2011年11月5日土曜日

欧州の財政危機をどう考えたらいいか

 ギリシャの財政危機がイタリアの財政監視にまで及び、欧州政治の危機になってきたと報じられています。

 そもそもギリシャの財政危機は、公表されていた数字より財政赤字が膨らむと新政権が09年に明かしたことから始まりました。

 もともと以前から、ドイツ、フランス、イギリスは銀行の経営危機が火を噴いていました。

 リーマンショックで危機はさらに深刻化したのだと思いますが、金融機関の投機的取引が市場の不安定さを生んできた反省から、欧州を中心に投機的な金融取引には連帯税・取引税なるもので一定の安定化と財源確保も検討されてきたはずです。

 それなのに、なぜ今また財政危機なのか。

 少し私も調べてみましたが、ギリシャは欧州諸国やIMFから3年間で1100億ユーロの融資を受けることで、国内では年金支給削減など緊縮策をおこないました。

 しかし国民生活への負担は内需を冷え込ませ、GDPも1年前から落ち込むこととなりました。

 英「エコノミスト」誌(2011.4.9号)では「ギリシャ救済の国際的計画がギリシャ経済をまひさせている」と報じていました。

 内需が冷え込み税収が増えない構造が、ギリシャ国債の格付け低下となりました。

 とは言え、格付け機関が一国の運命を左右するとは、あまりに金融市場の暴走がひどすきないでしょうか。

 ということは結局、投機的取引が市場をかき回したことにどう向きあい、IMFに従って国内緊縮策=国民生活圧迫を続けるのか、という議論のスタート地点に戻ってきたように私は思うのですが。

 当面は緊急融資となるでしょうが、同時に危機の大もとである国境を越えた金融機関の投機取引を抑える仕組みづくりや、 緊縮政策から内需刺激策=雇用対策や社会保障対策への切り替えが必要なのではないでしょうか。

 財政危機は日本の議論に直結しがちですが、国債の9割が国内投資家の日本の場合は、よりじっくりと内需応援の経済政策に取り組むべきだと思います。

 もっと私も勉強を積みたいと思いますが、そもそも資本主義という経済システムの矛盾の現われでもあると思います。

 南米では「新しい社会主義」や「公正な市場経済」などの言葉が飛び交っていますが、利益のための経済から国民のための経済への転換を、底から議論すべき時だと思います。

 【今日の句】 監視なら 違法・脱法 取引を

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