「沖縄の負担軽減」を口実に、沖縄県道104号線越え実弾射撃訓練をSACO合意にもとづき、全国5ヵ所へと分散されました。
その1つである矢薄別演習場では、今年で13回目となります。
この移転訓練も、当時は住民からの反対を前に地元関係首長らが抵抗していたものを当時、鈴木宗男氏が受け入れ合意を迫ってきたという経過があるものです。
彼は「自分の選挙区だから」引き受けたと誇っていますが、結局は沖縄の負担軽減になっておらず、しかも次に述べる現実を、どう受け止めているのでしょう。
その際に、2つの約束がありました。
1つは訓練の「固定化」はしない、もう1つは沖縄での「同質・同量」の訓練に限るということ。
しかし13回目となれば、これは事実上の「固定化」です。
さらに沖縄での訓練は、弾数で年平均1853発だったのに対し、訓練移転後は年平均2500発超と拡大しています。
そのうえ夜間訓練、10数km弾、白リン弾‥‥。
これらは集会で講演していただいた、琉球新報・編集局次長の松元剛さんによる指摘なのですが、松元さんは「本質は『同質・同量』でなく、米軍によって使い勝手良くさせられた」との指摘が的確だと思います。
松元さんからは、沖縄の詳しい現状も紹介されました。
特に参加者に衝撃を与えたのは、2004年に起きた沖縄国際大学に米軍減りが墜落した、当時のテレビニュース。
その事故の規模だけでなく、情報を隠そうとする米兵が、日本の消防も警察も入れず、マスコミを遮断しテープまで押収しようとする様子が、生々しく報じられているのです。
いったい、ここはどこの国なのか。
強い怒りや悲しみが、会場を覆ったように思いました。
普天間飛行場の滑走路から、民家まではたった160m。
ハワイでは、1.6km離れたカメハメハ大王の遺跡に配慮して、ルート変更をしたと言います。
沖縄の民意を無視しながら、アメリカでは過敏に対策を講じ情報も公開している。
そして、日本政府も追認している。
これぞ沖縄への二重基準の押しつけであり、沖縄への差別ではないか――松元さんの指摘は、胸にぐさりと突き刺さりました。
何度も沖縄の現状を学んできたつもりでしたが、まだ私たちの知らない沖縄の現実があるのだと、痛感させられました。
そして、数値化もできず根拠もない「抑止力」の名で、沖縄に基地を押し付けている現状の道理のなさにも、憤りを覚えました。
矢臼別でも、沖縄でも、根っこは一緒。
憲法無視の政治があり、日米安保条約による犠牲があり。
集会後の釧路市内のデモ行進は、ひときわ参加者のシュプレヒコールの声も大きかったように思います。
アメリカ国内でも海兵隊不要論が出るなかで、日本政府が主体的に従属する現状が、あまりにも情けない。
さらに世論を広げなければ、と強く思った1日でした。
【今日の句】 同盟の 真実見れば 従属と
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