2019年1月22日火曜日

総理よ、説明せよ

 このブログを書いている時点では、まだ日ロ首脳会談の詳細はわかりません。安倍首相は「2島決着」の考えなのか、質したい気持ちでいっぱいです。

 思い出すのは2年前の2月3日、衆議院予算委員会。前年末に安倍・プーチン対談がおこなわれ、共同経済活動が合意されたことについて私が安倍首相に質問した日です。あわせてヤルタ協定など、戦後処理の不公正について質しました。

 あらためて読み直して、重要な答弁をしていると思いましたので抜粋・転記しておきます。

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 畠山 外務大臣に確認いたします。このヤルタ協定についての日本の考え方、立場を御説明ください。

 岸田国務大臣 (略)このヤルタ協定は、当時の連合国の首脳者の間で戦後処理方針を述べたにすぎないものであり、関係連合国間において領土問題の最終的処理につき決定したものではないと考えます。
 そして、我が国はヤルタ協定に参加しておらず、いかなる意味でもこれに拘束されることはないというのが我が国の立場であります。

 畠山 ヤルタ協定の法的効果は否定するということです。(略)このヤルタ協定、密約自体が領土不拡大という国際原則に反するという認識を総理もお持ちになっていますか。

 安倍内閣総理大臣 (略)また、ヤルタ協定は、一九四六年まで秘密にされており、また、そもそも我が国は参加しておらず、いかなる意味でもこれに拘束されることはないわけであります。(略)
 いずれにせよ、北方四島は日本固有の領土であるというのが我が国の一貫した立場であり、そして、この四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するというのが基本方針でありますが、‥‥

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 この間、ロシアのラブロフ外相からは「日本側が第2次世界大戦の結果を認めるのが第一歩だ」と発言しています。ヤルタ協定の内容を認めよ、という意味を含んでいると思います。仮に総理が「2島決着」と考えているのなら、これまでの歴史認識や法的効果をどう考えているのでしょうか。総理みずから「これに拘束されることはない」と断言しているのですから。

 とはいえ安倍首相のことですから「新しいアプローチ」「新しい認識」とでも言うのでしょう。私のやりとりの後でも、総理は「そこで反論していても1ミリも動きませんよ」とムキになって答弁している部分があります。「2島決着」へ向かう認識とは、ここで地続きになっているんだと思います。

 とはいえ総理も最後の答弁には「委員がおっしゃったことを私は否定するものでは全くない」と述べています。その後の一言が本音です。「そうしたことは今までさんざんやってきたということは申し上げておきたい」。らちが明かないから妥協が必要だ、と聞こえました。

 歯舞群島と色丹島は北海道の一部であり、日本共産党としても先行返還は認めています。そこで終わりにするかどうか、ということです。総理がいうようにヤルタ協定に拘束されていないわけですし、千島・樺太交換条約によって国後島・択捉島を含む千島諸島の全体が日本領でした。それをサンフランシスコ条約の際に放棄してしまった日本外交の誤りを正すことも、問題解決には必要なことと思います。

 領土にかかわる主権を放棄するということが、前例になっていいのか。国際的にも「日本はそういう国なのか」ととられないか。そもそも国会や国民に、安倍首相は方針や歴史認識の転換を(するのであれば)説明してきたのか、合意となっているのか。米国との関係なども含めて、質すべき論点は多くあります。

 明日は岩見沢市で消費税学習会で、しっかり今日のうちに準備です。学べば学ぶほど、今回の増税は道理なし! 止めるしかありません。

 【今日の句】あの島は あなたの土地では ありません

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