2013年4月29日月曜日

千島も戻らずに、なぜ「主権回復」か

 沖縄では政府の「主権回復」式典への抗議の声。北海道でも、サンフランシスコ条約で千島が放棄されて今だ帰らず、それで「主権回復」とは理屈の上でも感情の面でも、納得はいきません。

 後に政府は「国後、択捉は千島に含まれない」と主張し始め、北海道の一部である歯舞群島・色丹島と合わせて「四島返還」を要求してきたことは、ご存知のとおりです。

 いろいろ経過や主張はあれど、放棄した日を「主権回復」とする理由が見当たりません。

 高橋知事は「四島を返して欲しいとの気持ちをこめて」政府式典へと出席しましたが、本人の気持ちではなく、根室市・管内や元島民の気持ちを考えれば、少なくとも本人出席はすべきでなかったのではないか。

 日本共産党は抗議の意思を示して、政党としての参加はしませんでした。

  紙智子参議院議員・森つねと選挙区予定候補が街頭宣伝をおこなう予定でしたが、傘もさせない暴風雨!で、中止となったのは残念。

 「主権回復」を宣言し、だから「自主的な憲法を」との議員連盟の動きも見えています。

 沖縄、奄美、小笠原、千島に色丹・歯舞と、受けてきた苦しみは見えていないのでしょうか。

 ゴルバチョフ時代に、旧ソ連が「色丹、歯舞は北海道の一部」との見解を持っているかとの報道が出ていますが、日ソ共同宣言の舞台裏を描いた記録でも、旧ソ連は「色丹、歯舞」返還の意思を持っていました。

 二島返還を先行し、以降については継続協議もしながら、中間的な条約を結ぶことはありえることです。

 いまだ元島民の財産権は保障されず、島には墓も残っています。

 漁業では海域が制限され、地域経済を苦しめる要因にもなっています。

 それで、なぜ「主権回復」なのでしょう!

 【今日の句】 切り捨ての 屈辱受けた 過去を見よ

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