昨日、北海道弁護士会連合会が声明を発表しました。道警が昨年の参院選での街頭演説で、参加者の一部を実力で排除した問題についてです。道弁連としては昨年9月に続く2度目の声明で、道警と道公安委員会に郵送したとしています。
安倍首相が札幌で演説をおこなった際に、政府の年金政策を批判するプラカードを持っていたり、「増税反対」と声を上げたりした市民へ複数の警官が取り囲みや制止、排除などをおこないました。その当事者だけでない市民も、つきまといや監視を受けていたことも後に発覚しました。
仮に公職選挙法に反することなら立件されるところですが、されていません。何のために、何にもとづいて排除などの行為をおこなったのか法的に明確になっていないのです。これでは市民の政治参加への重大な干渉になると声があがり、道議会でも追及され、道警は調査すると述べて半年近くが経過しています。
つまり、説明できないのではないか。不当な公権力の行使だったのではないか--そうであれば、公権力が市民の思想や信条に介入しても構わない社会になってしまいかねません。道弁連の声明が2度目になるほど、ことは深刻に受け止めるべき問題です。
安倍政権になってから、こうやって民主主義の土台が少しずつ壊されてきたのは間違いありません。先日は、勝手に法の解釈を変えて検事長の定年延長を決めてしまいました。法を無視すれば、時の政権が都合よく勝手なことができてしまいます。まさに立憲主義の危機なのです。
取り戻すには、地域でこつこつと立憲主義や民主主義を積み重ねることが大事だと思っています。北海道での世論の広げと運動づくりにも、引き続き力を尽くしたい。
【今日の句】説明が できぬか政府も 道警も
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