今日あった会議で、こんな話を聞きました。
つどいで話された、大学卒業と大学生のお子さんを持つ女性。
「上の子が奨学金を借りて、何とか大学を卒業できた。
しかし、正規職員のクチもなくて。
収入もないのに、奨学金を返さないといけないのが大変。
それを見て、いま在学中の下の子。
奨学金を返すことが見込めないなら、って大学をやめちゃった」
もしかしたら「今の若者は甘い!」と、考える方もいるかもしれません。
でも私は、大学をやめる彼の気持ちは理解できる。
それだけ社会に対する閉塞感が、世代的に強いんだと思います。
今日、安倍首相が「成長戦略」を発表しました。
規制改革が「1丁目1番地」だそうですが、改革でなく「緩和」と正確に言うべき。
構造改革路線の継続・発展です。
「所得10年間で150万円増」が目標であるかのように報じられていますが、総所得で考えるようなので、一部の高額所得者が大もうけすれば、数字上は成り立つでしょう。
貧富の格差が、拡大するのではないか。
こういう時に若者にがんばれと言っても、勝ち残れるのは一握りなんですから、大学をやめる学生が出るのも合理的な選択とも言えるでしょう。
果たして、こんな日本で本当にいいのか。
これで次代を担う若者が育ち、あらゆる面で継続可能な仕組みは保たれるのか。
少なくとも奨学金や、授業料で若者たちが展望を失う状況は、解決を急ぎたい。
文科省でも給付制奨学金には前向きですが、一部のエリート育成のためだけの制度にはしないでほしい。
もともと学びたい若者には、その環境を保障するというのが政治の仕事なんですから。
足元を大事にすることは、日本の未来を大事にすることと同じだと思います。
【今日の句】 励めよと 貸す金あとで 利子が付き
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