとまず東京の宿舎へ。

 明日も政府レクや集会参加などなど、忙しい1日になりそうです。

 【今日の句】 牛の目も まっすぐ政治を 見てるよで

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