2020年9月3日木曜日

国は地方へ責任を押しつけるな

 今日は寿都町「核のゴミ」文献調査応募問題と泊原発の断層調査で、岩渕友参議院議員と後志管内をまわりました。真下紀子・菊地葉子の両道議も同行しました。あらためて感じたのは原発政策の矛盾と破綻です。

 寿都町では幸坂順子町議が呼びかけて、町民の方が集まっての懇談会。若い方が中心になった署名の呼びかけに、ある方は「100人くらいが協力してくれて、もう行くあてがないほど。『1枚ちょうだい』という方も」と町民の様子を語りつつ、仕事の関係などから応じてもらえない場合もあるといいます。態度は明らかにできなくとも、多くの町民が反対の気持ちがあることが伝わってきます。

 「本州に住む高校生の孫から『寿都に行かない』と言われてショック」「町の財政が大変だというけど、ニセコ町に出したアンテナショップの不採算などムダ遣いはないのか」など、こういう声にこそ町長さんは応えてほしい。隣町・黒松内町では学習をすすめる会も立ち上がり、精力的に「住民に真実を知ってもらいたい」と活動を始めています。

 今日、寿都町では町長と鈴木道知事の面会がおこなわれました。片岡町長の態度は頑ななうえに精密調査まで進めたい意向を示したようですが、町民の反対署名が短期間のうちに700筆近くも集まって、反対世論は高まっています。岩渕議員は「原発を推進して核のゴミを増やしながら、その責任を地方へ押しつけるのは原発政策の破綻を示すもの。この課題も含めて、国会を開いて議論すべき」と強調しました。

 不安の声は、次に訪れた岩内郡漁協などの漁業者、そして周辺の町村でもあふれています。岩内郡漁協では「他の町のことだから内政干渉のようになるのも」と断りつつ、小樽地区漁協組合長会で抗議書を提出した経過などを紹介。いま岩内郡漁協では、スケトウダラ漁には1隻のみという状況など、あらためて水産行政に力をいれなければならないことも痛感しました。「今は組合員は52ですが、私が組合に入った時は600ほどでした」と宮下専務さんの話を聞き、沿岸地域を支えたいとの思いが心に沁みました。

 片山健也ニセコ町長からは、羊蹄山麓の首長そろって反対の意思表明をするとしたことに触れて、農業と観光、景観を大事にしてきた町としての危惧もうかがいました。住民自治を大事にしてきたニセコ町の舵取りを担う首長として「住民が誇れる町づくりを進めたいです」と語られた言葉が、強く印象に残りました。

 町の財政難についてならば、他の自治体とも力を合わせられる課題です。一方で、このような応募に進むのは、周辺自治体との分断につながってしまいかねないことだと今日も不安を覚えました。寿都町では来週から町民説明会も始まるようですが、引き続き注視していきたい。もちろん党としては、応募の撤回に力を合わせます。

 泊原発については、規制委員会へ北電が再稼働申請をしながら数年間、まったく認められないまま進んできました。その理由の1つが断層の評価で、今なお北電は敷地内のFー1断層について明確な説明ができていません。斎藤海三郎さんから地層の説明を聞き、小野有五さんからも論点の中心点をうかがいましたが、これらは明日の北電からのヒアリングと合わせて、まとめて記すことにします。

 数年間も規制委員会から認められてこなかった現実だけ見ても、もはや再稼働申請は取り下げる時期ではないのでしょうか。北電にとっての新たな道を、勇気をもって進んでほしいとも切に願うばかりです。今日の調査を力に、しっかり国会と連携していきます。

 【今日の句】来るたびに きれいな海は そのままで

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