2016年10月4日火曜日

補正予算は衆院通過したけれど

 なかなか理解しにくいSBS輸入米問題ですが、予算委員会で質問に立ちました。36分間の質疑で、明らかになったことは--。

 質問の初めに、この間の台風で被災した農業者向けへ、農業用ハウスを経営体育成支援事業で支援を求め、山本農水相からも検討されている旨の答弁がありました(よかった!)。

 その後、SBS問題について一問一答的にまとめると--

 畠山)民間業者同士の問題ではなく、三者契約だから国は責任当事者だ → 答弁)三者契約である

 畠山)SBS輸入米は、MA(ミニマムアクセス)米の一部。MA米は売れずにいるが、いくら政府は損失となったか → 答弁)2014年度までで累計3135億円

 畠山)MA米で巨額損失があるなか、必ず売り先のあるSBS方式は好都合で、輸入米を安く流通する知恵としての「調整金」ではないか。価格に「調整金」が影響を与えているのか、徹底的に調査をするべきだ → 答弁)調査結果はきちんとお示しする

 畠山)輸入米と国産米の価格差があれば、TPP試算の前提が変わる。業務用米と競合する県の試算では「減少」なのに、政府はコメの影響「ゼロ」とは信じられない。 → 答弁)多くの県が政府と同条件で試算しており、一部の県が違うということ( → 畠山「真剣に試算した県を『一部』として切り捨てるのか」)

 畠山)すでに日本は、米国のコメ輸出国として世界第2位という「良いお客様」になっている。さらにTPP輸入枠のほか、SBS方式の運用も変えることにしているはずだ → 答弁)技術的な変更をおこなう( → 畠山「具体的な中身は、入札回数の増加や再入札の実施、マークアップの引き下げだ」)

 畠山)さらに新たなSBS輸入枠のうち8割もが米国産とする「保証」があると、米国の国際貿易委員会が、日本と「文書化されていない約束」を交わしたとの報告書を出しているが事実か → 答弁)事実ではない。遺憾の念を伝えている( → 畠山「しかし撤回されていないではないか」)

 対等・平等・互恵の貿易ルールとはかけ離れたTPPを、今国会で批准することは認められない旨を最後に表明しました。

 正確な判断には議事録を待ちたいと思いますが、ポイントは▼SBS方式は国家管理貿易であり、その制度とこれまでの説明について国が問われていること、▼コメの流通価格に「調整金」はどのような役割を果たしたのか、▼前提が揺らいでいるなかで、これまでの試算は撤回して見直すこと、▼米国からのコメ輸入要望には従いつづけ、密約のようなことまで米国では報告されている--などです。

 これまでコメ農家には、国内需要の減少や国民の食嗜好の変化を理由に、転作などを奨励してきました。

 しかし、その一方で米国などからのコメ輸入が増えて、さらにTPPで拡大するどころか、「輸出金」による低価格の影響があるとすれば、矛盾に矛盾を重ねるだけの結果になります。

 農水省は、疑惑問題の調査結果を今週中に出すとしていますが、どのような中身なのかは注視したいと思います。

 さて国会は、夜まで衆議院本会議も開かれて、補正予算案は与党+維新の賛成で通過。

 締めくくり総括質疑で本村伸子議員が取り上げたリニアを始め、大型開発優先の「経済対策」ではなく、くらし応援の立場でこそ。

 本会議では高橋千鶴子議員が、そのような願いを込めた反対討論をおこないました。

 明日から論戦の舞台は参議院へ移りますが、いよいよTPP特別委に向けた論戦準備を私も急ぎます。

 【今日の句】 新米の 季節を喜び あえるよう

2 件のコメント:

  1. 予算委員会、お疲れさまでした。昨日のニュースでは、時間が短いのと、首相の答弁が棒読みなのとで、正直よくわかりませんでした。そこで、ネットで3,4回、再生しました。すばらしい調査力ですね。これからも応援しています。立場上匿名より。

    返信削除
  2.  匿名さん、コメントありがとうございます。

     普通の生活では馴染みのない問題ですので、質問づくりは苦労しました。
     しかし、コメの価格をいうのは農業政策でも基本問題なので、その重要さが伝わればとも思います(首相には通じないようですが)。
     引き続きがんばりますので、また気軽にコメントお寄せくださいね。

    返信削除