2018年11月1日木曜日

人間も牛も大切にされる社会を


 田村貴昭衆院議員・紙智子参院議員と、今日は別海町と浜中町での酪農調査。移動だけでも1~2時間かかる地域です。広い!

 まずは道東あさひ農協での懇談から。原井松純組合長、田中博行専務、米国帰りという齋藤哲範営農部長さんらが対応してくださいました。全道一の生乳出荷を誇る別海町、全道の約1割を占めるほどなのです。

 それだけに停電での被害や対応についての苦労も多大でした。9月末時点で生産半減が5戸、2割減が50戸、搾れなかったのが60戸とのことで、今は多くの農家で回復しているのですが、その多さに驚きます。まずは配電盤設置を急ぐとのことですが、当時のことを振り返り「通信網の整備も必要」との話がありました。

 そもそも広く、中山間地のような場所もある道東地域で、隣近所をまわって情報伝達するなど無理な話です。情報を組合員に伝える通信手段も確保しないといけないのだと、話を聞くなかで実感しました。

 今後の酪農政策について、国の支援事業は平均を超える規模でないと対象にならないという制約が話題になりました。別海町の平均頭数は74頭。これを超えるというのも現実的にはハードルが高い。国に要件緩和を要望しているとのことですが、これは与野党を問わず取り組むべき課題と応じました。

 原井組合長さんからの「戸数維持がわれわれの役割」との言葉を重く受け止めました。規模拡大すれば乳量や農地維持は可能になるかもしれませんが、地域の戸数は減っていくことになります。しかし地域社会は、多くの方がいて成り立つもの。農地についても同様です。発電所と同じで、大規模集中ではリスク管理にもならないからです。しっかり国政に反映させていきたい。

 次に酪農家のみなさんと昼食をとりながら懇談会。獣医で元厚岸町議の竹内さんが、みずから回った聞き取り結果をまとめてくださった報告はリアルで、「行政として、しっかりしたデータをとることが対策に不可欠」との指摘は重みがありました。

 集まられた方は「マイペース酪農」を実践されている方が多く、国際的に家族経営の意義が高まっているもとで、人間にも牛にも負担をかけない酪農のあり方についての意見交換もできました。

 今回の停電でも、あまり被害がなかったとの話もありました。ふだんから多く乳を搾っていないことも良かったのかもしれません。マイペース酪農の牛乳を飲みたいという問い合わせもあるのだとか。あらためて国の大規模偏重の政策を、現状に見合った形で変えていくべきだと思いました。

 浜中町へ移動して、最後にうかがったのはタカナシ乳業北海道工場さん。立花貴裕工場長さんが対応いただき、概要を説明していただいたのちに意見交換と見学もさせていただきました。

 ちょうど地震発生時は洗浄工程中で生産ラインが動いていないため、大きな被害というほどではなかったとのこと。しかも事務所を建て替え中で、工事用の発電機を借りることができて排水用の微生物処理が可能だったといいますから、偶然とは言え最小限の被害だったのかもしれません。

 それでも他社の工場が止まっているため集乳車が次々とやってきて、現場では相当の生産を進めてきたようです。自家発電を準備する方向のようですが、導入も運転にも多額の資金が必要ですから国の後押しが欠かせません。やっぱり現場に行って話を聞くことで、ようやくわかることもあるんだと実感しました。

 田村議員とは釧路で別れて、帯広市で岩渕友参院議員と合流しました。明日はバイオマス発電のこともあわせて鹿追町などをまわります。

 【今日の句】今日もまた じっくり牛と 目を合わせ

0 件のコメント:

コメントを投稿