先日、各党で議論されている「いじめ法制化」について、日本共産党の考えが示されました。ぜひ、こちらからご覧になってください。
自民・公明案と、民主・生活・社民の3党案には、共通する問題点があります。
①法律で子どもに命令し、義務を課す--命令でなくせるなら、そもそも法律にする必要もないでしょう。義務というなら、大人社会の方に課すべきでしょう。
②道徳教育の強化--市民道徳を身につけることは大事ですが、いじめ解決には具体的な人間関係の構築が必要なので、道徳だけに頼るわけにはいきません。
③厳罰化--いじめる側を立ち直らせることも、教育者の仕事の1つ。厳罰化を前提にすることで、子どもと教師の信頼関係が壊れないか心配です。
④被害者・遺族等の「知る権利」があいまい--隠蔽に対して、真相を知りたいと思う気持ちは当然と思います。自民・公明案には、その言及もありません。
⑤家庭への義務付け--自主的な家庭のあり方を強制すること自体が、なじむものではないように思います。
このような問題点のうえに立って、8項目の改善点を述べています。
私は特に「教育の自主性を大切にしながら、子どもの命最優先でいじめに機敏に集団的に対応する学校の責務」が大切に思います。
もちろん学校には、子どもの命を守る最優先の責任があります。
同時に、いじめの解決はマニュアルどおりに進むものでもなく、多くの実践を交流して解決も進んでいくものと思います。
いじめだけでなく子どもたちの問題行動には、必ず原因があります。
その原因と自分の行動を自覚し、相手の立場も理解し、この先にどうしたらいいかを根付かせていくには、かなりの力と時間が必要になります。
何より子どもたちは、競争主義という大きなストレスの中で生きているんですから。
「義務」「命令」だけで解決するような性格の問題ではない、と私は自分のわずかな教育実践からも思います。
解決に妙薬はない以上、じっくり大人が子どもに正面から向き合って解決するしかない。
そして、子どもの問題行動を引き起こす要因を、1つ1つ直していくしかない。
問われているのは子どもたちでなく、大人社会と政治の責任だと思います。
国連子どもの権利委員会から勧告されている、過度な競争をなくさずに、子どもに義務だけを課せば、さらに子どもを追い詰めることになるのでは?
【今日の句】 義務を言う 人ほど義務を 果たさずに
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