2016年10月7日金曜日

これでコメ農家の不信は解けるか

 SBS輸入米での価格偽装疑惑で、農水省から調査結果が出されました。市場価格に影響しない理由は‥‥業界上位4社が、そう言っているから?

 総合的な分析は落ち着いておこないますが、気づいた点をいくつかだけ。

 ▼焦点であった「調整金が価格引き下げに使われたのか」という点は、そもそも「買受業者が受け取った金銭の活用方法」で「様々な経費に活用」が半数を占めています。「様々な経費」の中身が問題なわけで、これではわかりません。

 ▼金銭のやりとりがあった業者は、買受業者で「過去あったが現在はない」31業者+「現在もある」11業者で、対象業者のうち37%。同じく輸入業者では9業者+10業者で、対象業者のうち73%を占めます。

 ▼調査対象の業者は「公文書の保存機関である直近5年間」なので、国産は低米価のとき。SBS枠めいっぱいの10万トンは、満たされていません。問題は、なぜ低米価になってきたのかで、政府は「需給と品質」が価格を決めるとしていますが、5年より前は10万トンめいっぱい輸入されており、それが国産米へ影響を与えたとも考えられます。そこまでさかのぼった調査ではありません。

 ▼国産米とSBS輸入米との価格比較では、国産米は「全銘柄平均」になっています。しかし、SBS輸入米は外食・中食の業務用が中心なので、業務用米との比較が必要ではないのか。

 ‥‥などですが、専門家や関係者などの意見・感想も聞きたいところ。

 何より、コメ農家がどのように調査結果を受け止めたでしょうか。

 農水省は契約当事者ですから、さらに農水省自身を質していく必要がありますし、業者も参考人として意見を聞く必要もあるかと思います。

 この結果をもって、TPPでコメ輸入が増えても「対策をうつので影響ゼロ」という試算は撤回しないということでしょうが、では対策がなければ影響があるということですから、その試算経過も本来は示されてしかるべき。

 与党からはTPP特別委員会を開こうとなるでしょうが、制度の根幹にかかることですから、拙速に結論を出すものでもないと思います。

 夜遅くに札幌に戻ると、ヒンヤリした空気を感じました。

 稚内では初雪とか。

 少々寒いくらいの季節が好きな私としては、気持ちよく北海道へ戻ってきました。

 【今日の句】 そもそもは 輸入拡大 問われなきゃ

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